スローリーディング中の中公新書『統計分布を知れば世界がわかる』。本日は第5章を読みました。本書では単なる統計手法の解説だけではなく、統計を利用した社会改革までの提案があることで、ご専門の物理学を超えた広い視野の新書となっています。文章も読みやすいです。
高校生の平均身長は正規分布になりますが、体重は生活習慣の時間過程により正規分布とならず、対数席分布となる、という点が「目からウロコ」でした。
第5章 現代社会に見られる対数正規分布の例
時間の変化によってデータ数に増減がある社会現象は、対数正規分布であることが多い。
本章では「対数正規分布」統計から世の中がどう見えるかの具体例。
図5-1 死亡年齢の個数分布
高齢者の死亡年齢は、おおむね正規分布を示す。
老人病の介護期間のデータでは、対数正規分布とすると、データの85%近くがフィットしている。
老人病の介護期間のデータに対数正規分布があてはまるのは、高齢者の乗算過程的な疾病発症過程が関係している。
介護期間分布の予想される今後の推移
寿命は延びるが、健康寿命はさほど伸びないことが予想され、データが右方向に移動する(介護期間の長期化)
→社会問題
17歳の高校生の身長は正規分布をとる(人類の遺伝的要素が大きい)
体重のデータは生活習慣によって年齢に関係なく肥満の人がいる
この場合のデータは普通の体重の人と、肥満の人とを分け、二重対数正規分布、とするとデータがフィットする
※複雑系のデフォルト分析は対数正規分布
対数正規分布からはずれたデータは、対数正規分布を基礎として議論でき、
原因・意味や対処する方法の追求が可能となる



