2021年6月22日火曜日

[積読立読斜読] 『名句の所以(ゆえん)』(小澤實著、毎日新聞出版、2018年) 夏の部 (6)


夏の句には暑いせいか頭が鈍く、あまり共感できる句が少ないです。


家にゐて素足愉しむ日なりけり

 

鈴木しげを

 

はればれと佐渡の暮れゆく跣足(はだし)かな

 

藤本美和子



著者によれば「素足」は「跣足(はだし)」の派生季語だが、微妙にニュアンスが違う。
「跣足(はだし)」は野性的で動的、「素足」は文化的で、静的、内面的だそうです。

掲出句の「素足」と「跣足(はだし)」は変えることができず、俳句の妙だそうです。



アスロックミサイル下の片陰に  稲畑廣太郎

我を撃つ敵と劫暑(ごうしょ)と倶(とも)にせる 片山桃史

暁やうまれて蝉のうすみどり 篠田悌二郎

握りつぶすならその蝉殻を下さい 大木あまり

家にゐて素足愉しむ日なりけり 鈴木しげを

はればれと佐渡の暮れゆく跣足(はだし)かな 藤本美和子

夏の海水兵ひとり紛失す 渡邊白泉

水練や馬乗り入るゝ師範役 鈴木芋村

立泳ぎして友情を深うせり 中尾寿美子