2020年10月31日土曜日

[積読立読斜読] 『この世界の片隅に』(漫画原作、2009年、双葉社)


 高校の同期生とあまり頻繁でない地歴のフィールドワークを行っています。


広島市の主だったところは巡ったので、次回は海軍の鎮守府のあった呉を巡ろうと、参考資料のため漫画版『この世界の片隅に』を読んだしだいです。


映画を先に観たのですが、原作者が何故自分が経験したことない戦争時代の話を、微に入り細を穿いて描くのか不思議でした。


漫画を読む習慣がないので、原作がどのような位置にあるのかはわかりません。


何故ここまで描いたのかは、作者のあとがきで判明しました。



あとがき

 

わたしは死んだ事がないので、死が差医学の不幸であるのかどうかわかりません。他者になった事もないから、すべての命の尊さだの素晴らしさだのも、厳密にはわからないままかも知れません。


そのせいか、時に「誰もかれも」の「死」の数で悲劇の重さを量らねばならむ「戦災もの」を、どうもうまく理解出来ていない気がします。


そこで、この作品では、戦時の生活がだらだら続く様子を描く事にしました。そしてまず、そこにだって幾つも転がっていた筈の「誰か」の「生」の悲しみやきらめきを知ろうとしました。


呉市は今も昔も、勇ましさとたおやかさを併せ持つ不思議な都市です。わたしにとっては母の故郷です。わたしに繋がる人々が呉で何を願い、失い、敗戦を迎え、その二三年後にわたしと出会ったのかは、その幾人かが亡くなってしまった今となっては確かめようもありません。だから、この作品は解釈の一つにすぎません。ただ出会えたかれらの朗らかで穏やかな「生」の「記憶」を拠り所に、描き続けました。


正直、描き終えられるとは思いませんでした。


幾つもの導いてくれる魂に出会えた事。平成18年から21年の『漫画アクション』に、昭和18年から21年のちいさな物語の居場所があった事。のうのうと利き手で漫画を描ける平和。そして今、ここまで見届けてくれる貴方が居るという事。


すべてが奇蹟であると思います。


有難うございました。


2009年2月 花粉の朝に


こうの史代



『この世界の片隅に』(漫画原作、2009年、双葉社)

[積読立読斜読] 『凡事徹底「一日一話」』(鍵山秀三郎著、PHP、2019年)11月1日~11月4日

 




数値化

 学問的な能力だけを判断基準にしてきた社会風潮が、世の中の乱れを引き起こしてきた原因だと思います。

 学問的な能力は、数値化することが可能です。数値化すると測定しやすく、順位が決めやすい特徴があります。

 しかし、大切なことほど数値化できないのも現実です。大切な人間性や人柄をおろそかにしてきたそのツケが、現代社会の問題となっています。



[惹句どんどん] ジッド(フランスの小説家)



「私はいつも真の栄誉をかくし持つ人間を書きたいと思っている」


『この世界の片隅に』の作者・こうの史代さんの「好きな言葉」だそうです。

ジッドの作品が好きな文学少女だったのでしょうか。



ジッド  1869‐1951
 Andre Paul Guillaume Gide

フランスの小説家,批評家,劇作家。南フランス出身の法律学者を父に,北フランスの素封家出の賢婦人を母にもつ彼は,厳格なピューリタンとしてはぐくまれた。そんな彼の生涯のドラマを決したのは,母方の従姉マドレーヌ・ロンドー(後年のジッド夫人)との恋である。この恋愛体験,その後の結婚生活の体験がなんらかの形で影を落としていない作品は皆無といっていい。

処女作《アンドレ・ワルテルの手記》(1891)以来,だいたいの作品が,あるときは彼女に象徴されている伝統的諸価値とプロテスタントの道徳規範への順応として,あるときはそれらへの反逆として,またあるときは順応と反逆の激しい相克として構成されている。1893年から幾度も繰り返された彼のアフリカ旅行と同性愛者としての自己確認が,順応と反逆の振子の振幅をますます大きくする。こうしたドラマの諸様態を通常の物語形式にのっとって悲劇的照明の下に描いたのが,彼のいうレシ(物語)であり,《背徳者》(1902),《狭き門》(1909),《田園交響楽》(1919),《女の学校》三部作(1929,30,36)などがそれにあたる。また同質同種のドラマを滑稽風刺譚風に描いたのがソティ(茶番)であって,《パリュード》(1895),《法王庁の抜け穴》(1914)などがそれにあたる。

そして,両者の総合として,視点を複数化し,音域をひろげ,構成を重層化して構成されたのが,彼がロマン(小説)と名づける唯一の作品《贋金(にせがね)づくり》(1926)である。ほかに,激情を歌いあげた詩的作品《地の糧(かて)》(1897)や,幾編もの戯曲,《ドストエフスキー論》(1923)のような卓抜な評論,膨大な日記,社会的関心を示す紀行文《コンゴ紀行》(1927),《ソビエト紀行》(1936)などがあり,いずれもが時の大きな話題となった。《NRF(エヌエルエフ)》誌の創始者・指導者としての彼の巨大な影響力は,フランスの国境を越えて,世界全土にひろがったのである。1945年までの日本もその例外ではなかった。

 ジッドを日本に初めて紹介したのは上田敏であるが,広く知られるようになったのは1923年に山内義雄による《狭き門》の完訳が出版されてからである。以後,小林秀雄,河上徹太郎,横光利一,野間宏らが深い関心を寄せた。⇒純粋小説
                         若林 真

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2020年10月30日金曜日

2020年10月28日水曜日

[惹句どんどん] アインシュタイン

 


乱れた机が乱れた頭のサインなら、
空っぽの机は一体どんな頭のサインだろう?


『ゼロ・ウエイスト・ホーム』より孫引き。


[惹句どんどん] ダライ・ラマ



 

人生、持てる物が少なければ、心配の種もない。
物が多いほど、失うものも多いようだ。


『ゼロ・ウエイスト・ホーム』より孫引き。リック・レイ(ドキュメンタリー『ダライ・ラマへの10の質問』)。

 



[積読立読斜読]『ゼロ・ウエイスト・ホーム』(ベア・ジョンソン著、服部雄一郎訳、アノニマ・スタジオ刊、2016)


旧刊ですが書店で目に留まったので。「ゼロ・ウエイスト」とは家庭から出る「ゴミゼロ」という意味です。


作者のベア・ジョンソンはフランス出身で結婚してサンフランシスコに住む女性による徹底したシンプルライフ実践書。ふたりの男の子もいるジョンソン家の1年のゴミの量は1リットルのジャーに収まる驚異の少なさ。




エコな活動をしているひとはなんとなく眉間に皺を寄せて禁欲的な生活を送っているとイメージしがちですが、この一家はYouTubeでの動画を見る限り非常に優雅な生活を送られており、この生活をライフスタイルとして取り入れ楽しんでいるようにさえ見えました。


著者が「ゼロ・ウエイスト」なライフスタイルを取り入れる前は典型的なセレブ生活を送っており、大きな家屋、溢れんばかりの家財、ぜいたくな海外旅行、惜しげもない食材を使った食事、などなど。突如として「ゴミゼロ」生活に転向する心理が詳しく書かれてないので不明なのですが、それからは徹底して「ゴミゼロ」化に取り組み、冒頭の写真のようなゴミの量になっています。


著者が住んでいるカリフォルニア州はもともとサスティナブルな生活を後押しする政策をとる州ではありますが、ここまでに至る道は相当に険しいものがあったはずです。配偶者や子供たちの協力も得ながら優雅な「ゴミゼロ」生活を送っておられます。(講演・コンサルタントの仕事も多いようです)。ゴミの量削減からアプローチした「KonMari」主義者とも言えるかもしれません。



著者のゴミ・ゼロ生活のコンセプトは3Rではなくて5R。
Refuse:断る、とRot:堆肥化、も徹底して行っています。


国連や国家・企業主催のSDGsがなんだか胡散臭いと感じがするのは、先日読んだ『人新世の「資本論」』にあるように資本主義を温存したサスティナブルな生活には限界があり、脱資本主義を目指すのは、まず個人のライフスタイルの変革も必要であり、その究極の到達点が本書「ゼロ・ウエイスト・ホーム」にあると強く思いました。

 

2020年10月25日日曜日

[積読立読斜読] 『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著、集英社新書、2020年)


"Whole Earth Catalog"を生んだカリフォルニアの風土は、「宇宙船地球号」のコンセプトを絶やさず、本書のようなフォロアーを産んでいるのでしょう。


2020年9月29日火曜日

[WGC] Whole Earth Catalog


特筆すべきは翻訳者の服部雄一郎さん。いろいろな職を経験され現在は高知県で家族でサスティナブルな生活を送っておられます。本書は服部さんの持ち込み企画。著者に日本語訳の許可を取り、偶然高知を訪問していた本書出版社の編集者に企画書を見せ、出版に至るという敬意だそうです。近刊の『暮しの手帖』(2020年11・12月号)に服部さん一家の記事がありましたので添付します。


当方も遅ればせながら「ゴミゼロ」生活を実践すべく、まずはマイボトルを職場に持参して、PETの削減から始めてみます。


<内容紹介>

プラスチックごみも生ごみも出さない

身近なことから楽しく始めるゼロ・ウェイストな暮らし

カリフォルニア在住のフランス人女性による、シンプルでモノを持たない暮らしの実践紹介。「台所と買い物」「仕事部屋」「子育てと学校」「外食・旅行」など生活のシーンごとに紹介される実践的なアイデアには、様々な角度から暮らしを変えていくヒントが満載です。リフューズ(断る)、リデュース(減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(資源化)、ロット(堆肥化)という5つの基本ステップをもとに、生活のシーンごとに実践的な取り組みが紹介されているので、興味のあるところから読み進めたり、身近なところから少しずつ始めることができます。



<編集者のおすすめポイント>

家族4人が1年間に出すごみの量がガラス瓶1本分(= 1リットル)という、驚異の「ゼロ・ウェイスト(ごみを出さない)」生活を続けている著者。そのクリエイティブな工夫を紹介する、実践ガイドの日本語版です。「ごみの分別先進国」と言われる日本でもシンプルな生活や生き方が話題となっている昨今、環境問題やリサイクルに意識的な方のみならず、大きな注目を集めているテーマです。モノを減らせばごみも減り、環境的・経済的にも大きなメリットが生まれる。本当の豊かさとは?快適な生き方とは?「断捨離」「ミニマリズム」のさらに一歩先を行く、持続可能でシンプルな暮らし方の提案のみならず、人生で大切なことや見つめ直すべきことに気づかせてくれる一冊。先進的で洗練された暮らしぶりも必見です。


<著者紹介>

ベア・ジョンソン


2008年から家族で「ゼロ・ウェイスト・ライフ」を営むカリフォルニア在住のフランス女性。アメリカ人の夫とふたりの息子の4人家族で、1年間に出すごみの量はわずか1リットル弱。その驚くべき挑戦と優雅で洗練された暮らしぶりを伝えるブログ「Zero Waste Home」は月間25万PVを記録する。2011年、アメリカの環境問題に貢献した個人を称えるGreen Award大賞を受賞(「地球にやさしい親」部門)。2013年に刊行された本書もベストセラーとなり、既に25ヵ国語に翻訳。「ゼロ・ウェイストの伝道師」として、世界中を飛び回る。SNSのフォロワー数は計40万。ニューヨークのローレン・シンガーなど、彼女を追ってゼロ・ウェイスト・ライフに踏み出す人々が後を絶たない。

公式サイト: http://www.zerowastehome.com/

Facebook: https://www.facebook.com/ZeroWasteHome

Twitter & Instagram: @zerowastehome



<翻訳者紹介>

服部雄一郎(はっとりゆういちろう)


1976年生まれ。東京大学総合文化研究科修士課程修了(翻訳論)。葉山町役場のごみ担当職員としてゼロ・ウェイスト政策に携わり、UCバークレー公共政策大学院に留学。廃棄物NGOのスタッフとして南インドに滞在する。2014年高知に移住し、食まわりの活動「ロータスグラノーラ」主宰。自身の暮らしにもゼロ・ウェイストを取り入れ、その模様をWEB連載「翻訳者服部雄一郎のゼロ・ウェイストへの道」(アノニマ・スタジオ公式サイト)や、ブログ「サステイナブルに暮らしたい」(sustainably.jp)で発信する。最新の訳書に『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)。



<資料編>

『暮しの手帖』(2020年11・12月号)より










2020年10月27日火曜日

[惹句どんどん] 中村好文(建築家)

 


美しく
散乱する
台所


以前、ぼくはある本の中に「美しく散乱する台所、あるいは多少の散乱ぐらいでへこたれない大らかな台所が私の理想です」と書き、続いて「台所は小さな戦場、あるいは修羅場だと考えておいたほうがよさそうだ、というのが経験から学んだ私の台所観です」と書きました。親しいクライアントたちは、その言葉通り、自分たちの台所をときには美しく散乱させつつ、思うさまに活用してくれています。


『百戦錬磨の台所 vol.1』(学芸出版社)より。


 

[積読立読斜読] 『百選錬磨の台所 vol.1』(中村好文著、学芸出版社、2020年)


 住宅が専門の建築家・中村好文さんの新刊です。人呼んで「ホンカク建築家」。女優の檀ふみさんが自称「ホンカク女優」らしく何かの講演会でご一緒された際に中村さんをこう紹介されたそうです。「ホンカク」は「本格」ではなく「本を書く」という意味だそうで、無頼派の檀一雄を父に持つ檀ふみさんは理解できるのですが、住宅が専門の建築家がかなりの量の著作をお持ちで、文章が大変親しみやすい「です・ます」調であり、少しも偉ぶったところがなく、目線が低く、実に奇特な「本書く建築家」と思います。


新刊の『百選錬磨の台所』(学芸出版社)は、中村さんが手がけた住宅のうち台所に焦点をあて、現在実際にその住宅に住み、台所を使っている建て主を訪ね取材して、実際に台所で作られた料理を食するという、クライアントの出会いから家の設計・建築、住んでからも交際が続けられ、なかには再々訪問して食卓を囲む中の間柄になるまで、実に長い時間のかかる熟成した内容の書物になっています。


当方はもう家を新築したり、改装したりする気力もお金もありませんが、読んでいるだけで楽しくなる大型本です。


「vol.1」とありますので続編が出るのでしょうが、第1巻きは「1.意中の台所」「2.五つの台所」の二部構成。「1.意中の台所」は中村好文さんが理想とする、または実際に使ったことのある台所のリポート。「2.五つの台所」は建築家として手掛けた料理好きの建て主の住む台所のレポートになっています。



1.意中の台所


ジョンの台所(ダスティン・ホフマン主演の映画"John and Mary"(1969)より)

今井町の勾玉型の竈

ヴェネツィア暮らしの台所

Lemm Hutの七輪レンジ

フィリップ・ジョンソンご自慢の台所



2.五つの台所


明月谷の家(若い大学教授夫妻の鎌倉明月山を望む家のこじんまりとした台所、奥様の要望でASKO社のオーヴンレンジを導入(小柄な奥様のために特製踏み台を設計)

つのだ夫妻の家(東村山市にある酒豪にして料理好きリュート演奏家角田夫妻の台所)

休寛荘(デザイナー皆川明さんの会社の療養所)

Hamem Hut(TOTOギャラリー展示会で作成した極小小屋を移転して住むエコロジスト)

レミングハウス(中村好文さんのアトリエ、昼食はスタッフによるまかない)



それにしても惜しげもなく自分の台所を開陳して、しかも料理まで取材陣に振舞うおおらかさのクライアントと、竣工後も長い付き合いができる建築家というのは中村好文さんだけなのでしょうか、稀有な関係と感心しました。中村アトリエの(たぶん)須藤直美さんによる「手描きの図面集・製作図」もお見事、味があります。


「Vol.2」が楽しみな企画となりました。


<出版社による内容紹介>

食いしん坊で料理好きの建築家のつくる台所


これまで300軒以上の住宅を手がけてきた中村好文さん。食いしん坊で料理好きの建築家は、クライアントの多様な食生活に応える台所に知恵と工夫を注いできた。本書に登場する住まい手は、自慢の台所を生き生きと使いこなし、料理と食事を大切にする暮らしを楽しむ。そんな幸福な台所の日常を、豊かな文章、写真、図面で紹介。


体 裁 B5・128頁・定価 本体2700円+税

ISBN 978-4-7615-2753-2

発行日 2020/10/20

装 丁 大野リサ


http://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527532/


[積読立読斜読] 『凡事徹底「一日一話」』(鍵山秀三郎著、PHP、2019年)10月28日~10月31日

 


2020年10月25日日曜日

[積読立読斜読] 『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著、集英社新書、2020年)


著者は1987年生まれ、大阪市立大学大学院准教授。専攻は経済思想・社会思想。

マルクス理論を現代にアップデートさせた研究で、権威ある「ドイッチャー記念賞」を歴代最年少で受賞し、世界的な注目を集めているそうです。


資本主義の限界を警鐘する3人の思想家をインタビューしてまとめた、『未来への大分岐』はベストセラーになりました。理解不十分ながら自分も読了しております。

2020年6月23日火曜日

[積読立読斜読]『未来への大分岐』(斎藤幸平・編、集英社新書、2019年)第1部 マイケル・ハート(政治哲学者・デューク大学教授)


タイトルの「人新世」(Anthropocene)という言葉はみかけないことばです。「ジュラ紀」などと同じ地質から地球の歴史を区分する言葉で、人類の経済活動が地球に与えるインパクトが無視できないほど大きく新たな地質年代に突入したと考えられることから、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンが名付けたもので「人新世」は「ひとしんせい」と読むそうです。(現在の環境危機はヒトの活動がもたらしたものなので)。


産業革命以降の約200年間に、人類は森林破壊や資源採掘などで地球環境に深刻な影響を与え、いまやコンクリートや廃棄物で地表は覆いつくされ、海洋にはマイクロ・プラスチックが大量に浮遊しています。これらの人工物の中でも飛躍的に増大しているのが、温室効果をもたらす大気中の二酸化炭素です。。


産業革命以前には280ppmだった二酸化炭素濃度は、2016年には400ppmを超え、400万年ぶりのことだそうです。400年前の平均気温は現在よりも2~3℃高く、南極やグリーンランドの氷床は融解しており、海面は6~20mも高かったと推測されます。


現代が気候変動の時代であり、その気候に多大な影響を与えているのが人類の経済活動=資本主義であるとすれば、環境危機を阻止するためには、資本主義をそのまま継続することは危険なことであるという警鐘です。


資本主義のソフトランディングが難しいのは、資本主義が常に「外部」を作り出し、そこにさまざまな負担を転嫁することで生き延びてきたことにあります。自国では資本主義の弊害が見えにくくなっています。例としてファスト・ファッションの洋服を作っているのは、劣悪な条件で働くバングラデシュの労働者たちであり、原料である綿花を栽培しているのは、インドの貧しい農民たちで、彼らはグローバル化によって被害を受ける「グローバル・サウス」の住人なのです。


先進国の豊かな生活は、このグローバル・サウスという「外部」によって支えられてきた。こうした地域はいま二重の負担に直面しています。南米のチリでは、先進国の「ヘルシーな食生活」のために輸出用のアボカドを栽培していますが、アボカドの栽培は多量の水を必要とするのに加え、土壌の養分を吸いつくすため、一度アボカドを生産した土地では、他の種類の果物などの栽培が困難になると言われています。


資本主義の「外部」は未来永劫に存在しているわけではなく、気候変動も含め、限界に近付いているのは明らかです。それでは資本主義に代わる経済システムは存在するのかという問いに対して、著者は意外な人物の考察を引用してきました。


『資本論』のカール・マルクスです。


冷戦終了後、共産主義の国家は崩壊し、共産主義の歴史過程では悪いイメージが残っています。スターリンによる粛清、毛沢東の大躍進政策が招いた大飢饉などであり、その国家建設の基本思想に取り入れられたマスクスの共産主義は、時代遅れ、かつ危険な思想だと思う人のほうが多いかも知れません。


近年のマルクス思想の研究成果として『資本論』では展開できなかった膨大な研究ノートの解明が進み、マルクスの目指していた共産主義は実は官僚主導の国家ではなく、民衆指導のエコロジー志向の共産主義で、「脱成長コミュニズム」と呼ばれているものです。


著者をはじめ資本主義のオルタナティブとして「コモン」主導のシステムを挙げる研究者が多いのですが、さらに具体的な骨格が提唱されています。


「脱成長コミュニズム」は次の5つの柱からなっています。


(1)使用価値経済への転換

(2)労働時間の短縮

(3)画一的な分業の廃止

(4)生産過程の民主化

(5)エッセンシャル・ワークの重視


マルクス新研究によって導かれた資本主義のオルタナティブである「脱成長コミュニズム」が正解なのかどうかは歴史の審判を待つしかありませんが、個人的には明日からでも始められることもあり、傾聴に値する理論と思いました。


このオルタナティブは、なかなか現世の経済システム、政治システム、の中からは生まれにくいので、現行システム外からの働きかけが重要になってきます。この本の中ではスペインのバルセロナ市民による市民活動が非常にラジカルで興味深く、まとまった著書があればもう少し深堀してみたいです。



[追記]

2020年12月4日付、朝日新聞記事。この本と関連づけて豪雨被災地の取材記事。






[その他] a day in the life 10月25日(日曜日)家族でBBQ、軽音楽部の練習

 


10月25日(日曜日)は午前中家族でBBQ。


午後からは「ほぼ皆実28期軽音楽部」の練習でした。


現在練習している曲です。


「戦争は知らない」

「加茂の流れに」

「卒業写真」

「結婚しようよ」

「襟裳岬」

「赤い花白い花」

「涙そうそう」

「地球はまわるよ」


来春発表会予定。


[Yuming's Farm 便り] 家族でBBQパーティをしました

 




10月25日(日曜日)は長女家族、次女家族、全員集合。


熊野町平谷にある農場(最近さぼって畑仕事はしてません)でBBQをしました。


レンガ窯でピザにも挑戦しましたがこちらは失敗。


天気がよくて清々しい一日でした。


後方の地面は猪が掘り起こした跡です。(ミミズを食べたらしい)。

2020年10月24日土曜日

[晴ときどき英語のお勉強] 中学校の教科書での大人の学びなおし英語編 NEW CROWN 3 lesson 2

中学校の教科書での大人の学び直し。中学3年生の総合英語の教科書を使っています。

Lesson 1に比べて急に難しくなりましたが、現在完了形がいきなり出て来て大丈夫なのでしょうか?日本語にない感覚なので例文を多数こなさないと理解が難しいような。




 

Lesson 2
France – Then and Now

What do you see in this picture?
Tell the class one thing about France.

GET
Bonjour.
 I’m Marie Dupont, a dress designer from France. I came to Japan three years ago. I have lived in Midori City since then. I’m interested in Japanese fashion and popular culture. Images from manga have influenced my design s for many years.

Practice
持ち物や家にある物について、ペアで話してみよう。
A: I bought this pen when I was ten, so I have used it for about four years. How about you, Kumi?

B: My mother gave me this bag for may fifteenth birthday, so I have used it for two months.

自分が話したことと相手が話したことを書いてみよう。
I have used this pen for about four years.
Kumi has used her bag for two months.

Word Bank 期間を表す言葉
~以来
Since I was eight
Since last year
Since 2010

~間
For six months
For three years
For a long time

例文
I have played the guitar since I was eight.
POINT 現在完了形(継続用法)
I live in this town.

I have lived in this town for many years ( I have → I’ve)
Miki has lived in this town since 2007.


GET Part 2

Ken: Have you been interested in Japan for a long time?
Ms Dupont: Yes, I have. I often bought manga when I was your age.
Ken: Wow! Why?
Ms Dupont: Some characters were cool, and others wore such cute clothes.
Ken: I see. How long have you been a dress designer?
Ms Dupont: Since 2008.

POINT 現在完了形(継続用法)Ⅱ
I have lived in this town for a long time.
Have you lived in this town for a long time?
Yes, I have. / No, I have not. (have not → haven’t)

How long have you lived in this town?
For three years. / Since June.


Practice
A: I like fishing.
B: How long have you enjoyed it?
A: I have enjoyed it for about four years.

How long have you enjoyed fishing?
-I have enjoyed it for about four years.

Word Bank 趣味・習い事
Dance, fish from a boat, do calligraphy(書道),ride a bike
Collect cards, skate, knit, act in a play
USE – Read
France – Then and Now
This picture was painted in 1876. There are many Japanese images in it. For example, you can see a kimono and many Japanese fans. However, it was not painted a Japanese artist. It was painted by the French artist, Claude Monet.

 In the middle of the 19th century, Japanese Ukiyoe shocked French artists. Monet was among them. He was fascinated by Ukiyoe prints and collected more than 200 of them. He studied ukiyoe and painted this picture. Japanese art has influenced French artists since this period.
 Today young French people experience Japanese art in new ways. Many French bookstores sell DRAGON BALL, NATUTO and so on. These manga are new and interesting to young French people. Characters’ faces clearly express their feeling. Their movements are shown in many ways. The stories are simple and clear. For these reasons, manga has become very popular in the last few decades.
 
 In these ways, French people have enjoyed Japanese art for hundreds of years. Maybe you know where to find examples of French culture in Japan. If you do, please contact me at my blog.

2nd Reading 細かい内容をおさえる。次の質問に答えよう。
(1) Who painted hit picture?
(2) What did Monet study before he painted this picture?
(3) What has influenced French artists like Monet?
(4) What do many French bookstores sell?
(5) Why has manga been popular in France?


USE – Write 自己紹介カードを書こう
(1) イベントでしたいこと:書道を紹介する
(2) 日本語でメモを作る
(3) 日本語のメモから項目を選び、英語でメモを作る
(4) 英語で作ったメモをもとに、文章を書き、名前、学校名をつける

Application Card
Name: Tanaka Kumi
School: Midori Junior High School
Goal / Experience
I want to show the guests ‘shodo’. I have studied ‘shodo’ for seven years. That means I can teach them how to write their names in ‘katakana’. In addition, I can show them ‘shodo’ writing with a big brush. I am sure the guests will enjoy ‘shodo’.

Idea Box
Talk about - :~について話す
Make folded-paper animals: 折り紙で動物を作る
Learn about Japanese culture: 日本文化について学ぶ

Tips for Writing  
“that means”や”in addition”を使って、文と文をつなぐとわかりやすい。


Lesson 2 文法のまとめ
現在完了形(継続用法)
「(ずっと)~しています」と過去のある時点から始めた動作・状態が現在も継続していることを表す
<have / has +動詞の過去分詞形>

肯定文:I have lived in this town for many years.
Mike has lived in this town since 2007.

For:期間に注目
Since:スタートの時点に注目

疑問文:Have you lived in this town for a long time?
- Yes, I have. / No, I have not.

How long have you lived in this town?
(I have lived in this town) For three years. / Since June.


現在完了形と過去形
(1)I have lived in this town since 2010.
(I live in this town now.)
(2)I lived in this town in 2020.
(I live in this town now.かとうかは不明)


疑問詞(where, howなど) + to- 
「どこで~するか」「~の仕方」などと言うときは、<疑問詞+to+動詞の原形>で表します。
You know where to find examples.
Could you tell me how to get to the castle?


Let’s Talk ②どうしましたか

Kumi: Ms Brown, I don’t feel well.
Ms Brown: What’s wrong?
Kumi: I have a headache.
Ms Brown: That’s too bad. You should go to the nurse. I’ll take you.
Kumi: That’s kind of you.

Go to the nurse:保健室に行く

Idea Box
I feel sick.(気分が悪いです)
I have a nosebleed.(鼻から出血しています)
I sprained my ankle.(足首をねんざしました)
I hurt my arm.(腕を痛めました)
You should take a rest.(休んだほうがいいですよ)

A stomachache: 腹痛
A fever:熱
A cold:風邪



[その他] a day in the life 宮参り・七五三 護国神社



 戸坂に嫁いだ次女の長男の七五三、

コロナ禍の影響で次男のちょっと遅い宮参りで護国神社へ。


健やかに成長してほしいですね。


撮影のじゃまをしているのは長女の長男と長女。

いつも写真は主役なのに本日は勝手が違った様子です。


[広島掃除に学ぶ会] 10月24日(土曜日)平和大通り街頭清掃

 


10月24日(土曜日)は広島掃除に学ぶ会の活動で平和大通りの街頭清掃に参加しました。


15名の参加がありました。


合わせて平塚公園のトイレ清掃も実施しております。


朝はかなり寒くなってきました。



[積読立読斜読] 『暗夜行路』(志賀直哉)

 ちょっと前ですが尾道に行ったので志賀直哉の『暗夜行路』を読みました。確か高校一年で岩波文庫版を読んで以来。尾道にある著名なベーカリー「パン屋航路」はおそらくこの作品からの由来と思いますが。


2020年9月5日土曜日

[その他] a day in the life 孫守で尾道までドライブ


出だしの文章がかなり記憶に残っていて驚きでした。志賀直哉の文章は発表年からかなり年数がたちますが、地の文も会話文も眼前にその情景・人物が浮かんでくるような自然な文章です。

師匠筋にあたる夏目漱石が志賀の文章をして「文章を書こうと思わずに、思うまま格からああいう風に書けるんだろう。俺もああいうのは書けない」(阿川弘之のあとがきより)と言わしめたとされています。

『暗夜行路』とは関係ないのですが、10月21日は作家の志賀直哉忌。朝日新聞の「天声人語」が感染症対策に腐心する姿を題材にしてます。



新潮文庫版の表紙は飄々とした作風の熊谷守一のもの。



高名な作品なので解説等は他に譲ります。有名な描写部分を参考資料まで。

(1)前編の娼婦の乳房の描写。映画では確か岸田今日子さんが演じたはず。

(2)後編の大山での自然描写。

(3)阿川弘之の解説。