28期の高校時代によく聴いた音楽を本当にレコードで聴きなおすという企画です。ネタ切れなので雑誌『レコード・コレクターズ』の特集で取り上げられたアルバムも「あり」に方針変更しました。
雑誌『レコード・コレクターズ』(2019年1月号)はポール・マッカートニー&ウィングスの特集。ウィングス最初期のアルバム『ワイルド・ライフ』(1971年12月)、『レッド・ローズ・スピードウェイ』(1973年5月)が、ポール・マッカートニー・アーカイヴ・シリーズ(リマスター版)の続編として発売されたのを期に特集が組まれました。2枚とも持ってなかったので、広島駅前の中古レコード店グルーヴィンで物色したところ『レッド・ローズ・スピードウェイ』があったので購入して聴いてみました。
最初に『レコード・コレクターズ』等からこのアルバムの紹介。
・録音期間はツアー活動を挟んで約9ヵ月(前作『ワイルド・ライフ』が録音2週間からの反省からか?)
・ソロの『ラム』からのアウトテイクを含み30曲完成していたので2枚組の構想があったがレコード会社が反対して1枚に
・70年代初頭のロックのトレンド、(1)プログレ、(2)スワンプ(アメリカ南部ロック)、(3)レイドバック、が影響されている
ポール・マッカートニーはビートルズ解散前の発言や、その後の活動からわかるようにバンド志向の強いミュージシャンで、ツアーの合間を縫ってアルバム制作・発表、を繰り返しています。ウィングス結成からほとんど準備期間もなく、録音も2週間という『ワイルド・ライフ』(実質3日という説もあり)が酷評されたせいで、バンドとしての演奏技術を高めるためにツアーを繰りかえし、録音期間も十分にとり(9ヵ月)、満を持してという感じのアルバムです。ジャケット裏面には点字で"We love ya baby"という、後年"Ebony and Ivory"(1982)で共演することになる、スティービー・ワンダーへのメッセージだそうです。いずれにせよシングル『マイ・ラブ』と同時期に全米NO1ヒットとなったアルバムなのでちゃんと聴きなおす必要がありますね。
個人的感想は下記の通り。
・次作の『バンド・オン・ザ・ラン』(1973年12月)まで7ヵ月しか開いておらず印象が薄い
・ロック史上の残るラブ・バラード『マイ・ラブ』1曲だけでもアルバムの存在価値あり(この1曲が突出していてアルバムとしてのまとまりには欠ける印象)
・ポールのワンマン・バンドと思いきや意外にコーラス部分が美しい
・3歳の娘メアリーのことを歌ったカントリー・ソング風のシンプルな曲"One more kiss"がほほえましい
・小品のメドレーは『アビイ・ロード』からのものだが完成度が低い、『バンド・オン・ザ・ラン』のように重層的でない
28期の高校時代によく聴いたウィングスの『バンド・オン・ザ・ラン』(1973年12月発売)と同年に発売された作品です。そのせいで印象が薄いのかも知れません。この頃のポール・マッカートニー(1942年6月18日生)は超人的な活動ぶりで、レコード発売を中心にまとめてみました。
<ビートルズ解散前後>
1966年8月、サンフランシスコ公演を最後にライブ活動休止
1969年1月、ゲット・バック・セッション(アルバム『レット・イット・ビー』として1970年5月発売)
1969年9月、『アビイ・ロード』発売(録音は同年4月~8月)。
1970年4月、ポール・マッカートニーのビートルズ脱退宣言。
11971年3月、ポール・マッカートニーが訴訟を起こしていた「解散とアップル社共同経営関係の解消」が確定。
<ソロ、ウィング名義のアルバム>
『マッカートニー』(1970年4月)
『ラム』(1971年5月)
『ワイルド・ライフ』(1971年12月)
『レッド・ローズ・スピードウェイ』(1973年5月)
『バンド・オン・ザ・ラン』(1973年12月発売)
<ウィングスのシングル>
『アイルランドに平和を』(原題:Give Ireland Back to the Irish)(1972年2月)
『メアリーの子羊』(Mary Had a Little Lamb)(1972年5月)
『ハイ・ハイ・ハイ』(Hi, Hi, Hi)(1972年12月)
『マイ・ラヴ(My Love)』(1973年3月)…アルバム『レッド・ローズ・スピードウェイ』収録、先行発売。
『死ぬのはやつらだ』(1973年6月1日)
<コンサート、TV番組>
1972年2月、全英の大学を抜き打ちで巡回するツアーを開始
"James Paul McCartney (TV program)"、16 April 1973 (US)…イギリスATV制作の番組。今回発売のデラックス盤のDVDに収録。プロモーション・ビデオとして秀逸。
72年7月ヨーロッパ各国(26か所)のコンサート・ツアー敢行、デラックス版にライブ音源が付属。
<収録曲>
Side one
1.
"Big Barn Bed"
3:48
2.
"My Love"
4:07
3.
"Get on the Right Thing"
4:17…『ラム』製作時の作品をバンド向けに手直し
4.
"One More Kiss"
2:28
5.
"Little Lamb Dragonfly"
6:20 …『ラム』からのナンバー、バラードの佳品
Side two
6.
"Single Pigeon"
1:52 …『マーサ・マイ・ディア』風のピアノソロあり
7.
"When the Night"
3:38
8.
"Loup (1st Indian on the Moon)"
4:23…プログレ風のインスト、ピンクフドイトと同じエンジニア、アラン・パーソンズの影響か?隣のスタジオでピンクフロイドが"The Dark Side of the Moon"を作っていた
9.
"Medley: Hold Me Tight/Lazy Dynamite/Hands of Love/Power Cut"
11:14…『アビイ・ロード』と同じアイデアの未完成曲のメドレー
<アルバム・ジャケット他>
・タイトルは、ポールの家のハウスキーパー、ローズにヒント
・ジャケット表の写真撮影はリンダ。主にリンダ
・ブックレットが着きポップアート風のアラン・ジョーンズとエドゥアルド・パオロッツィが手がけたアートワーク
・バイクはハーレーダビットソン