2021年6月6日日曜日

[積読立読斜読] 『この世界の片隅に(中)』(こうの史代著、双葉社、2008年) 第27回 昭和20年3月

 



姪の晴美さんが小学校へ進学。衣料や教科書を取りそろえるのに、母親の径子さんが苦労しています。物資不足で教科書は売り切れ。下関へ疎開中の兄からお下がりの教科書を譲ってもらうことに。

衣料切符(いりょうきっぷ)

第二次世界大戦中の1942年(昭和17)、物資不足のために施行された、衣料の配給制度の切符。他の配給と違って、品目によって布の消費量や生活必需度が違うため、細かな点数制がつくられたところに特徴がある。切符の有効期間は1年間。ネル、晒(さらし)、手拭(てぬぐい)、靴下などの必需品については、添付の制限小切符によって、購入数が制限されていて、余った点数があっても、その品目は購入できない仕組みになっていた。1人の割当ては、都市部100点、郡部80点で、品目点数は、たとえば43年では、シャツ(ワイシャツを含む)12点、猿股(さるまた)4点、靴下1点などであり、ワイシャツ、下着シャツ、靴下、猿股を4点ずつ購入すると、すでに制限点数を越える不自由なものであった。しかも衣料切符制施行と同時に、小売店の統合廃止が行われ、また戦局が押し迫るにつれて、店舗への供給数が極端に少なくなったことから、切符はあっても、実際には購入できない状態になった。この衣料切符制度は、戦後も衣料生産状況のよくなる50年(昭和25)まで続けられた。[梶 龍雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例