2014年6月30日月曜日

[自分史のレッスン] 1970年11歳

[自分史のレッスン] 1970年11歳



小学校6年生の夏休み、弟と万博会場で。

3月14日から9月13日まで大阪・千里で開催された「日本万国博覧会」は会期中6421万人の来場がありました。

当方は記憶では父親と1回、母親・弟と1回の都合2回行ったようです。

まだ新幹線が広島まで開通しておらず、父親との万博行きは安い鈍行のツアーだったような記憶です。

また母親・弟との場合は、遠い親戚が万博のためだけに大阪市内に借りたアパートを旅館代わりに使いました。

屋上に建てた不法建築のようなプレハブで西日がガンガン当たり陽が完全に沈むまで街をぶらぶらした記憶があります。

肝心の万博会場での内容はさっぱり覚えてません。



1970(昭和45)年の出来事

・<いさなぎ景気>(’66年~)終わる

・カドミウム・農薬汚染など各種の公害が全国的に広がる

・<歩行者天国>開始

・自動販売機、100万台突破

『年表 昭和・平成史』(岩波ブックレット)より

[あの頃のレコード] John Lennon, Plastic Ono band "Shaved Fish" 

[あの頃のレコード] John Lennon, Plastic Ono band "Shaved Fish" 




28期が高校時代の頃の音楽をレコードで聴く企画の本稿、基本的にベスト盤は避けてき
ましたが、日本語タイトル『ジョン・レノンの軌跡』は特例で。

"Shaved Fish"は1975の発売で、生前に発売された唯一のベスト盤です。ビートルズ
解散後ソロになってからのシングル盤を中心に収録。次のアルバム『ダブル・ファンタジ
ー』(1980年)まで息子の子育てに専念し、アルバムは発表していません。暗殺され
たのは1980年40歳の時です。

ビートルズの中では非常にメッセージ色の強い印象で、小野洋子と出会ったことでさらに
加速された感じがあります。ポール・マッカートニーのポップさに比べて、ここらあたり
が好き嫌いが分かれるかもしれません。

現時点でレノンのメッセージを謙虚に聴いてみると、世の中はほとんど変わっておらず、
信じていた平和は訪れず、ひたすら年齢を重ねるばかりです。

長くなりますが、アルバムタイトルの"Shaved Fish"は、英語圏の人間からするとかなり
奇妙な英語のようです。タイトル採用の理由は詳らかではありませんが、小野洋子の影響
大と考えます。

結婚当時の小野洋子はドキュメンタリー等の映像で観ると魔性の妖精のようで、本当に魅
力的です。この東洋的な女性に全身を任せたみたい欲望にそそられます。

それでも乗り越えられない東洋と西洋という深い悩みがジョン・レノンには終生ついて回
ったのでは、と一人で考えてます。(アルバムのインナーはなんと日の丸です)。

"Sheved Fish"については伊丹十三のエッセイがありますので、参考まで。

伊丹十三のエッセイ『女たちよ!』(オリジナルは1968年、現在は新潮文庫)に「髭
を剃った魚の話」という一遍があります。日本食料品の英文の説明書を読んで不思議に思
うイギリス人の話です。

 ロンドンに「タカラヤ」という日本食料品店があり、借家に滞在中の伊丹十三宅には日
本の食料品で潤っていた。大家は来日経験もある評論家のデリク・プラウスという人物。
彼の趣味はその日本の食料品に印刷してある多少怪しげな英文の解説を読むことだった。

以下、伊丹十三の軽妙にして洒脱な文章をとても要約できないので、該当箇所は全文引用
します。


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■ 髭を剃った魚の話

 ある時、彼がごく不思議そうな顔で、これはなんだという。見ると手に「削り節」の箱
を持っている。

 つまりそれは固く干し固めたマッカレルを機械で削ったものさ、と説明すると彼はいき
なり気が狂ったように笑い出した。「だって、この箱には髭を剃った魚と書いてあるぜ」

 そういってますます笑い転げるのである。私も仕方なく少し笑ったが、つまりくいうこ
となのだ。

 英語で、鉋の削り屑を「シェイビング」という。鉋で削ることを「シェイブ」という。
それ故に―鰹節屋の大学生の息子は考えたに違いないのだ―削られた魚は「シェイブド・
フィッシュ」であるに違いない、と。

 語学において三段論法を適用する過ちはここにある。「シェイブド・フィッシュ」はあ
くまでも髭を剃った魚であって「削り節」にはならない。

 強いていえば「フィッシュ・シェイビング」でもあろうか。これでも魚の髭剃り、とい
う印象を免れない。

 「シェイブド・フィッシュ」は彼によほど強い印象を与えたに違いない。彼は私に「シ
ェイブド・フィッシュ」の絵を描いてくれと子供のようにせがむのであった。 

 仕方なく、私は大きな魚が白いエプロンをして理髪店の椅子にかけている絵を描いてや
った。魚は小さな眼で天井のほうを見ている。あるいはうたた寝をしているのかも知れぬ。
そうして手前のほうには白い上っ張りを着て、鼻のまわりが妙に黒い、顔の長い猫が革砥
で剃刀をといでいるのだ。

 なんとなく不吉な気配のみなぎる、気味の悪い絵ができあがった。彼は大いに喜んで、
この絵に「新しい理髪師」という題をつけた。

 この絵は額縁に入れて、今でも彼の書斎にかけられている。

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Side One
1. Give Peace a Chance
2. Cold Turkey
3. Instant Karma! (We All Shine On)
4. Power to the People
5. Mother
6. Woman Is the Nigger of the World

Side Two
1. Imagine
2. Whatever Gets You thru the Night
3. Mind Games
4. #9 Dream
5. Happy Xmas (War Is Over)


2014年6月28日土曜日

[新聞記事] 自分史づくり挑戦

[新聞記事] 自分史づくり挑戦

2014年6月28日付け朝日新聞(第2広島版)記事。

「ちゅうごくライフ」で自分史執筆中の80歳の男性と、全国各地で自分史の書き方を講演している、大阪市の出版社代表の記事です。

自分史の書き方はいろいろあるのでしょうが、このお二人の書き方は、最終的に出版物にまとめるというかなりj本格的なものです。示唆を受ける点もありましたので紹介します。


・自分が生きてきた道のりの感謝状を書くと思えばよい

・自分史は我が家の記憶の記録遺産

・自分しか登場しない『自分だけ史』は読んでもつまらない

・自分史を書くサークルに参加するのもよい

・人との出会いを多く書き込むこと

・最初に目次をつくり(アウトライン)それに沿って書き進めること



[その他] 最終処理も大変だ!!

[その他] 最終処理も大変だ!!



「デュアルソーダブルカッター」で大型ごみを切断する。

Costcoに大量陳列してあり、粗大ごみの破壊用にと購入しました。

"DualSaw CS650"という製品で2万円弱のかなり高価な電動工具です。

写真は両親の家の風呂前にあった古いアコーディオン・カーテンを切断して、粗大ごみに
出せる状態にしたもの(広島市では「最長の辺の長さ、または最大径が30cm以上のも
の」が有料になります)。

要するに電動のこぎりの強力なものです。特徴は下記の通り。


    ●2枚の刃が逆回転するため、前後に動かすことが可能。また2枚刃できれいな切れ口
      を実現

    ●木、プラステック、ポリ塩化ビニール、アクリル樹脂はもちろん、銅、ステンレス、
      アルミなどいろいろな金属をズバズバ切断

    ●カウンターローテーションテクノロジーだから切るときの摩擦や振動、跳ね返りが
      少なく、切るときの怖さが軽減されます。

    ●作業している時のみ刃がでる可動式安全ガードがあなたの手を危険から守り、安全
      に使用いただけます。


結構よく切れますが、2枚刃で切るので掘削屑が多量に出るのと、飛散対策でゴーグルが
必要です。また安全対策から片手での操作が難しいこともあり2名での作業が必要です。
などなど、使いこなしに工夫が必要です。

原子力発電の核燃料の最終処理はもっと大変なのでしょうが、家庭での大型ごみの最終処
理も結構大変です。1つ1つ地道にやるしかありませんね。

[積読立読斜読] 『実践 日本人の英語』で英語を学ぶ(第2章)

[積読立読斜読] 『実践 日本人の英語』で英語を学ぶ(第2章)


著者のマーク・ピーターセン


『実践 日本人の英語』(マーク・ピーターセン著、岩波新書、2013年)で英語を学ぶ。12回連載の2回目です。


今回は"my"などの所有形容詞の話。

日本人は意識としては日本語で「私の友人」という作文をしませんが、がぜん英文となると"my friend"を多用する癖があるそうです。英語圏の人の発想では文の冒頭で所有形容詞を使った"my friend"がでてくるのは不自然だそうです。この点では定冠詞の使い方と似ています。

では所有形容詞と定冠詞の使い分けの意識は?

マーク・ピーターセンの目から鱗の説明が痛快です。

村上春樹がエッセイでときどき使う「だいじょうぶマイフレンド」という表現は、オリジナルは村上龍の小説の題名ですが、英語として正確を期すなら「だいじょうぶ a friend (of mine) [one of my friends]」となります。どうでもよいという人が多数でしょうか。それでは私の「マイ問題」ということで。。。


2 マイ問題ー「私の~」


<例文>

(×)Yesterday, I went to Shibuya to buy my blouse.

英語圏人には意味不明な英文。

P16
ここに横たわる溝は意外と深い。


<my friend 問題>

P17
日本人の大学生が書いた英作文によく見られる誤りに、「my friend 問題」がある。

(×)In the spring vacation , I went to Thailand with my friend.

(○)In the spring vacation , I went to Thailand with a friend (of mine) [one of my friends].


<所有形容詞がもつ意味>

P18
myやher、his、your、ourなどの所有形容詞は、「その人(や物)が所有している唯一の(=すべての)○○であること」を表すことになる文脈が極めて多い。

His cat wasrun over by a bus.
(彼の飼い猫(=唯一の飼い猫)はバスに轢かれてしまった)

※飼い猫が複数あり、そのうちの一匹が轢かれた場合

One of his cats was run over by a bus.
A cat of his was run over by a bus.

複数形の場合
His cats were run over by a bus.
(彼の飼い猫は一匹残らずバスに轢かれた)


(×)In the spring vacation , I went to Thailand with my friend.


(△)In the spring vacation , I went to Thailand with my friends.

「春休みに、私の友人と呼べる人間全員と一緒にタイに行きました」という不自然な印象を与える英文になる。


<問題の源は?>

日本の中学・高校の教科書に誤用例がある

Aya : Excuse me, will this plane arrive at 11:15?
Woman : No, it won't. It'll arrive at 11:50.Is this your first visit to the U.K.?
Aya : Yes, I'll meet my friend in London tomorrow.

「はい、私は明日ロンドンで私の唯一の友人に会います」
という意味になってしまう。


(○)a friend (of mine) [one of my friends]
(×)my friend

my friend はかなり限定された表現になるので使わない方がよい。


<「私のブラウス」の不自然さ>

(×)Yesterday, I went to Shibuya to buy my blouse.

(○)Yesterday, I went to Shibuya to buy a blouse for myself\.

P20
所有形容詞のmyを使ってmy blouseと書いたら、それは基本的に「私が持っている唯一のブラウス」という意味を表し、しかも買って初めてmy blouseになるのである。すでに持っているブラウスを改めて買いに行った。しかも1枚だけの唯一の、と書かれているような文に出会ったら、「意味不明」と思ってもおかしくない。


<ここにも同じ my friend 問題>

日本人の書いた英文学術論文にも同じような誤用が見られれる。

(×)We employ a new high-frequency amplifire. Its feature is low power-consumption.

「我々は新しい高周波増幅器を用いる。その唯一の特徴は低消費電力である」

(○)One of its features is low power-consumption.

いろいろ特徴のあるうちの1つ、という意味

(○)Its most important feature is low power-consumption.

複数の特徴の中で1つだけがその他の特徴より重要だという表現


(○)One of its most features is low power-consumption.

「低消費電力はもっとも重要な特徴の1つ」という意味。重要な特徴がいろいろあり、という印象。


<問題の解決方法>

(×)In the spring vacation , I went to Thailand with my friend.

(○)In the spring vacation , I went to Thailand with a friend (of mine) [one of my friends].

P23
一度不定冠詞の a で友人のことを紹介すれば、以降は my friend (私のその友人)というように、所有形容詞の my を使って、一緒にタイに行ったその1人の人間を指し示すことができる。このような文脈なら、2回目の登場のときから my friend を使ってもまったく問題はない。


P23
所有形容詞の用法には、定冠詞 the の用法に似ているところがあるのだ。

(○)I often go to a coffee shop in Yoyogi.
「私は代々木の(ある一軒の)喫茶店によく行きます」

一度不定冠詞の a で店のことを紹介すれば、以降は the coffee shop (その喫茶店)と定冠詞の the を使ってその店を指し示すことができる。


作文の冒頭での定冠詞は不可。

(×)I often go to the coffee shop in Yoyogi.
「代々木に一軒しか喫茶店がない」という印象

(×)I often go to the coffee shops in Yoyogi.
「代々木にあるすべての喫茶店によく行く」という意味になる。


<her と the の使い分け>

所有形容詞と定冠詞の意味の違いは?

前著『日本人の英語』での例文。猫を電子レンジで乾かそうとした女性の話。

(○)She put it in her microwave.
(彼女は猫を電子レンジに入れた)

(△)She put it in her freezer to cool it off.
(○)She put it in the freezer to cool it off.

冷凍庫はどの家庭にもある物だが、(例文作成当時は)電子レンジはまだ普及していないので、"the freezer"と"her microwave"の使い分けは「意識」の問題。

現在では、"the microwave"の時代になっている。

her microwave は単なる所有関係、the microwave の the は「どの家庭にでも当然あるはずの、その1台の電子レンジ」を示している。

(例文)
After the cat exploded, she picked up the microwave as is, with the cat's remains still in it, took it outside, and threw it into the back of her three-wheeler truck.
(猫が爆破した後、彼女は、猫の死骸が入ったままの電子レンジを持ち上げ、外に運んで自家用オート三輪の荷台に放り投げた)


"her three-wheeler truck"が"the three-wheeler truck"
だと「どの家庭にでも当然あるオート三輪」という意味になってしまうので、不適切。

また不定冠詞の"a three-wheeler truck"だと、「たまたまその近くにあったオート三輪(の一台)」「彼女が所有している複数のオート三輪のうちのある一台」という意味になる。

「彼女の持っている一台のオート三輪」という意味では定冠詞"the three-wheeler truck"、所有形容詞"her three-wheeler truck"でも変わらない。

「オート三輪とうい種類の自動車」に対する意識、「どの
家庭にもある」「あまり普及していない」で定冠詞"the three-wheeler truck"、所有形容詞"her three-wheeler truck"を使い分ける。


<不気味な曲名>

おまけ。

形容詞が修飾している名詞に、さらに冠詞か所有形容詞がつく場合、先頭に配置される。

The long and winding road

My funny valentine


※1997年発売の Every Little Thing の曲

"Dear My Friend"の歌詞、"Best of My Friend"は間違い。








<日々是不穏 like a rolling stone>(2014年6月28日(土))かもめのジョナサン

<日々是不穏 like a rolling stone>(2014年6月28日(土曜日))



「かもめのジョナサン、40年経て完成版 五木寛之さん訳」朝日新聞記事。

28期が高校1年生時に翻訳され大ベストセラーになりましたので、読んだ人も多かった
のでは。40年の時を経て封印されていた最終章を加えて完成版として出版されました。

最終訳は五木寛之(下訳は別の人です)。

「ほとんどのカモメは、飛ぶという行為をしごく簡単に考えていて、それ以上のことをあ
えて学ぼうなどとは思わないものである。つまり、どうやって岸から食物のあるところま
でたどりつき、さらにまた岸へもどってくるか、それさえ判れば充分なのだ。すべてのカ
モメにとって、重要なのは飛ぶことではなく、食べることだった。だが、この風変りなカ
モメ、ジョナサン・リヴィングストンにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそ
れ自体だったのだ。その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった」

小説の冒頭部分です。非常に寓話的でいろいろな読み方ができる作品でした(よくわから
ないという意見も多かった)。

28期としては、ナンセンスなクイズで思い出す人も多いのでは。

問・カモメが百羽います。一羽はカモメのジョナサン、では残りは?
答・カモメのミナサン

いずれにせよ40年を経て作品が古びていないとしたら、作者の慧眼か、または時代があ
まり進歩していないのか、どちらかなのでしょう。


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かもめのジョナサン、40年経て完成版 五木寛之さん訳
(編集委員・吉村千彰2014年6月27日付け朝日新聞)

 世界的ブームになった米国の小説「かもめのジョナサン」の「完成版」が、40年の時
を経て出版される。作者リチャード・バック(78)が封印していた最終章を、今年2月、
電子書籍で発表。最終章を加えた紙の本が27日、本国に先駆けて日本で発売される。新
潮社刊で、翻訳者は前と同じ五木寛之さん(81)だ。

 1970年出版。ヒッピー文化とあいまり、全世界で4千万部が売れている。邦訳は7
4年で、270万部超のロングセラー。自己啓発本的にも読まれている。

 元は3章構成。ジョナサンは自由を求めて群れを離れ、純粋に速く飛ぶことを追究する。
禅の影響なども感じさせる。幻だった第4章は、ジョナサンが去った世界。カモメたちは
彼を偶像化し、飛行の追究はそっちのけになる。組織の腐敗や宗教の形骸化などを示唆。
「現代社会と文明への鋭い批判」と五木さん。

 作者はこの自由な生き方が規則と儀式で殺される結末は必要ないと封印したが、再読し、
21世紀の世界に対するジョナサンの警告と希望の声が聞こえたという。そして、最終章
が日の目を見た。厳しい指導者だったジョナサンの別の顔が際だつ。五木さんは「世界の
警察ではない、新しい米国の表れかもしれない」と見る。(編集委員・吉村千彰)
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2014年6月26日木曜日

[積読立読斜読]『実践 日本人の英語』(マーク・ピーターセン著、岩波新書、2013年)

[積読立読斜読]『実践 日本人の英語』(マーク・ピーターセン著、岩波新書、2013年)




特別編。新書で学ぶ英語(ちょっとだけですが)。


旧刊です。25年前に同じ岩波新書で『日本人の英語』を著して「日本人が(英語を使う場合において)おかしやすい間違い」を挙げてベストセラーになったマーク・ピーターセンの続編です。

マーク・ピーターセンは、アメリカのウィスコンシン州出身で1980年フルブライト留学生として来日、現在、明治大学の教授です。

英語のみならず日本語も達意であり、かつ日本での実生活も長いので、単に「間違った英文」ではなく、日本語の発想に引きずられたが故に「日本人の発想をしたが故に間違った英文」の解説になっています。日本人の発想と英語国圏の人の発想の違いもわかり、ちょっとした比較言語学的な興味もあります。

著者の長年の業績は名著の誉れ高い『表現のための実践ロイヤル英文法』(旺文社)にまとめられていますが、紹介するには、なにぶんにも大部であり、今回コンパクトな新書がでてましたので、マーク・ピーターセンさんの洞察のエッセンスを学んでみたいと思いました。

新書は12章に分かれてますので、12回分連載します(終了はいつになるか未定)。

第1章は格助詞の「の」を英語にする場合、所有格、前置詞"of"を多用しないほうが英語らしい表現になるそうです。

P9
(「AとB」という表現の場合)英語ではさまざまな前置詞を使い分けるのに対して、日本語では(格助詞の)「の」の利用頻度が極めて高い。日本語の「の」は、さまざまな名詞同士をつないでしまう万能選手である。


1 「の」の話ー「AのB」

2つの名詞をつなげる時、日本語では格助詞「の」の利用頻度が高い。英語ではさまざまな前置詞を使い分ける。

奈央ちゃんの彼氏 Nao's boyfriend
お金の価値  the value of money

「AのB」を英語にする場合、常に"A's B"、"B of A"は使えない


<誤用例「代々木の喫茶店」>
(×)I have a part-time job at a coffee shop of Yoyogi.
(○)I have a part-time job at a coffee shop in Yoyogi


「代々木の喫茶店」"of"を使うと「一軒の喫茶店が代々木と呼ばれる地域に属している」印象を与える。

※"of"は「所有関係」「所属」などの関係を示す前置詞(結びつきが強い)ので、単に「代々木にある喫茶店」と言う場合は"in"を使うのが自然。


<両方使える例>
鳥の巣
a bird's nest / the nest of a bird

本の表紙
a book's cover / the coverof a book

知事の邸宅
the Governor's mansion / the mansion of the Governor



<いずれか一方しか使えない例>

今日の新聞
today's newspaper

米の粒
a grain of rice


<「AのB」の表現では、"A's B"、"B of A"が使えない場合が多い>

兄の本 my brother's book
英文の手紙 a letter in English
裏口のカギ a key to the back door
東京の叔父さん  my uncle in Tokyo
満開の花 flowers in full bloom
成功の秘訣 a secret to success


<同格のカンマを使う>

"A's B"、"B of A"が使えない場合、前置詞でもうまくいかない場合、同格のカンマを使う例がある。

「クラスメートの彩香ちゃん」
"Ayaka, a classmate, ..."

<"A's B"、"B of A"のどちらかを使うケース>
※多くの場合、文体の問題。

「私が昨日買ったパソコンの性能」

(△)the computer I bought yesterday's performance
(○)th performance of the computer I bought yesterday

名詞が関係詞節に修飾されている場合、その節全体が1セットとみなされ"-'s"が節尾につけれれるので、
上の例では冗長になる。

(△)the typhoon of last week
(○)last week's typhoon

下の例が簡潔で好まれる。


<日本語の「AのB」表現の曖昧さ>

AとBとの具体的な関わりがはっきりしない。

「浩史くんの問題」は「浩史くんが引き起こしている問題」なのか「浩史くんが抱えている問題」なのか判然としない。

"A's B"の場合

Hiroshi's problem(s) 「浩史くんが持っている問題=抱えている問題」


"B of A"を使うと2つの意味が考えられる

I don't want to talk about the problems of Hiroshi.
「浩史くんの抱えている(複数の)問題」という印象

I don't want to talk about the problem of Hiroshi.
「浩史くんが引き起こしている(例の1つの)問題」という印象

※単数か複数かで意味がまったく違います。


<「of減らし」に挑戦>

「パナソニック社の携帯電話の性能の12.5%の向上」

a 12.5% improvement in the Panasonic cell phone's performance


<inを有効に使う>
何かの「変化」を示す場合には、ofよりもinの目的語としたほうが自然な英語表現になる。

性能の向上 improvement in performance
景気の変動      variations in economic conditions
教員数の削減 a reduction in the number of faculty members
熱帯雨林の面積80万キロ平米の減少 an 800,000 km2 decrease in rainforest area
人口の一割の増加 a 10% increase in population
デジタル透かし埋込みの画質の劣化   degradation in picture quality due to the embedding of                           digital watermarks


<「~の情報」問題>
"information of -"という表現は限定されている。

information of value(価値のある情報)
information of interest(興味を引くような情報)


参考書の情報 information in a reference book
街の情報 information about [on]  a neighborhood
民間気象会社からの情報 information fro private meteorological companies

(誤用例)
PlayStation Network hacked, personal information of 77 million accounts accessed

ofを使うと「7700万のアカウントの個人情報全部」という印象
一部がアクセスされた事実ならinを使う



<岩波新書サイトから正誤表>

下記削除だそうです。理由不明。上記のメモはそのまま引用してます。

○3頁上から11行目
 「成功の秘訣」を削除

○6頁上から4行目
「成功の秘訣  a secret to success」を削除

[新聞記事] ボブ・ディラン 自筆歌詞 2億円で落札

2014年6月26日付け朝日新聞記事。

本ブログのサブタイトルになっている"like a rolling stone"の、ボブ・ディラン自筆歌詞が、

NYのオークション、サザビーズで約2億円で落札されました。

持ち主はディランなのかな?



2014年6月25日水曜日

[その他] 10日と25日のダイエット

[その他] 10日と25日のダイエット




先日あった健康診断で体重過多と言われた(当然ですが)。

過去いろいろダイエットに挑戦しましたが、まったく成功してません。

今回は60k台を目標に挑戦してみます。題して「10日と25日のダイエット」。

普段からジャンク・フードが好きなので、食後や寝る前までも食べることがあり、当然体重は減りません。かといってまったく甘いものを食べないとストレスがたまりそうなので、10日と25日は甘いものを食べてよい日として、ジャンクフードではなく、ちゃんとした著名洋菓子店、和菓子店で購入した菓子を食べることにしました。

これだと普段いけない洋菓子店にも行けて、新しい発見があるかも。

早速本日は25日ですので、実行しました。

(※10日と25日は往年の雑誌『ポパイ』の発売日でした)。



【体重】81.6Kg

【店舗】
パティスリー ラ ネージュ (patisserie LA NEIGE)
広島県広島市東区牛田本町4-2-21

【商品】
プレーンシフォン(410円)他

【感想】
シフォンがベースのケーキが有名らしいです。18時頃で30台の女性が4人ほど。
おっさんは私1人です(店のスタッフも含め)。


クリームが上質でとろけるような柔らかさでした。個人的にはベースのシフォンの固さと違和感があり、やはり柔らかいスポンジが良いと思いました。

※継続できれば単独でタグを付けますが、当面は[その他]で。
次回は7月10日掲載予定。和菓子屋さんに行きます。

[新聞記事] 「55歳からのハローライフ」村上龍さんに聞く

[新聞記事] 「55歳からのハローライフ」村上龍さんに聞く

6月14日(土)にスタートした5話完結のオムニバス形式のNHKドラマ『55歳からのハローライフ』が好調です。最初は「ハローワーク」だと勘違いしてました。人生の再発見の意味で「ハローライフ」なのでしょう。

主演は下記の通りで、第2話まで終わってます。

(第1話)リリー・フランキー
(第2話)風吹ジュン
(第3話)原田美枝子
(第4話)小林薫
(第5話)イッセー尾形

原作は村上龍さんですが、ドラマでは相当に脚色あり、原作ではなく原案程度まで良い方向に演出されてます。
正直原作は淡白な内容で満足できませんでしたが、テレビドラマは美術、セットまで神経の行き届いた丁寧な作りで完成度が高いです。

2014年6月24日付けの朝日新聞で村上龍がインタビューに答えてますので紹介します。

28期も50代の半ばを超え、将来に不安のある人もいるかも知れませんが、村上龍は楽観的です。

「老後の危機感などを持てる人は、実は割と余裕のある人だと分かった。本当に将来が怖い人は、先をことを考えない。不安を持つのは余裕があるから」だそうです。



2014年6月23日月曜日

[積読立読斜読]『バージェス家の出来事』(エリザベス・ストラウト著、小川高義、早川 書房、2014年)

[積読立読斜読]『バージェス家の出来事』(エリザベス・ストラウト著、小川高義、早川
書房、2014年)



アメリカ・メイン州の田舎町のいけ好かない元女教師を描いてピューリッツァー賞を受賞
した『オリーブ・キタリッジの生活』に続いて日本では2冊目の長編翻訳。作者のエリザ
ベス・ストラウトは1956年メイン州ポートランド生まれで、これまでに4冊の小説作
品があります。

『オリーブ・キタリッジの生活』が面白かったので、本作を手に取ってみました。

原題は"The Burgess Boys"で2013年の刊行。作者の出身地であるメイン州の田舎町と
ニューヨークを舞台に、バージェス一家(兄と双子の弟妹)の3代にわたる物語を描きま
した。

中心となるプロットは、離婚した妹(スーザン)の一人息子ザックが、まったく宗教的意
図なく、田舎町のモスクに冷凍の豚の頭を投げ込んだことから始まります。

弁護士の長兄ジムと、訴訟支援団体勤務のボブが救済に乗り出します。と一行で紹介でき
るあらすじですが、物語の主流にバージェス兄弟の生い立ちと現在をそれぞれの一人称語
りで配置し、補助線として田舎町のソマリ人難民と、スーザンの間借り人フランス系カナ
ダ人を引き、地理的配置として、スーザン親子の住むメイン州の田舎町と、ジム一家とボ
ブの住むニューヨークの都鄙を対比させて、実に重層的な構成となっています。さらにプ
ロローグでバージェス兄弟の日曜学校の先生だったという母と娘(作家)の会話を置いて、
物語全体を俯瞰する絶妙の技工です。

バージェス兄弟とスーザンは、幼いころ事故で父親をなくし、事故の原因とされたボブは
父親殺しのトラウマを抱えています。闘う長兄のジムは弁護士として成功した生活を送っ
ており、3人の息子を育て夫婦円満のように見えますが、皮肉な大団円が待っています。

この小説のテーマは、アメリカの近現代史です。父親殺しの一家はアメリカの国の成り立
ちそのもので(イギリスへの反乱)、補助線として出てくるソマリ人難民は、もともとの
アメリカ人がピューリタンの難民だったことの影絵です。

    P168
        「たしかに、まあ、おかしいよね」ようやくボブが言った。「先祖伝来なんだな。
        やっぱり昔のピューリタンてのは、どこかおかしかったんだよ。おかしいからイ
        ングランドを出てきた。ひどい歴史があるじゃないか。わかってやってよ」

闘う長兄の挫折の後、子どもを作れない体のボブと、スーザン一家にアメリカを託さざる
を得ないようですが、それこそ難民を受け入れてきたアメリカの歴史の再生への第一歩で
あろうかと思います。

筋立て自体もよくできていて、アメリカの田舎町の風俗、ニューヨークの風俗の息吹が感
じられ、小説を読む醍醐味とはこのことだと言える作品です。

日本版ジャケット・カヴァーはニューヨーカーよりもニューヨーカーらしいタッチの田上
千晶さんによるNYのブラウンストーンの住宅。こちらも楽しめました。




↓下記は大変大量になりますが、当方の個人的メモですので、気になさらずに。
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P7
プロローグ

母(もと日曜学校4年生クラス)
娘(作家)

バージェス兄弟を受け持った


ボブの再婚の相手

ユニテリアン派の牧師
マーガレット・エスタヴァー(メイン州出身)

P8
母はこの宗派が好きではなくて、あんなのは楽しいクリスマスの仲間外れにされたくないからキリスト教になっているだけで、ほんとうは無神論なんだと思っていた。

P10
スクエアダンス

P14
ブルックリンのパークスロープに住んでいた

P31
「これはヘイトクライムなんだ。たとえばボロー・パークあたりへ行って、正当派のユダヤ教寺院にいる人に、全員残らず、逃げる暇もなく、アイスクリームとベーコンを食わせるようなものだ」

P39
ニューヨークの人間は食べることが好きだ。食べ物は一大関心事であって芸術でもある。ニューヨークではシェフがロックスターのようになる。

P52
ストリークのあるブロンドの髪が風に揺れた。

P62
スターブリッジの歴史村

「なんていう僕はピューリタンの末裔で自己嫌悪に落ちているのかな」

<memo>アメリカのアイデンティティー・クライシス

P67
ケニアの難民キャンプ、ソマリ人

P69
雛が巣立てば親鳥は楽よ、ということだ。そうなれば女は元気になるの。おかしくなるのは男ね。男の五十代は危ない。

P72
炭酸飲料(モクシー)…メイン州のローカル・ドリンクか?

人間が帰る家というのは、がんばった一日のあとで、一杯飲んで、あたたかいものを食べるところだ。

P84
難民キャンプでは飢餓感が途絶えることなく、まるで妻にした女のようにぴたりと寄り添って離れないのだったが、ここまで移住してきた現在でさえも、なお獣のように食いものを欲していることを思うと、つくづく自分が痛ましくなる。浅ましいと思う。食って、排泄して、眠るーという自然の欲求が自然に行われるとしたら、それだけで贅沢なことだ。そんなものはとうの昔に奪われた。

P97
それにしても黒い目の若い女は、いらっしゃいませという気配もなく、ただボブを見ているだけなので、ボブのほうが来てはいけないところへ来たような気になった。

<memo>どちらが異邦人かわからない国?

P104
「四歳でトラウマを負った人なのよ。いまハンドルを握りたくないという気持ちを、わかってあげられないあなたの感覚が、わたしには不思議でわまらないわ」

P109
「メイン州はアメリカ全体でも白人が優位の州である、ということはご存じですよね」

「見当はつくでしょうけど、多様性という面では少々遅れている州です」

P110
本当ならボブが逃げ帰ってはいけないのだ。しかしボブの中に暗闇がずるずると蔓延した。おまえは役立たずの異常者だ。

P113
縞模様のオーニング?

P114
もう長いことニューヨークに暮らしたので、いろいろ身についたことがある。たとえば二重駐車をする、時間外だというタクシー運転手をどやしつける、返品不可となっている商品を返品する、郵便局で割り込もうとする人に「ならんでますよ」と平気で言う。つまりニューヨークに住むということは、とバッグの中で時計代わりの携帯をさぐりながらパムは思った。古来の名将が心得ていたことの正しさを、もののみごとに例証している。勝負を分けるのは、その気になれる気の強さだ。

P115
よく知っていた町への、ほとんど体外離脱経験のような懐かしさ、というのもあったのだが、

P117
ようやく離れていったドイツ人夫婦の話だが、と顔で知らせながらパムは言った。「二度までも世界大戦を始めておいて、まだ図々しく攻めてくるのかしら」

豚の頭

P121
ボブには子を産ませる能力がないと判明して、

こんなことがあって何事もなしでは済まない。

ついに結婚という織物の生地がほつれていった。

P123
「アジア人て、平気でぶつかってくると思わない?対人関係の距離感がないみたい。やんなっちゃう」

P127
(警官)
「英語がわかるのは誰だ。誰もいないと困ったことになるぞ」と、こちらが悪いことをしたような口ぶりだった。そのことがアブディカリムの脳裏を執拗に通りすぎる。われわれは何も悪いことをしていない!

P129
冬の夜空のような黒い肌をしたバンツーの男が、

P137
居合わせたティーンエージャーの少女が二人、通りすぎる女たちに目を見張ったようなので、スーザンはどきっとして、からかってはいけないよ、と思った。それでいて同時に、あの全身を布に包んだ女たちは絶対的に異質であるとも思えて、心の中ですくみ上がったような息を洩らした。あの人たちがシャーリー・フォールズなんていう町の名前さえ知らなかったことにできればよいのにと願った。このまま町に居着くかもしれないと思うと恐ろしくなった。

P139
ニューヨークの素晴らしいところはーそれなりに元手はかかるがーもし食事の支度がいやで、フォーク一本さがすのも皿一枚洗うのも面倒だと思うなら、その面倒なことをしなくてもよいことだ。もし一人暮らしをしていて、一人でさびしいのがいやなら、それもまたどうにかなる。

P147
ボブという人は、部屋に入ってくるだけで、その部屋にボブらしさをもたらすのだ。だから、その家はーたちどころにー居心地のよい家になった。

P149
パムは自分が理科系だと思い定めていて、社会というのは一つの大きな有機体であり、何億万もの細胞が生きようとして全体が動いていると見ていた。だが刑法犯罪も一種の突然変異としてはおもしろそうだったので、ためしに議論の仲間入りをすることもあった。

P150
シャーリー・フォールズが奇跡の町のように思えたのは、ただ単にパムが若くて恋を得たからだったろうか。

P153
バージェス家の人々にはーとくにバージェス兄弟にはー年に一度のお祭りがあって、パムもついて行ったものである。「モクシーの日」に派手なオレンジ色の服を着た老若男女がパレード見物に繰り出すのだ。このモクシーこそメイン州とは切っても切れない飲料になっている。聖ジョーゼフ教会の掲示板には、「イエスはわれらを救う者、モクシーはわれらが飲むもの」という文字が見られた。

P168
「たしかに、まあ、おかしいよね」ようやくボブが言った。「先祖伝来なんだな。やっぱり昔のピューリタンてのは、どこかおかしかったんだよ。おかしいからイングランドを出てきた。ひどい歴史があるじゃないか。わかってやってよ」

P200
<寛容のための市民連合>

まわりの大勢の顔には緊張はないようだ。いま目につくのは、まじめな善意というべきものである。

P202
きょうという日ほど白人とは似たり寄ったりの人々だと思ったことはない。みんな同じようだ。肌が白くて、屈託のない顔をして、ソマリ人にくらべると特徴がないのが特徴になっている。

「その動機は何だったの?」

P204
ブルックリンの部屋の窓から外を見ていたときには、悲しいとは思っていなかった。あれが人生だったのだ。それなのに、いまはこの公園が生々しい現実になっている。薄い肌色をして、たいして無理もせず。急ぎもしない人々が、現実であるように思う。


P205
そして、ちらっと考えたのが、ソマリ人はどうなのかということだ。いまボブが感じるような違和感を、絶えることなく抱いているのかもしれない。
どの暮らしが現実であるのか。

P211
「さっきのやつ、帽子に88と書いてあったろう。あれはハイル・ヒトラーだな。HHだ。Hはアルファベットの8番目」

P211
(アブディカリム)
この土地へ来てから相応の時間がたったので、アメリカ人とはそういうものだとわかっている。大きな子供だ。
そういう大きな子供たちが公園にいて、じつに優しい態度を見せた。

P212
ワシントンの下院では、さる議員がソマリアは、「失敗国家」だと公言した。

そしてアメリカはというと嘘だらけの国ではないか。嘘つきがリーダーになっている国。<平和を回復する同盟>なんて茶番だな、

P219
(ジム)
「人間はどう変わっていくものか、それがおもしろいところだな。あのパムが、自分にないものを欲しがるばかりになるとは、
まるで見当がつかなかった。

パム自身が寄生したんだ。いや悪い意味ではない。

P226
シャーリー・フォールズに関わることはすべて遠くに去っている。もう届かない。
そして届かないままにするのがよい。

P229
スーザンの心に響く失敗のメロディには、ますますクレッシェンドがかかっていた。

P243
どころが、間の悪いやつで、たまたま白人なものだから、徹底して弾劾されている。ご承知の上ですよね?

P244
(ボブ)
三分の二は逃げそこなった、と思っている。彼とスーザンは―スーザンには息子のザックも合算して―一家の父親が死んだ日から運命にとらわれた。
どうにかしようとは思った。母親も子供のために頑張ってくれた。だが、うまく逃げおおせたのはジムだけだ。

どっかの島でアメリカがやってることにくらべれば、奥さんとメトロポリタン・オペラへ行くのが拷問だとは言えないね。

P248
(ヘレン)
いまだに女性トイレの行列が二倍の長さになるのだから、いったいフェミニズム運動とは何だったのか。

P271
「その若い人がずいぶん思いきったことをしたっていうのは、その通りなんだけども、いまは国全体がおっかなびっくりになっているのよ」

P295
ソマリ人
黒人系のイスラム教徒

P306
(ジム)
「そうだろう。でもな、ボビー・バージェス、おまえのせいじゃなかったんだ」

「やったんなら出頭しなければいけないと言ったよ。バージェス家の人間は逃げない、逃げ出すようなことはしない。
そんなことを言ったんだ。信じられるか?」

P315
いままでニューヨークという町は、さりげなく放っておいてくれて、ほどほどに親切な大型ホテルのようなものだった。

P317
ジムhが事情がわかっていて、なお故意に、ということは不適切な行為として、ボブを本来とは違った人生に押しこめてきたことになる。


P320
「過去とどう向き合うか、ということでね」
「要らないね。過去は過去だ。(中略)ここまでたどり着いたんだから、その地点から先へ行くしかない」

P338
「ツインタワーが崩落して以来、おバカさんのアメリカ人が、心の底では、そうしてしまいたいと思っているんだ。
いわば嫌悪するための免許が欲しいんだな」

<memo>
突然、別の人生があったと告げられる

P358
たしかにスーザンはニューヨークを嫌っていて、どこかおかしいと思っている。
いわば特産フェアが常設になっていて人が混んでいるようなものだが、それが延々と何エーカーも広がって、どこもコンクリートで固めてあって、電車が地上ではなく地下を走る。そんな大げさなことをしても、地下に降りる階段が小便くさかったりする。街路にはゴミが散らかっているし、何とかの像にはハトの糞が垂れている。公園に行けば金色のスプレーをかけた女がいる。だが、スーザンがこわいと思うのは、この都会ではない。兄弟二人がこわかった。

P364
彼女は長いブロンドの髪にストリークを入れて、

P373
(間借り人のドリンクウォーターさん)
カトリック教会ってのはカトリックの子孫を絶やさないこと自体が目的なんじゃないの。

P432
スーザンもうなずいた。もう父の死について語ることはなかろうとボブは思った。
事実関係はどうでもよい。一人ずつ物語がある。それが大事なのであって、どの物語も一人で抱えていればよい。
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[:惹句どんどん] スティーブン・キング

[:惹句どんどん] スティーブン・キング



<ケネベク・フルーツ商会>は、店にしてはずいぶんと仰々しい名前だ。
この店のおよし信じられそうもない存在理由(レゾン・デートル)にして生き残りの秘訣は、
もっともおぞましいソフトドリンク<モキシー>である。

<ケネベク・フルーツ商会>の店主はフランク・アニセッティという人あたりのいい年配の男で、
かつてぼくにこんな話をしてくれたことがある。

世界の全人類はその性格で(および、おそらくは遺伝的な傾向でも)

大きくふたつのグループにわけることができる

―ありとあらゆる飲み物のうち<モキシー>をもっとも贔屓にする幸運なエリートと

…それ以外の全員だ、と。

店主のフランクはこのそれ以外の全員を”恵まれない不幸な多数派”と呼んでいた。


『11/22/63』(スティーブン・キング)より

※モキシーはアメリカの初期の量産ソフトドリンク

Moxie(wikipedia)

Moxie is a carbonated beverage that was an early example of mass-produced soft drinks in the United States.
It continues to be regionally popular today.
Moxie's flavor is unique, as it is not as sweet as most modern soft drinks and is described by some as "bitter."
Moxie is flavored with gentian root extract, an extremely bitter substance which was reputed to possess medicinal properties.
Moxie is closely associated with the state of Maine and was designated the official soft drink of Maine on May 10, 2005.
Its creator, Dr. Augustin Thompson, was born in Union, Maine, but Moxie was invented and first produced in Lowell, Massachusetts.

2014年6月21日土曜日

<日々是不穏 like a rolling stone>(2014年6月21日(土)) 戦後を支えた 発明

<日々是不穏 like a rolling stone>(2014年6月21日(土)) 戦後を支えた
発明




発明協会が18日「戦後日本のイノベーション100選」の第1回分を発表しました。
(一度にすると有難味がないためか?)。

28期も56歳の年度を迎え、100選の中には確かな自分の記憶として共有しているも
のも多いのでは。

政治や経済の歴史よりも、このような身近な消費財の歴史のほうが、記憶に強く残ってい
ますね。残念ながら政治・経済史では当事者意識が薄いです。

微妙なのは「戦後の~」というタイトル。集団的自衛権を発揮するようになると、しょっ
ちゅう戦中になる可能性もあり、いつが戦後かあいまいになるので、安倍政権は考え直し
てもらいたいものです。

やはり平和だからこそ、イノベーションも生まれます。


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多彩、戦後支えた発明 「100選」第1回分、発明協会が公表
朝日新聞(2014年6月19日)

 発明協会が18日、「戦後日本のイノベーション100選」の第1回分を公表した。技
術的な発明にとどまらず、日本で発展したビジネスモデルや教育法まで幅広い項目が並ぶ。
いずれも国内外に大きな影響を与えたものばかりで、電気炊飯器や回転寿司(ずし)、自
動改札機など、現代社会の縁の下の力持ちも勢ぞろいした。

 昨年実施した一般からのアンケートをもとに、野中郁次郎一橋大名誉教授や小宮山宏元
東京大総長ら5人による選定委員会が選んだ。発明されたのが海外であっても、日本で大
きく発展したものも対象にした。

 戦後から現代までの10大イノベーションには、インスタントラーメンや発光ダイオー
ドなど有名どころが並ぶ。このほかに発表された高度経済成長期までの28件は個性派ぞ
ろいだ。

 魚群探知機は1948年、長崎県の電器業者が軍用のソナー(水中音波探知機)を改良
したのが原点で、食糧難時代にイワシなどの供給を支えたことが評価された。耐寒性と食
味に優れたコシヒカリは56年に命名登録されて登場、今や全水田の37・5%で作られ
る。高校教師が息子のために作った教材が由来の公文式教育法は、48カ国・地域の2万
5千教室に広がっている。

 今後数年かけ、より新しい時代を中心に順次選考を続ける。(長野剛)

 ■軽自動車 「庶民の車」夢を実現
 スバル360(1958年発売)を元祖とする軽自動車は、「庶民の車」の夢を実現さ
せた発明として選ばれた。大学新卒公務員の初任給が9200円だった時代、比較的安価
な乗用車でも100万円していたのを42万円台に引き下げた。メーカーの富士重工業は、
戦前の航空機生産の技術を生かして軽量ボディーを開発し、商品化につなげた。この成功
を受け、他社も続々参入した。 軽自動車の技術は、インドなど新興国への日本メーカー
進出も後押しした。日本発の手軽に乗れる車は世界に広がっている。

 ■ふじ 味・日持ちで世界一に
「ふじ」は、世界で最も生産されているリンゴだ。青森県の農林省園芸試験場(当時)で
生まれ、62年に命名された。年間生産量は約1200万トン、世界市場の20%超を占
め、2位のニュージーランド産「ガラ」を4倍以上も引き離すという。「国光」と「デリ
シャス」の交配で生まれたふじの特徴は、食味の良さと長い貯蔵性。当初は色づきの悪さ
が課題だったが、農家の協力で果実に袋掛けをするなどの技術が生み出され、乗り越えた。
 輸入自由化などで国産の果物が競争にさらされるなか、不動の地位を築いた。

 ■コンビニ 独自サービスで進化
 米国発の「セブン―イレブン」が74年、東京に1号店を出して以降、コンビニエンス
ストアは国内で独自の進化を遂げてきた。早朝から深夜まで営業する小売店だったコンビ
ニは、独自の流通網を確立し、独自商品の開発やATM設置、周辺地域への小口配送など、
きめ細かいニーズに応える形で発展。コンビニ全体の売り上げは百貨店を上回った。海外
にも広がり、米セブン―イレブンはいまや日本法人の子会社だ。国内の1万7千店を含め
世界で5万3千店。ファミリーマートも海外に5千店がある。

 ■戦後の10大イノベーション

 内視鏡(50年)

 インスタントラーメン(58年)

 マンガ・アニメ(63年)

 新幹線(64年)

 トヨタ生産方式(70年)

 ウォークマン(79年)

 ウォシュレット(80年)

 家庭用ゲーム機・ゲームソフト(83年)

 発光ダイオード(93年)

 ハイブリッド車(97年)

 ■高度経済成長期までの28項目
 魚群探知機(48年)▽溶接工法ブロック建造方式(造船、49年)▽フェライト(5
1年)▽ファスナー(52年)▽銑鋼一貫(せんこういっかん)臨海製鉄所(53年)▽
自動式電気炊飯器(55年)▽トランジスタラジオ(55年)▽コシヒカリ(56年)▽
回転寿司(58年)▽公文式教育法(58年)▽小型(軽)自動車(58年)▽スーパー
カブ(58年)▽ヤマハ音楽教室(59年)▽リンゴ「ふじ」(62年)▽人工皮革(6
4年)▽電子式卓上計算機(64年)▽自脱型コンバインと田植え機(65年)▽カラオ
ケ(67年)▽自動改札システム(67年)▽柔構造建築(68年)▽郵便物自動処理装
置(68年)▽LNGの導入(69年)▽クオーツ腕時計(69年)▽ブラウン管テレビ
(60年代)▽脱硫・脱硝・集じん装置(60~70年代)▽電界放出型電子顕微鏡(7
2年)▽CVCCエンジン(73年)▽コンビニエンスストア(74年)
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2014年6月19日木曜日

[あの頃のレコード] Rickie Lee Jones "Pirates" (1981)

[あの頃のレコード] "Pirates" Rickie Lee Jones



並木通りの"Stereo Records"でジャケット衝動買い(この店の値付けはちょっと高いですが)。

リッキー・リー・ジョーンズは1954年シカゴ生まれ。家出・同棲を繰り返し1969年頃ロサンジェルスに流れてきて、クラブで歌っているところを、トム・ウェイツらに認められデビューとなりました。

この存在感、一度聴いたら忘れらない歌声で、腕に自信のあるスタジオ・ミュージシャンならぜひアルバム参加したいシンガーです。

"Pirates"は彼女の2枚目の作品。1981年の発表。28期の時代と少しずれがありますが、参加ミュージシャンは1970年代を代表する有名どころばかり。

例えばドラムにSteve Gadd、シンセサイザーにDonald Fagenなどなど。

詩のほうは、遅れてきたフラワーチルドレンのようなぶっ飛び感でよくわかりません。彼女の歌とバックの音で充分愛聴盤になります。

リッキー・リー・ジョーンズの凄いところは、この作品が一時期のあだ花として終わらず、今も現役で質の高い作品を生み出しているという点です。いつまでたってもやはり芸術家としての「業」を背負っているようですが、我々一般人は純粋に音楽が楽しめるので良いです。

アルバム・ジャケットはハンガリー生まれの写真家ブラッサイの"Lovers"(1930年)から。モノクロ写真が実に味のあるジャケットです。


Side A
"We Belong Together" 4:59
"Living It Up" 6:23
"Skeletons" 3:37
"Woody and Dutch on the Slow Train to Peking" (Jones, David Kalish) 5:15

Side B
"Pirates (So Long Lonely Avenue)" 3:50
"A Lucky Guy" 4:14
"Traces of the Western Slopes" (Sal Bernardi, Jones) 8:00
"The Returns" 2:20

2014年6月18日水曜日

[積読立読斜読]『里山資本主義ー日本経済は「安心の原理」で動く』


[積読立読斜読]『里山資本主義ー日本経済は「安心の原理」で動く』
(藻谷浩介、NHK広島取材版著、角川ONEテーマ21新書、2013年)



中央公論が主催する2014年新書大賞の1位。

NHKの番組プロデューサーである井上恭介氏はリーマンショック前から暴走するグローバル経済を取材し「マネー資本主義」の限界に警鐘を鳴らしていました。東日本大震災後に広島支局に転勤。「マネー資本主義」の側から見れば後進地の中国地方の山間部で元気に活動する人々に衝撃を受け、『デフレの正体』を著した日本総合研究所調査部の主席研究員であるエコノミスト、藻谷浩介氏と組んで番組を取材・制作しました。本書はそれを書籍としてまとめたものです。

「里山資本主義」とは聞きなれない言葉です。著者の造語で地域循環持続型の経済のことを指します。

紹介されている事例は、いずれも中国地方の山間部を中心とした田舎です。

・自家発電から始めて集成材でビルを建てようと挑戦する岡山・真庭の製材所
・広島・庄原で自給自足を実践する伝道師
・島根・邑南町にIターンし自家栽培の野菜を使ったレストランの女性シェフ
・山口・大島で自家製ジャムを製造販売するもと電力会社社員
・「里山資本主義」先進国、オーストリアの林業再生

などなど。知らないことばかりで目から鱗の事例さメジロ押しでした。

声高に現在の「マネー資本主義」を断罪するものではない。一挙に江戸時代のような生活に戻れというわけでもありません。語り口は静かです。

P121
「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。


P302
機械化・自動化が進み、生産力が維持される中での人口減少は、人間一人一人の生存と自己実現を容易に、当たり前にしていく。
増えすぎた人口をいったん減らした後に一定水準で安定させていくことこそ、地球という限られた入れ物から出られない人類が、自然と共生しつつ生き延びていくための、最も合理的で明るい道筋なのだ。

という結語です。なんだ遅れてきた"Whole Earth Catalog"では。

NHKのエコ・チャンネルでは過去の放送を視聴することができます。本と一緒に観るとより理解が深まります。

http://www.nhk.or.jp/eco-channel/jp/satoyama/index.html

アベノミクスに全員が乗り遅れるなと焦らずに、別の道もあるよ、とゆっくり歩く人もいてもいいですね。

[惹句どんどん] エリザベス・ストラウト




ニューヨークの人間は食べることが好きだ。

食べ物は一大感心事であって芸術でもある。

ニューヨークではシェフがロックスターのようになる。


『バージェス家の出来事』(エリザベス・ストラウト)より

エリザベス・ストラウトは1956年アメリカ・メイン州生まれの作家。

[自分史のレッスン]1975年16歳

[自分史のレッスン]1975年16歳



広島皆実高校の身分証明書、3学年とも残ってました。物持ちいいですね。

2年生の1975年だけ写真のトーンが違いますが、担任の故・坂東先生の発案でクラスの写真好きのM君が撮影して写真代を節約したものです。日差しの強い日で、普段は茫洋としているM君が、撮影の時には毅然としていて、強い土の香りがしました。

M君は撮影ばかりでは自分の身分証明書ができないので、なぜか私がM君の写真を撮りました。
ピンボケで1年間悔やんだりしなかったかと、今更ながら思います。


1975(昭和50)年の出来事

・天皇、10月31日の記者会見で原爆について問われ「戦争中であることですから、どうも、広島市民に対しては気の毒であるが、やむを得ないことと私は思ってます」と発言
・戦後最大の不況

『年表 昭和・平成史』(岩波ブックレット)より

2014年6月17日火曜日

[新聞記事] Beyond Uber and Airbnb: The future of the 'sharing economy'

Beyond Uber and Airbnb: The future of the 'sharing economy'



2014年6月15日(日)付け朝日新聞Globeの記事「見出しを読み解く」のもとの記事です。5月19日付けのアメリカ、ロサンゼルス・タイムズから。

リーマン・ショックから5年経過したものの一向に景気が上向きになりませんが、一部の人はこの数年間が新しいビジネス・チャンスが生まれた時代だと言っています。景気がよかった時代の資産(自動車、別荘、高価な機材など)を活かして、それらを貸し出し(シェアする)ビジネスが次々と立ち上がっています。これらのサービスは、collaborativeconsumption(協力型消費サービス)、sharingeconomy(シェア・エコノミー)と呼ばれています。

Airbnbという会社は別荘や自宅の余っている部屋を火照る代わりに貸し出すサービス。TaskRabbitは自分の空き時間を他の人に便利屋として貸し出すサービス。ドライブ中に開いている席をバス代わりに貸し出すサービスや、Uber, Lyftは自分の車をタクシーとして提供するサービスです。この記事のライターはdriveway(道路から自宅車庫への私道)を貸し出す会社の代表です。

これらのサービスはインターネットを利用したサービスですが、network effectsがあるので、加入者数が増えると加速度的に利便性が増す特徴がります。既存の業界の反発もありますが、長い目で見れば競争原理が働き既存の業界も発展する可能性が高いです。記事中では"buy to share"という単語が出てきます。日本では「もったいない」として節約に走りますが、資産を他人とシェアしてあらたな需要を生むという積極的な働きかけが経済を活性化するかも知れません。

当方も家には空き部屋がありますし、自家用車の稼働率は1割未満ですし、暇を持て余してますし、シェアリング経済の寵児となれる素材ですね。


下記は元記事。ハイライトは当方の不明単語なので気にしないでください。

Beyond Uber and Airbnb: The future of the 'sharing economy'

ALEX STEPHANY, GUEST BLOGGER

I was watching from inside my shiny tower in London’s financial district the day that Lehman Bros. collapsed. Bankers were walking out the revolving doors clutching files and family photos, economic refugees in well-cut suits. The party was over. Of course, it had to end some time — we all knew that deep down. And though some people said that it was a free bar — get your order in before it ends! — we could have guessed a big bill was coming our way. More than five years later, we’re still living with the hangover.

clutch:(両手で)ぐいと握る
refugee:避難民
well-cut suits:仕立てのよいスーツ
deep down:?
big bill:?
hangover:二日酔い、残存物

Yet for many, these have been years of unprecedented opportunity. The boom time left us with too much of everything, from cars to second homes to power drills. Now that it’s over, we’ve never had a greater financial need to make use of these assets. An alternative economic and social model has risen from the wreckage of the credit crunch. Termedcollaborative consumption” by sharing innovator Rachel Botsman, this economy is based not on ownership but on the sharing of goods and services.

unprecedented:空前の
wreckage:破壊
credit crunch:クレジットの経済的危機
termed:呼ばれる
Rachel Bostman:

The hip, San Franciscan poster boy of this new “sharing economy” is the property rental site Airbnb. Instead of staying at the nearest Marriott, more than 11 million guests have booked strangers’ spare rooms and apartments since 2008. That’s just one example. Got a few spare hours? Run some errands on Taskrabbit. Some empty seats on your car journey? Sell them on BlaBlaCar.

poster boy:?
errand:使い走り

hype:誇大宣伝

prticipant:参加者

As these companies have taken off, so too has the hype. But what does the future hold for them and the sharing economy as a whole?

To begin with, this is a sector that is just getting started. Its participants are typically marketplace businesses and benefit from network effects that can lead to sharply increasing growth rates. ParkatmyHouse.com, the London-based startup for which I am CEO, is one such marketplace gaining thousands of new users a week. Whenever a new user lists or books a parking space, the service becomes more useful, setting the conditions for ever more rapid growth.



Network effects make it likely a clear winner will emerge in each vertical, hoovering up the mass market of consumers. This process is being catalyzed by the rush of venture capital into the sharing economy and consolidation, such as car-sharing company Relay Rides’ acquisition of Wheelz. As these businesses grow, some will piggyback on the very largest ones. In August 2013, Waze, a navigation app that crowd-sources traffic information, was acquired by Google for $1.3 billion.

emerge:出現する
hoover:掃除機をかける
catalyze:~を触媒する、~に触媒作用を及ぼす
consolidation:合併、統合
piggyback:おんぶして、肩車して

Indeed, transportation is set to become the sharing economy’s next vertical to blow up. Uber, SideCar and Lyft let people enroll as taxi drivers, undercutting and outperforming taxi companies. After that? Education. With student debt in the U.S. at more than $1 trillion, startups like Skillshare provide access to top-class tutors for less than the price of a Harvard hoodie. Online lending might be the biggest of all. Zopa and Prosper are hoping to make even more bankers redundant.


enroll:登録する
undercut:より安く売る、低賃金で働く
outperform:より性能が優れている、より良い業績を上げる
hoodie:?
redundant:過剰な

Meanwhile, these companies are collecting data from user behavior and third-party sites. In addition to helping their marketplaces become more transparent, this data will become useful for other companies. Consider a world in which a lender or employer could assess your risk profile or professionalism by analyzing your activity within an online community. Trust is valuable; it loosens purse strings. Unsurprisingly, there are startups like Trust Cloud and Connect.me working on measuring and monetizing these pools of trustworthiness.

transparent:現れる
monetize:~を通貨と定める
trustworthiness:信用できること

Significant challenges remain. Sharing economy businesses often operate within challenging regulatory environments and can expect fierce counter-lobbying from those whose market share is threatened. However, the biggest obstacle they face is the 20th century expectation of a consistent consumer experience. Some collaborative consumption companies are able to turn the variability of their products into a strength. For example, every luxury property on OneFineStay is unique.

regulatory:取り締まる、調整する
fierce:激しい
threatend:おどす
obstacle:障害

Raising standards will also help collaborative consumption companies navigate this obstacle. Behind most of these businesses are individual sellers or renters with their own personal brands, marketing and reviews. Competition with professional sellers that can provide a more consistent product and more efficient customer service will drive up standards. As Airbnb has shown, professional yield-hungry sellers will enter lucrative marketplaces, operating a “buy to share” model.

But overwhelmingly, collaborative consumption businesses are utilizing existing capacity. That’s good news for everyone. If we buy fewer houses and cars — our largest, most highly financed investments — it will help in the deleveraging of the global economy. Fewer mortgages mean less debt for bankers to collateralize; and, according to Zipcar, every shared car takes several others off the road.

yield-hungry:?
lucrative:利益のあがる

overwhelm:制圧する
utilize:役立たせる
deleveraging:?
collateralize:?


So the next time the music stops and the global economy implodes, we might wake up with a little less of a hangover.

Alex Stephany is CEO of ParkatmyHouse.com. Follow him on Twitter @alexmstephany.

implode:崩壊する

2014年6月16日月曜日

[惹句どんどん] アインシュタイン





われわれの直面する重要な問題は、

その問題を作ったときと同じ考えのレベルで、

解決することはできない。


『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』(大阪大学出版会、2014年)より

[積読立読斜読] 『陸軍の三廠 ― 宇品線沿線の軍事施設』(広島市郷土資料館、2014年)

『陸軍の三廠 ― 宇品線沿線の軍事施設』(広島市郷土資料館、2014年)




広島皆実高校の近隣で圧倒的な存在感のあるレンガ造りの建物があります。高校時代は単に日通の倉庫としてしか認識がありませんでしたが、旧日本陸軍の広島陸軍被服支廠です。

広島市の郷土資料館の企画展「陸軍の三廠―宇品線沿線の軍需施設」がパンフレットになり、南区図書館に寄贈されてましたので、借りて読んでみました。

この建物の歴史を知ったうえで改めて建物と皆実高校を眺めると、つくづく平和の尊さを感じます。

このパンフレットから内容抜粋します。主に被服廠の記述です。



<宇品線の開通>
1889年、宇品港竣工。1893年、日清戦争の1年前に糸崎から広島間の山陽鉄道が開通し、東京からの最西端の駅になりました。1894年宇品線となる仮設の軍用鉄道が竣工、大陸への軍事輸送として利用されました。日清・日露戦争を通じて、戦時輸送の最先端基地となった広島は、この宇品線沿線を中心に軍事施設の建設が相次ぎ、軍都として成長していきます。


<陸軍三廠>
このパンフレットにある「三廠」とは、宇品陸軍糧秣支廠(軍用食品工場)、広島陸軍兵器支廠、広島陸軍被服支廠、の3つの施設を指します。宇品線の終着駅近くに陸軍の運輸部が置かれ、宇品線沿線は一大兵站基地であったのがよくわかります。


<広島陸軍被服支廠>
軍服の洗濯工場などを統合し、1907年(明治40年)広島陸軍被服支廠に昇格し、第二次世界大戦終了までこの名称でした。軍服、軍靴などの他に、手袋や襟章などの小物も製造していたようです。


<構内図>
終戦時に保管していた資料をアメリカ軍の検閲を恐れて全部焼却したようで、残ってませんが、関係者の記憶を元にした構内図が残ってます。現存する建物は敷地の西側にあったもので、1番から13番までの倉庫があった広大な敷地です(県立工業高校と、皆実高校の敷地がそのまま入ります。戦後民間に転用してこの2つの高校が入りました)。


<労働条件>
官営だったので給与は民間よりも高く、多くの市民の働く先でした。被服支廠では平時550人程度、戦時には1300人程度の人が働いていたようです。皆実町の商店街は「被服廠通り」の別名があったようです。軍事施設というと圧政という印象がありますが、福利厚生はしっかりしており、慰安会や運動会なども開かれていたようです。

本パンフレットには軍需施設として忘却するのではなく「多くの市民の取引先、勤め先、勤労奉仕先として関係があり、市民生活を潤していたことも事実です。これらの事実も含めた多様な人の営みをたどることでしか、歴史から学ぶことはできないのではないでしょうか」と静かに語っていますが、その通りだと思います。


<第二次世界大戦終了後、>
爆心地から離れていたことで建物被害は微少であり、戦後は民間利用に転用されました。
被服支廠では、1946年に県立第一高等女学校が一部使用開始し、その後全校が利用開始しました。
新制高校となった皆実高校は、1951年(昭和26)年、木造の5番庫を解体移築して校舎に利用開始しました。


<皆実高校との関連(写真)>
皆実高校に隣接の建物で、皆実高校とも深い関係があります。2枚の写真が掲載されてました。

(1)江波の陸軍射撃場での「女子軍」訓練
1941(昭和16)年。学校からの依頼で兵器補給廠が訓練を実施。県立第一高等女学校の生徒(現皆実高校)5年生が当時の校舎(中区中町)から約3kmの江波陸軍射撃場へ銃をかついて往復し、射撃訓練を行った。




(2)広島皆実高等学校B校舎授業風景
1955(昭和30)年ごろ。旧被服支廠5番庫を解体移築したため、B校舎の教室内には4本ないしは2本の柱があり、黒板への視界をさえぎっていた。



※高校時代に平和学習として学ぶことができれば、日本の近代の歴史とともに平和の尊さを学ぶことができたのに、機会がなくて残念でした。

現在は広島県の管轄のようですが利用されていません。被爆建物として保存運動が起きています。新制皆実高校の出発点ともなった施設建物ですので、保存運動には積極的に係っていきたいものです。





2014年6月15日日曜日

[新聞記事] 自分史のすすめ

2014年6月15日付け朝日新聞記事

生活欄の「Reライフ 人生充実」というシリーズ記事。
今回は「自分史のすすめ」だそうです。

還暦とかの人生の節目に、誰に見せるともなく自分史を書きたいと思い立つ人が多いそうです。
対象が幅が広すぎて何から手をつけてよいかわからないのが大多数でしょう。

記事は簡単なガイド。当方も「自分史のレッスン」として時々当ブログで書いてますが、何より自分で読んで面白い。動機はどうあれ回顧趣味に陥らず、何か書くことは日々が充実するようで。








下記は記事の要約です。


<自分史づくりのポイント>

1.目的をはっきりさせる

2.書きやすいことから始める

3.回想の手助けには…
  アルバム、日記、手紙、年表等を用意する

4.全身で書く
  友人からのヒアリングも有効

5.自分史のかたちはいろいろ
  自費出版、簡易製本、ビデオなど


<具体的方法>

1.略年表を作り、記憶を整理する
  自分史にいきなり取り組む前に資料を整理する
  自分の略年表、写真、思い出のメモなど、自分史ノートを作って整理する

2.完成したら
  自分史を書いた人などの交流を通じてネットワークを広げる


<山藤章二さんの寄稿>
今年2月に『自分史ときどき昭和史』(岩波書店)を出版したイラストレーターの山藤章二さんの寄稿

自分史は自分だけにしか書けない物語、最初は気負わず、長い日記のつもりではじめようというアドバイス。




    

[新聞記事] 見出しを読み解く "Beyond Uber and Airbnb: The future of the 'sharing economy'"

2014年6月15日付け 朝日新聞Globe記事

見出しを読み解く "Beyond Uber and Airbnb: The future of the 'sharing economy'"

「UberとAirbnbを超えて:シェア経済の未来」

5月19日付け 米ロサンゼルス・タイムズ紙



2014年6月14日土曜日

[その他] 父の工具、息子の工具

[その他] 父の工具、息子の工具


↑息子の工具



             ↑父の工具


当方の父親は1931年(昭和6年)生まれで、小学校の教員でありました。
現在は病院で療養中ですが、早く元気になって自宅で暮らせたらいいなと思ってます。

父から学んだことは、忘れてましたが、たくさんあります。

読書の習慣をつけてくれたこと、中国・四国・九州の名所旧跡をたくさん旅行したこと、野球のキャッチボールに付き合ってくれたこと、大工道具の使い方を教えてくれたこと。

当方の子どもは娘2人なので、父から娘へと伝えたことは、あまりないような気がします。

8月に生まれる孫は男の子なので、祖父から孫への伝承が何かできるでしょうか。

写真は父親が使っていた1973年製造の日立電気大工という電動工具セット。長らく現役で使用してましたが、昨年さすがにモーターが寿命がきて、新しくブラック&デッカー社製のセットに買換えました。

日立の時代の1973年はまだホームセンターがなく、大工道具は荒物屋、木材は問屋さんからわけてもらっていた記憶があります(合板がまだ出回ってなかった)。それに比べると今は便利になりました。

ブラック&デッカー社製の電動工具はリチウム電池で駆動し、見た目はちゃちな感じですが、日曜大工には間に合います。すべての機会がアタッチメントで本体と入れ替え可能な点はすごいです。

日立の電動電気大工(名前も仰々しい)は、アタッチメントの交換にいちいち治具が必要で、結構面倒でした。カンナや溝切も可能でしたが、こちらは使わず仕舞いでした。

[その他] TVドラマ『55歳からのハローライフ』

6月14日(土)から50代半ばから60代前半という人生の転機を迎えた男女をオムニバス形式で描くドラマ。第2話に風吹ジュンさんが出演されます。

原作は村上龍の同名の小説。

定年、年金、親の介護が自分の現実的な問題となってきた28期の皆さんにも参考になりますでしょうか。

それにしても風吹ジュンさん、若いですね。



2014年6月13日金曜日

[その他] 雑誌『ポパイ』(2014年7月号)がアメリカのポートランド特集

[その他] 雑誌『ポパイ』(2014年7月号)がアメリカのポートランド特集



雑誌『ポパイ』(2014年7月号)がアメリカのポートランド特集。いくつになっても
ポパイ少年です(時々しか買いませんが。

全米で今一番住みたい都市にランクされるポートランド。人口は60万人弱でオレゴン州
最大の町ですが、ニューヨークやロサンジェルスのような巨大消費都市ではありません。

『グリーン・ネイバーフッド―米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつか
いかた』(吹田良平著、繊研新聞社)からの知識ですが、もともと周囲を山々に囲まれ自
然環境はいいものがありました。近年は民間企業と住民、そして行政が三位一体となって、
寂れた倉庫街でしかなかったエリアを「住みたい街」になるまで再生させたと言われてま
す。その理由は「アーバンネイバーフッド」「クリエイティブシンカー」「エコエピキュ
リアン」という3つのキーワードだそうです。

全米から若者が集まり、全国チェーンでない魅力的な小売店、レストラン、カフェがあり
ます。DIY精神にあふれ、自転車、レザー、陶器などの製造・販売もさかんです。

このポートランド発祥のライフスタイル雑誌"Kinfolk"の編集長ネイサン・ウィリアムス
が、この都市の魅力を「ポケット」という言葉で表現しています。

「この街はまるで雑誌のようにきちんとオーガナイズされていて、住宅街や工業地帯が整
然と並んでいる。でもそんな中にいきなり、独創的な店なんかがぎゅっと詰まったエリア
が表れるんだ」というのが「ポケット」だそうです。日本語では「懐の深さ」ぐらいでし
ょうか。

もともと"Kinfolk"は、家で仲間と食事をして過ごすという'Small Gathering'がコンセプ
トで、ポートランドはまさに、この'Small Gathering'な街なんでしょうね。

「なんでしょうね。。。」と書いたのは、まだ行ったことがないからで、いつか行きたい
街になりました。

翻って当方の地元、、広島県、広島市の地域活性化というと、いつも大きな企業の誘致、
と考えられがちですが、ポートランドのような方法のあるのでは。外国のライフスタイル
雑誌が取材に来て、あまりの魅力のなさに困ってしまうのではないかなと思います。自然
環境、世界遺産、食材、などのコンテンツは山盛りなので、あとは使い方(ソフトウエ
ア)でしょうが、惜しいですな。

というようなことを『ポパイ』で考えました。

[その他] 雑誌『Spectator』が前号に続いて"Whole Earth Catalog"の特集

雑誌『Spectator』(2014年4月30日発売、30号)が前号に続いて"Whole Earth
Catalog"の特集。



前号は日本での関係者への取材でしたが、本号はサンフランシスコでの直接取材で、なん
ど創始者スチュアート・ブランドはじめ歴代の4人の編集者への取材。本気度が違います。
2号分で優に単行本1冊分に相当する取材量ではないでしょうか。

"Whole Earth Catalog"はカウンターカルチャー華やかりしころの1968年サンフラン
シスコで創刊された伝説のカタログ雑誌。エコ、リサイクル、持続可能型社会、ネットワ
ークなど、インターネット出現前にその意義を予言したかのような編集力です。

日本ではカウンターカルチャーは結局何に対しての「カウンター」であったのか、曖昧な
まま尻すぼみになってしまった感があります。当方は周回遅れの全共闘世代(カウンター
カルチャー)のつもりですが、"Whole Earth Catalog"をライフスタイルに落とし込むこ
とが、我々の年代の落とし前の付け方ではなないかと常々思ってます。

というわけで、単行本で簡単に"Whole Earth Catalog"の全貌を理解することができない
ので、この2冊分の雑誌は非常に貴重です。じっくり熟読します。

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スペクテイター 30号 CONTENTS

■ 特集「SEEK & FIND Whole Earth Catalog《2》」目次
サンフランシスコ狂詩曲 ホール・アース歴代編集者を訪ねる旅
取材・構成 スペクテイター編集部(赤田祐一/青野利光)
スチュワート・ブランド(ホール・アース・カタログ 創刊編集・発行人)
ロイド・カーン(ホール・アース・カタログ編集者・シェルター出版主宰)
ケビン・ケリー(『Whole Earth Review』、『WEC Signal』編集長)
ハワード・ラインゴールド(『Whole Earth Review』『Millennium WEC』編集)

■ ヒッピーたちは、お金とどう向き合ったのか?
文/細川廣次(作家)

■ 『ホール・アース・カタログ』ともうひとつの出版史
文/浜田光(アマナクニ代表・『名前のない新聞』編集発行人)

■ アレクサンダー・テクニークと『ホール・アース・カタログ』の接点
文/片桐ユズル(京都精華大学名誉教授・アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル認定教師)

■ 「ニュー・ゲーム」の誕生と『ホール・アース・カタログ』
文/阿木幸男(非暴力トレーナー)

■ エディット運動としての『ホール・アース・カタログ』」
文/室謙二(ジャーナリスト)

■ ホール・アース・カタログ 最後の夜
文/大谷秋人

■ ホール・アース・カタログを通読する」
文/桜井通開

***
■ 木滑良久、ものづくりを語る(前編) 雑誌づくりは「町工場」じゃなきゃダメ
構成:赤田祐一 撮影:伊藤和馬

■ 青い地球と出会う旅 access to space
文/橋本猫勝洋

■ 猟盤日記
戸川昌士

■ SMALL TALK OF THE TOWN
:鈴木鉄平/Yusuke Suzuki/タニナオコ/吉田慎司/紅梅亭こんび/坂本大三郎/tintin/粟嶋トオリ

***

スペクテイター 30号
発売/2014年4月30日
定価/952円+税

発行/有限会社エディトリアル・デパートメント
〒380-0921 長野県長野市栗田606-3
TEL:026-267-5522 FAX:026-267-5523
opinion@spectatorweb.com
www.spectatorweb.com

ISBN 978-4-344-95202-7
BBBN 4-344-95202-2
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<日々是不穏 like a rolling stone>(2014年6月13日(金))天声人語書き写 し

<日々是不穏 like a rolling stone>(2014年6月13日(金))天声人語書き写




厳密には「タイプ写し」ですが。結果的にネットからコピーしたのか、タイプしたのかは
わかりませんけど。時々頭の体操でやってます。(偉くなったかどうかは不明)。

本日の「天声人語」は時事ネタに適当なものがなかったのか、「虫」と「梅雨」を絡めた
随筆風のもの。日本では各社似たような1面コラムがあって、『読売新聞』「編集手帳」
、『毎日新聞』「余録」、『東京新聞』「筆洗」、『日本経済新聞』「春秋」という面々
です。

エッセイとも時評ともつかぬこのコラム、日本独特のものらしいです。10年後に現在の
形態での新聞が存続しているかどうかは不明ですが、もしネット上に移管したら、この手
の1面コラムの存在は危ういかもしれません。朝玄関から新聞を取ってくる、なんとなく
1面のコラムを読む。今日の天気は快晴だ。。。というのが正しい1面コラムの読み方な
のでは。

この無用の用のようなコラムがなくなってしまうとしたら大変残念です。

今日の天声人語は時事ネタでないので雑学満載で結構面白かったです。かつての28期の
浪漫派文学少女は「檸檬(れもん)」と「薔薇(ばら)」を漢字で書けましたが、「黴
(かび)」と「鬱(うつ)」については未確認です。

引用されてた俳句、滑稽でした。

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朝日新聞 2014年6月13日(金曜日)付け朝刊
天声人語

 2月に他界した詩人まど・みちおさんは、生きものなどを短く、ユニークに表現する作
品も多かった。たとえばケムシなら〈さんぱつは きらい〉。それだけ。シマウマは〈手
製の おりに はいっている〉。縞(しま)模様を檻(おり)と見る目が軽やかだ

▼実は、シマウマがなぜ縞模様かは長年のナゾで、諸説あるものの、確かなことはわかっ
ていない。せんだって米カリフォルニア大の研究チームが、虫除(よ)けのために進化し
た可能性が大きいと発表した

▼縞の位置や濃淡などを数値化すると、害虫に狙われそうな部位ほど、模様が濃いといっ
たことが確認されたという。結論通りなら、檻ならぬ天与の防虫ネットに包まれているこ
とになる。見事な前衛絵画は神様の気まぐれではなかったらしい

▼さて、梅雨に煙る日本も「虫」の季節である。〈蚊か蠅(はえ)か蚤(のみ)か虱(し
らみ)か孑孑(ぼうふら)か〉正岡子規。ゴキブリは疾走し、ナメクジ軍団は夜陰に植物
の芽を食い荒らす。あれやこれや湿気の中から生まれたような面々に、防虫剤の奇抜なC
Mも花盛りだ

▼もっと小さな生物もいて、油断をするとパンに黒点が散っている。黴(かび)が生えや
すいので梅雨のことを黴雨(ばいう)とも書く。〈黴といふ字の鬱々(うつうつ)と字画
かな〉富安風生。字を眺めるだけでじっとり湿度が増す

▼こうなると冬のからっ風が懐かしいが、自然界に命のみなぎるときである。生命力を分
けてもらいながら、シマウマならぬ人間、害をなすものからは賢く身を守りたい。間違っ
ても墨汁で体に縞など描かないように。
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2014年6月12日木曜日

[惹句どんどん] 高見順



戦前の辞書は「愛」から始まり「女(をんな)」に終わった。

戦後の辞書は「愛」に始まり「腕力」に終わる。



『辞書の仕事』(増井元著、岩波新書)より



[惹句どんどん] 橘高薫風(川柳作家)人の世や嗚呼(ああ)にはじまる広辞苑




人の世や嗚呼(ああ)にはじまる広辞苑 

                    
『辞書の仕事』(増井元著、岩波新書)より孫引き


※実際には「嗚呼」では始まってません。


↓同じ本より孫引き

2014年6月12日木曜日

2014年6月11日水曜日

[あの頃のレコード] Dr. John "Gumbo"(1972)

[あの頃のレコード] Dr. John "Gumbo"(1972)



レコードを買う時のリファレンスにしている『MUSIC MAGAZINE増刊 アルバム・ランキング・ベスト200』(2009年)で、当方の未知のDr. John "Gumbo"(1972)がかなり上位の36位に入っていて、前々から気になっていたアルバムです。Yahoo!のオークションで手に入れました。

したがって本稿は「あの頃知らなかったけど今聴いてみるといいレコード」となります。

Dor.Johnはアメリカのニューオリンズのスタジオ・ミュージシャン出身のブルース・シンガーです。
現在も現役のようす。

1972年の作品で、それまでの際物的な音作りから一転、自らの出身地ニューオリンズの音楽を正面から取り上げました。ライナーノーツのDr.Johnの自らの解説では「ニューオリンズの人が耳を傾けるディキシーランド、ロックンロール、ファンクの混じり合った音楽の絵のようである」ですが、製作がロサンジェルスで行われてのでかなりの現代的味付けで、土着にありがちな泥臭さはありません。ここらあたりのバランスが現在でも広く聴かれているアルバムの所以かと思います。

ロックというよりはブルースのアルバムで、ロック・ファンでしたら評価が分かれるかもしれません。

なおオリジナルのライナーノーツにあったこのアルバムの紹介文が洒落てましたので紹介します。


Dr. John's Gumbo is made from only the finest natural ingredients. It's a tasty blend of "fonk", good feelings, friends and talents stirred with a tiny dash of gris-gris. And one special ingredient-an extra large spoonful of New Orleans blues, jazz, Dixieland and rock'n roll. Dr. John's Gumbo has been cooking for a long time. It's ready now, so come and get it.

fonk>funk:遊び心、ニューオリンズの音楽
gris-fris:アフリカ先住民の魔よけ

アルバム・タイトルの"Gumbo"はアメリカ南部の郷土料理の名前です。フランス料理のブイヤベースから発展し、濃いスープストックに、肉や甲殻類、オクラなどのとろみ成分、および「聖なる三位一体」と呼ばれる野菜(セロリ、ピーマン、玉ねぎ)が主成分です。ガンボは、ルイジアナがアメリカ料理に対して行った最大の貢献であると言われていますが、Dr. Johnの"Gumbo"はニューオリンズがアメリカのロックに対して行った最大の貢献であると言えます。

日本でも細野晴臣、大瀧詠一らの音作りにも大きな影響を与えているようです。

これから夏にかけて、ねっとりとした音楽が逆に発汗を促していいかも。


Dr.John / Gumbo

1.Iko Iko(James "Sugar Boy" Crawford)
2.Blow Wind Blow(Huey "Piano" Smith, Izzy Cougarden)
3.Big Chief (Earl King)
4.Somebody Changed the Lock (Mac Rebennack)
5.Mess Around(Ahmet Ertegun)
6.Let the Good Times Roll" (Earl King)
7.Junko Partner(Bob Shad)
8.Stack-A-Lee(Traditional)
9.Tipitina (Henry Roeland Byrd)
10.Those Lonely Lonely Nights (Earl King, Johnny Vincent)
11.Huey Smith Medley(Huey "Piano" Smith, Johnny Vincent)
(a)High Blood Pressure
(b)Don't You Just Know It
(c)Well I'll Be John Brown
12.Little Liza Jane" (Huey "Piano" Smith, Johnny Vincent)



2014年6月10日火曜日

[積読立読斜読] 『(株)貧困大国アメリカ』(堤未果著、岩波新書、2013年)

[積読立読斜読] 『(株)貧困大国アメリカ』(堤未果著、岩波新書、2013年)



古書店でみかけて、前から読みたかったので購入、読了しました。
中央公論が主催する新書大賞2014年の第3位です。

堤未果さんの岩波新書のアメリカ・レポートは3冊目。すでに世評が高いので書籍紹介は省略。
1960年代、「パパはなんでも知っている」「うちのママは世界一」の豊かアメリカ中産階級はすでになく、上位1%の富裕層に国富が集中しています。前2冊はアメリカ国内事例、今回はアメリカ発のグローバリゼーションについてのレポートです。

企業化する農業、寡占化する食品業界、破綻する地方自治体、などの事例が日本の新聞がフォローしていない所までリポートしてます。

上位1%に富みが集中(99%は貧困化)という流れはなにもアメリカだけでなく、世界的な潮流です。いずれ日本もそうなる可能性が高いです(すでに兆しはあり)。

P273
「いま世界で進行している出来事は、単なる新自由主義や社会主義を超えた、ポスト資本主義の新しい枠組み、「コーポラティズム」(政治と企業の癒着主義)にほかならない。グローバリゼーションと技術革命によって、世界中の企業は国境を超えて拡大するようになった。価格競争のなかで効率化が進み、株主・経営者・仕入れ先・生産者・販売先・労働力・特許・消費者・税金対策用本社機能にいたるまで、あらゆるものが多国籍化されてゆく。流動化した雇用が途上国の人件費を上げ、先進国の賃金は下降して南北格差が縮小。その結果、無国籍化した顔のない「1%」とその他「99%」という二極化が、いま世界に広がっているのだ。」

P276
「「1%」にとって、国家は市場の1つにすぎず、国単位で対抗できないという事実に気づかなければ(中略)「99%」は簡単に分断されてしまう。」

P277
「本当に価値あるもの、守るべきものとは何だろう。国とは何か。「1%」に奪われようとしている、主権・人権・自由・民主主義・三権分立、決して数字で測れない価値について。市場の中で使い捨てにされる「モノ」ではなく、たった一人のかけがえのない個人として、これらの原点を問われた時、私たちは自らの意志で、どんな未来を描くのか。」

全世界の「99%」諸君、団結せよ!!


ほとんどのレポートは断片的ながら予備知識がありましたが、完全民営化の都市がすでにアメリカで誕生していたという事実には驚愕。

ハリケーン・カトリーナで大きな水害に見舞われたジョージア州。水没した地域住民のほとんどがアフリカ系アメリカ人の低所得層だったことから、アトランタ近郊の富裕層に不満がたまり(自分の税金を救済に回されるため)。

住民投票の上で得たベストの解決策が、自分たちだけの自治体を作って独立すること。大手建設会社が2700万ドルで市の運営を請け負う提案を行ない、契約が成立しました。

正規職員は極力おさえ、契約社員を雇う。もちろん、組合は存在しない。被災地に関心が集まる中、2005年12月、人口10万人の「完全民間経営自治体サンディ・スプリングス」が誕生したのだとか。


<サンディ・スプリングスの概要>

・雇われ市長1人、議員7人、市職員7人。
・警察と消防以外のサービスはすべて民間委託。
・24時間、無休のホットライン。
・住民は平均年収17万ドル(約1700万円)以上の富裕層と、税金対策の大企業。


この動きは周辺にも広がり、新しく5市が後に続き、独立特区を形成。もちろん、富裕層が抜けるのですから、その地域の公立学校や病院、福祉などは成り立たなくなるでしょう。それでも世界からも関心が高いようで、中国やサウジアラビア、インド、ウクライナなどから視察団が訪れているそうです。

P203
「サンディ・スプリングスが象徴するものは、株主至上主義が拡大する市場社会における、商品化した自治体の姿に他ならない。そこで重視されるのは効率とコストパフォーマンスによる質の高いサービスだ。そこにはもはや「公共」という概念は、存在しない。」

うちの近所がこうならないように願います。

2014年6月9日月曜日

[惹句どんどん] チュチェフ(ロシアの抒情詩人)



ロシアを頭で理解することはできない



↓現在、読書中です。

「ロシアを頭で理解することはできない」と言ったのはロシアの抒情詩人チュチェフ(1803~73、外交官としての長い経歴をもつ一方、神秘主義的な形而上詩を発表して世紀末のシンボリズムの始祖といわれる)が。スターリングラードの戦いを、標準的な調査によって十分に理解するのもまた不可能である。純粋に軍事面からこのように巨大な闘争を研究しようとしたところで、その場の現実を伝え得ない。ラステンブルグの総統司令部にあったヒトラーの地図が、兵士たちの苦しみとは無縁の空想世界に彼を引き入れたのと同様であろう。

『スターリングラード』(アントニー・ビーヴァー)より

[その他] 生ごみ分解「土」処理器を作りました




いささか旧聞に属しますが、2014年5月15日付け朝日新聞の家庭欄、「レッツeco活(エコカツ)」に、「土に混ぜて微生物に分解させる」生ごみ処理器の記事があったので、自分でも作ってみました。廃材を利用したので製作費はタダ(見かけは悪いですが)です。作ったばかりでまだ生ごみで試してません。

神奈川県の葉山が発祥で「キエーロ」というのが正式名称だそうです。
ベランダタイプと庭直置きタイプがあります。ベランダタイプの作り方は下記の通り。


・サイズは幅1000、高さ800、奥行き500

・中に黒土を200リットル程度入れる

・米ぬかを混ぜるとバクテリアがよく繁殖する

・風通しを良くし、直射日光を当てない、過度な水分は禁物


環境省によると家庭からの可燃ごみのうち4割が生ごみだそうです。水分の多い生ごみを燃やすのは効率が確かに悪いですね。

孫の「科学と学習」の教材にもなるので、工夫してうまく処理できるようになりたいです。

継続報告します。

2014年6月8日日曜日

[積読立読斜読] 『第一次世界大戦 忘れられた戦争』(山上正太郎著、講談社学術文庫、2010年)

[積読立読斜読] 『第一次世界大戦 忘れられた戦争』(山上正太郎著、講談社学術文庫、2010年)



最近は新書がエンターテイメント化してしまい、興味のある事柄を手軽に概観できること
が難しくなりました。講談社学術文庫は定評ある良書が多いそうで、新書のような入門書
変わりには良いかも。

書評等で好評だった『第一次世界大戦』を読んでみました。

著者の山上正太郎さんは1919年岡山生まれ。もと学習院大学助教授等。自身が参加し
た第二次世界大戦の研究を著にしたが、その原因が第一次世界大戦にあったとして本書を
書き始めたそうです。オリジナルは1985年の現代教養文庫版。

今年は第一次世界大戦から100年が経つ節目の年です。

第一次世界大戦は人類が初めて経験する総力戦であり、王族を中心とした血縁外交から国民国家主体の国家外交へと世界史が転換し、くすぶっていた対立がその後の第二次世界大戦を引き起こし、現代世界とつながっています。その起点となった第一次世界大戦を学ぶことは現代を学ぶことであると、解説の池上彰さんも強く主張しています。

本書は戦闘行為自体の記述は少なく、背景となった政治、特に中心となった人物に焦点を
当てて描写しています。戦闘行為は政治行為の延長であり、政治の中心には人間がいたか
ら至極当然ではあります。とかく日本の歴史は戦史に傾ぎがちであり、兵器への偏愛(大
和とゼロ戦)は異常です。

副題に「忘れられた戦争」とありますが、これは日本人への警鐘であろうと思われます。
ほとんど被害なしに参戦した日本は漁夫の利を得て(調子に乗り過ぎ)、中国への利権を
強めアメリカと対立し、第二次世界大戦へと突入します。

人物中心の記述なので、ちりばめられたエピソードにも興味深いものがあります。1つだ
け挙げると、戦勝国のロシアは大戦中の17年に皇帝が追い出され、帝政が崩壊します。レ
ーニン主導によるロシア革命で、5年後には史上初の社会主義国ソビエト連邦が誕生しま
した。スイス亡命中のレーニンはロシアの後方攪乱を狙ったドイツとの密約で厳重に保護
された列車で中立国を経由してロシアまで送り返されます。革命政府はドイツとは停戦し
ますが結局は三国同盟国は敗れてしまします。

第一次世界大戦後の現代世界への影響をまとめてみます。

・ EUの当方拡大の対象である、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアなどが
   誕生したのは戦後
 
・ アラブとパレスチナに分裂したパレスチナ問題は、両者を味方につけようとするイギ
   リスの二枚舌外交が原因
 
・ 日本の中国大陸進出に反対して中国共産党が誕生し、現代の中国が生まれる発端とな
   った
 
・ ロシア革命の混乱に乗じてリベリア出兵に踏み切った日本は、アメリカと対立。第二
   次世界大戦の伏線となる
 
・ 戦争需要によって輸出国となり近代資本主義が発展、四大財閥が成長した日本は、現
   在の経済の基礎が固められた(世界3位の海運国へと躍進し、大戦前にあった約11億円
   の債務も完済)

歴史上初の総力戦となった第一次世界大戦ですが、近代国家そのものが総力戦を戦える機
構を用意できるのは皮肉です。

P45
「国民を徴兵制実施、軍需産業への徴収など、婦女子に至るまで種々な形で戦争遂行に動
員し、また社会・経済・文化など国民生活を組織、統制化することによって、交戦諸国の
政府は権力を強化、増大していった。いや、近代国家の権力機構こそが、長期戦遂行を可
能ならしめた」

遠い国同士で争われた戦争で、はたして日本が総力戦の意味を皮膚感覚で認識していたの
かどうかは疑問です。自らの教訓としないで「忘れられた戦争」にしては危険ですね。


なにせ世界大戦の原因と結果ですから、簡単に理解できないので記述のまとまっている平
凡社の『マイペディア』から下記、引用です。

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第1次世界大戦
だいいちじせかいたいせん

1914年7月28日から1918年11月11日,ヨーロッパを主戦場に世界的規模で行われた戦い。
多くの近代兵器が使用され,一般国民をも巻きこんだ最初の総力戦であった。

〔前史〕 19世紀後半に始まった列強の植民地分割は1900年ごろほぼ完了し,新たに列強
間に帝国主義戦争勃発(ぼっぱつ)の危機が生じた。

特にドイツ・イタリア・オーストリアの三国同盟と,英・フランス・ロシアの三国協商の
2大陣営の対立が国際関係の軸となり,中でも三B政策による新興国ドイツと三C政策に
よる英国との関係は常に緊張をはらんでいた。

また多民族の混在するバルカン地域ではオスマン帝国の弱体化に伴う列強の干渉(東方問
題)を背景に早くから民族解放運動が興っていた。とくにボスニア・ヘルツェゴビナのオ
ーストリア・ハンガリー二重帝国への編入(ボスニア・ヘルツェゴビナ併合問題)はパ
ン・ゲルマン主義を掲げるオーストリアに対するロシアの危機感を煽り,第1次大戦の発
火点となった。

〔開戦〕 1914年6月28日オーストリア皇太子夫妻がボスニアで暗殺されたサラエボ事件
を契機に,オーストリアは7月23日セルビアに最後通牒(つうちょう)を発し,28日宣戦布
告。これに対しロシアは総動員令によって応じ,ドイツは8月1日ロシアに,3日フラン
スに宣戦,4日英国がドイツに宣戦して,8月末までにイタリアを除く全同盟国・協商国
が交戦状態に入った。

〔初期の戦況〕 ドイツは最初からシュリーフェンの提案による西部戦線での短期決戦を
ねらったが,マルヌ会戦で挫折した。以後戦線は膠着(こうちゃく)状態となり,1914年―
1915年の間はイープルの戦,ドイツ軍による再度の大攻撃(ベルダンの戦),半年にわた
る英・仏軍の大反攻(ソンムの戦)などがあったが,爆撃機・戦車・毒ガスなど新兵器の
投入にもかかわらず戦局は変わらなかった。東部戦線では初め優勢だったロシア軍もタン
ネンベルクの戦で大敗し,守勢に立った。1914年11月トルコがドイツ側に立って参戦,戦
火は中近東に拡大した。イタリアは三国同盟の一員だったが,1915年5月ロンドン密約に
基づき対独宣戦。海上戦ではドッガーバンクの海戦,ユトランド沖海戦があったが,優勢
な英艦隊が封鎖作戦をとったため,ドイツは潜水艦(U ボート)にたよらざるをえなかっ
た。

〔中東の情勢〕 トルコの参戦に対し,英国はキプロス島併合,エジプト保護領化を宣言。
フランスと共同で行ったガリポリ遠征は失敗したが,スエズ地区ではトルコの攻撃阻止に
成功。ヨーロッパ列強は中東の被圧迫諸民族を自己陣営に引き入れようと,戦後の独立・
自治を約束したが,その裏面で列強同士が秘密協定を結んで領土分割を図り,問題を紛糾
させることになった。大戦後アラブ諸民族独立を約したフサイン=マクマホン書簡と,ユ
ダヤ人国家の建設を認めたバルフォア宣言の矛盾は特に大きな問題を残した(パレスティ
ナ問題)。

〔アジアの戦局〕 1914年日本は対独宣戦,チンタオ(青島)およびドイツ領南洋群島を
占領したが,真の目的は中国に対する発言権の強化にあり,二十一ヵ条要求,山東省支配
権の獲得で東アジア進出の足場を確保した。

〔戦局の転機〕 ヨーロッパの反戦・反帝国主義運動は,大戦勃発とともに各国の社会民
主主義勢力が政府・戦争支持にまわったことにより無力化し,第二インターナショナルも
崩壊。しかし戦争の長期化・総力戦化は民衆の不満を増大させた。1917年ツァーリ専制に
反対するロシア革命が成功,新生ソビエト政権は平和と民族自決の原則を掲げ,1918年3
月ドイツと単独にブレスト・リトフスク条約を結び,戦列を脱した。他方制海権を失った
ドイツは1917年2月から無制限潜水艦作戦をとり,英国は窮地に陥ったが,それは米国の
世論を刺激し,同年4月米国は対独宣戦に踏み切った。以後英・仏軍は米国からの兵員・
物資援助を受けて反撃に転じ,1918年9月以降ドイツ軍は完全に守勢に立った。ドイツ軍
はブレスト・リトフスク条約後も東部戦線で進出を試みたが,各地で激しい抵抗にあった。

〔大戦の終結〕 1918年に入ると諸国の反戦運動は表面化し,ドイツ・オーストリアでは
兵士・労働者のデモやストライキが続き,米国大統領ウィルソンは十四ヵ条平和原則を発
表して戦争終結の方向を示した。3~7月の最後の総反撃に失敗したドイツでは,10月28
日キール軍港で水兵の反乱が起こり,これがドイツ革命に発展,皇帝はオランダに亡命,
ドイツ共和国が樹立され,11月11日パリ郊外コンピエーニュの森で休戦条約に調印するに
至った。

〔大戦の結果〕 1919年1月パリ講和会議が開かれ,6月ドイツはベルサイユ条約に調印,
以後同盟国と協商国との間でサン・ジェルマン条約,ヌイイー条約,トリアノン条約,セ
ーブル条約が調印された。これによって出現した戦後体制はベルサイユ体制と呼ばれる
ベルサイユ条約は無併合・無賠償・民族自決等を謳ったウィルソンの十四ヵ条平和原則に
のっとっていた。しかし戦勝国は戦時中の秘密協定に基づき領土の再分割を図り,植民地
は多く委任統治の形で割譲され,被圧迫民族の独立運動・反帝国主義運動を激化させた。
またドイツは領土割譲・軍備制限のほか1320億金貨マルクの苛酷な賠償金を課され,経済
は極度に混乱した(ドイツ賠償問題)。国際平和の維持を目的として創立された国際連盟
も,米・ソが不参加のため英・仏が主導権を握り,実質的には戦勝国の利益を擁護する機
関となった。

第1次大戦の結果生じた事態としては,さらに次のようなことがあげられる。

1.社会主義国ソ連が成立し,従来と全く異なる新しい国際政治の場が開かれた。また資本
主義諸国によるソ連封じ込め政策はかえって世界の革命運動を激化させ,コミンテルンの
成立をみることになった。

2.米国の国際的地位の優位が確立し,特に経済面で資本主義的世界の中心が米国に移った
ことは,従来のヨーロッパ中心の国際政治を大きく変えた。

3.きびしい制裁を受けたドイツでは,民主主義の理想と目されたワイマール共和国が社会
的混乱の中で崩壊,ナチス台頭を誘発した。

4.アジア,アフリカをはじめ被圧迫民族の間に民族意識が高まり,組織的な民族解放・独
立運動が進展した。

〔損害〕 この戦いには同盟国側4ヵ国,協商国側23ヵ国が参戦。戦死者約1000万,戦傷
者1000万~3000万,一般市民の死傷約500万,直接戦費約1800億ドルに達した。

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2014年6月7日土曜日

[積読立読斜読] 『「あまちゃん」はなぜ面白かったか?』(小林信彦著、文藝春秋、2014年)

[積読立読斜読] 『「あまちゃん」はなぜ面白かったか?』(小林信彦著、文藝春秋、2014年)




紀伊国屋書店ゆめタウン広島店で探しに探し、結局、新刊本コーナーではなく、芸能の「あまちゃん」コーナーにありました。
玉石混交の「あまちゃん」関連本と一緒くたというのは小林信彦に失礼ではないか。

『週刊文春』の「本音を申せば」という連載エッセイを1年ぶんまとめたもので、本作で16冊目になります。
小林信彦は1932年生まれ。純文学からエンターテイメント、映画を中心としたエンターテイメント評論など数々の労作があります。
ブレイク前の若手女優を掘り当てる目利きとしても有名です。

当方はあまりテレビ、映画を観ないので、小林信彦のこのシリーズを参考書に1年遅れで推薦された映画を観る、ということにしてます。
戦前からの筋金入りの映画ファンにしてカルトな映画評論家の推薦した映画は「ハズレ」がなく、重宝してます。

また東京大空襲で生家を失い、学童疎開の経験のある、健全な戦後民主主義の信奉者である著者の世評はまったく軸がぶれておらず、こちらも賛同することが多いです。

2013年は大島渚の死で始まり、大瀧詠一の死で終わった年として記憶されるかも知れません。もちろん「あまちゃん」もありました。

不愉快な世の中だけれでも御年80歳を超えてなお好奇心旺盛で近年のモットーは「B級映画を女優で観る」という信念だそうです。
以前に比べてお年を召されたせいか、体力のいる書籍の紹介が減り、古い映画のDVD評論が多くなっているのが気になります。

ぜひとも長生きされて良質のクロニクルを続けてください。