2016年5月30日月曜日

[その他] 530(ゴミゼロの日) 広島掃除に学ぶ会(袋町公園)



5月30日(月)はごみゼロの日ということで、袋町公園の清掃に参加しました。

山陽高校の生徒さんが中心です。

朝7時からの開始。

市内中心部ということでゴミが相当多かったです。

朝一番からの掃除は疲れますが、すがすがしい気持ちです。


2016年5月29日日曜日

[新聞記事] 同窓会 補助する自治体続々 Uターン・経済効果を期待



5月29日付けの朝日新聞デジタル記事。

地方自治体が人口減の対策として地元で開催される同窓会に補助金を出しているようです。
一方、効果がないとして中止する自治体もあります。


================================================================================

同窓会、補助する自治体続々 Uターン・経済効果を期待
(伊藤唯行 2016年5月29日 朝日新聞デジタル)

 故郷を離れた人が懐かしの顔に会うため、久しぶりに戻って来る同窓会。これをUターンに結び付けようと、同窓会の会費を補助する自治体が地方を中心に増えている。参加者には好評だが、思惑通り人口増につながるかは未知数だ。

 山形県の日本海側。鳥海山を見渡す遊佐町は2014年から、町内の小中学校を卒業した人が開く同窓会に補助金を出し始めた。出席人数や年齢などの条件を満たすと、1人当たり2千円前後の補助金が出る。目的は若い世代の人口増だ。

 町の人口は約1万5千人で、30年で約5千人減った。特に若い世代は進学や就職を機に町外に出たままということが多い。そんな若者たちが久しぶりに戻って来るのが同窓会。町はここに目を付けた。

 ログイン前の続き町企画課の後藤夕貴さんは「同窓会は故郷のことを知る良い機会。町の子育て支援などを知ってもらい、戻りたいと思ってもらえれば」と話す。若い人のUターンを促すのが目的のため、条件は出席者が20~39歳で、独身者が3分の1以上いることなど。町外在住者が3分の1以上だと補助額が上がる。

 2年間で5グループ、約90人が補助を受け、飲食代などに利用。会が始まる時には職員も同席し、子育て支援策などをまとめた冊子を配って町の良さをアピールし、Uターン希望を聞くアンケートも行う。参加者からは「補助があると集まりやすい」「Uターンも考えていたので、地元の同級生に町の話を聞けて良かった」と好評だ。

 同窓会への補助は他の自治体でも相次いでいる。共通するのは都市部から離れた場所にあり、若者の流出に悩んでいるという点だ。神奈川県松田町は成人なら年齢制限がなく、高齢者の同窓会も補助するのが特徴。同町は「60~70代の同窓会では子どもの家庭の話題が多い。町の充実した子育て環境を知り、子どもを呼び寄せる動きにつながれば」と話す。

 昨年から始めた兵庫県西脇市は人口増だけでなく市内の経済効果も狙う。補助対象は「市内の店舗で10万円以上かかった場合」。市は「大きな会を開いてもらうことで飲食店の売り上げにつなげたい」。市内のホテルが同窓会専用のプランを設けるなど盛り上がりを見せ、昨年度は約1100万円の経済効果があったという。

 一方で事業を取りやめた自治体も。岡山県高梁市は09年度から3年間実施。計227件、7083人が利用し、市外の人も6割いたが、市は「移住につながったかどうか、効果がはっきりしなかった」と振り返る。今は移住用の空き家の整備や相談態勢の充実などに力点を移している。

 13年度から始めた新潟県糸魚川市は今年度から、担当を定住促進の部署に変更した。「もっと積極的にアピールすることで移住に結び付けたい」と話す。

 同窓会のプロはどう見るのか。幹事業務の手助けなどを行う「同窓会本舗」(東京)の荒瀧智範代表は「同窓会は普通のパーティーより盛り上がるので、故郷の良さを感じる人が多いのは確か。たまたまアルバムを見たなどちょっとしたことが開催のきっかけになるので、補助は開催の大きな後押しになると思う」と評価する。(伊藤唯行)

2016年5月28日土曜日

[積読立読斜読] 『素晴らしいアメリカ野球』(フィリップ・ロス著、中野好夫・常盤新平訳、新潮文庫、2016年)




村上春樹と柴田元幸が埋もれた海外文学作品を発掘する新潮文庫の新企画です。

5月1日に発行になった『素晴らしいアメリカ野球』(フィリップ・ロス、中野好夫・常盤新平訳)は1976年に集英社から出た『世界の文学』向けに訳されたもので、今回はその復刊です。内容はさっぱり忘れましたが、当方も高校時代に全集版で読みました。38年ぶりの復刊だそうです。

原題は"The Great American Novel"で、正確な邦題は「偉大なるアメリカ小説」でしょうが、1976年の日本の状況では、この小説がアメリカの小説家が書かなければならない「偉大なるアメリカ小説」への諧謔そのものであるという状況が理解できないという理由で、表層に題材とされているアメリカのプロ野球・愛国リーグを描いた小説としての邦題にしたそうです。

今回の新潮文庫版は、オリジナルの翻訳になかった柴田元幸さんによる膨大丁寧な注釈がつき、作品への理解が深まりました。

原著は1973年に出版されてます。現時点ではいささかアメリカの偉大さ(great)も怪しくなってきてますが、ベトナム戦争があったとは言えまだまだアメリカには偉大なる国家として存在しており、アメリカの作家としても、"Great American Novel"をいつか完成させなければならない使命を帯びており、題材として選ばれた野球も国技として隆盛であり、共産主義は戦うべき巨大な相手だったのでしょう。

単に白いクジラを退治するだけの話を、延々とした叙事詩に仕立て上げた『白鯨』が、その偉大なるアメリカ小説のひとつの見本かも知れません。

『白鯨』のほうは大まじめですが、こちらは架空のプロ野球リーグ、愛国リーグに所属する弱小球団「マンディーズ」をめぐる群像劇という筋立てです。このマンディーズが実にでたらめなチームで選手がアル中であったり、隻手であったり、小人であったり、52歳の三塁手がいたりという設定です。図らずも今日のほころび始めた超大国アメリカを予言してます。

この時代は共産主義がまだまだ戦うべき巨大な敵であったようです。最終章のマンディーズ球団がアメリカの国技、野球を破滅させるためのスパイ集団だったという伏線になる会話です。


下記はマンディーズに所属する外野手ローランド・アグニがトレード先希望の女性オーナートラスト夫人との会話。当方はこの小説のネタになっている事象はほとんど理解できてませんが、下の会話は面白かったです。


「ローランド、あなたにはわかるかしら、何千何百万というアメリカ人を団結させ、競争相手を仲間にし、他人を隣人にし、敵を味方にするものがなんであるか?
野球なのよ!試合が続いているかぎり、そうなのよ。だから、そんなふうにして、彼らはアメリカを滅ぼそうとしているんだわ。つまり、われわれの国技を滅ぼしてしまおう―それが彼らの憎むべき巧妙な計画なのよ!」
「でも―しかし、どうやって?どうしてそんなことができるんだ?」
「野球を冗談の材料にしてしまうのよ!物笑いの種にしてしまうんだわ!われわれを大いに笑わせようとしているのよ!」
「でも―誰が?」
「赤(レッズ)よ」とトラスト夫人は言って、相手の反応を見た。
「だけど、レッズにはそんな余裕はないよ、奥さん、カーディナルズに負けているからね。おれはわかんないな。どういうことなのかね?」
「そうじゃないわ、シンシナティ・レッズ球団のことじゃないの。」

<日々是不穏 like a rolling stone> 3世代同居住宅への補助金は疑問?


画像はpintarestから



5月26日付け朝日新聞の小熊英二さんの論壇時評を読んで、うかつにも初めて知ったのですが、安倍政権が3世代同居住宅新築・改築へ補助金を出す制度を始めたそうです。

この記事にはありませんが申請が結構簡単で実際に3世代が同居していることは調べられないそうです。政策の目的は少子化対策であり、理由は子育て・孫育てを世代間で助け合える環境であれば、子供を産み育てやすいといいうものです。

かくいう私の家族は、私たち夫婦・私の実母・娘夫婦・孫の4世代近居(広島県の定義によると同一小学校通学圏を「近居」と言うらしいです)です。決して補助金狙いではなく、長く続く平和な世の中、家族の健康、生計を立てることができる就学・就労の機会に恵まれたこと。また4世代が近居できる住環境を残してくれた先祖。たくさんの人のおかげで今日があります。

複数世代が住める住宅を新築できる人は相当生活に余裕がある人たちで、別に補助金がなくても3世代同居は可能なのでしょう。真に子供がほしくても産めない層への補助金にはなっておらず、少子化対策としては的外れであると思います。

5月20日に行われた中国地方の県知事会でも同様の政策を採用するアピールが採決されたそうです。小熊英二さんの論評は政策立案者が困っていない立場にあり、しかもそれが長く続いているために、国民の多数を占めつつある真に救済が必要な人の気持ちがわからず、政策に反映されないという意見です。


==============================================================================

連載:小熊英二の論壇時評一覧
(論壇時評)二つの国民 所属なき人、見えているか 歴史社会学者・小熊英二
2016年5月26日 朝日新聞デジタル

 19世紀英国の首相ディズレーリは、英国は「二つの国民」に分断されていると形容した。私見では、現代日本も「二つの国民」に分断されている。

 そのうち「第一の国民」は、企業・官庁・労組・町内会・婦人会・業界団体などの「正社員」「正会員」とその家族である。「第二の国民」は、それらの組織に所属していない「ログイン前の続き非正規」の人々だ。

 この分断の顕在化は比較的最近のことである。私が国立国会図書館のデータベース検索で調べたところ、雇用関連の雑誌記事の題名に「非正規」という言葉が使われたのは1987年が初出だ。そしてそれは2000年代に急増する。

 それ以前も「パート」「日雇い」「出稼ぎ」などはいた。だが、それらを総称する言葉はなかった。「パート」や「出稼ぎ」でも「正社員の妻」や「自治会員」である人も多かった。単に臨時雇用というだけでない「どこにも所属していない人々」が増えたとき、「非正規」という総称が登場したともいえる。

    *

 彼らは所得が低いのみならず、「所属する組織」を名乗ることができない。そうした人間にこの社会は冷たい。関係を作るのに苦労し、結婚も容易でない。

 「週刊東洋経済」の特集「生涯未婚」は、「結婚相談所なんて正社員のためのビジネスだとわかりました」という34歳男性の言葉を紹介している〈1〉。女性の7割は年収400万円以上の男性を結婚相手に期待するが、未婚男性の7割は年収400万円未満である。その結果、男女とも結婚できない。50歳時点で一度も結婚していない「生涯未婚者」は、2035年には男性で3人に1人、女性で5人に1人になると予測されている。

 これは所得の問題だけではない。昔なら低所得でも、所属する企業・親族・地域の紹介で「縁」が持てた。所属のない人々はそうした「縁」がないのだ。

 こうした「第二の国民」は、どの程度まで増えているのか。統計上の「非正規雇用」は4割だが、藤田孝典は「一般的に想像されるような正社員は実は急減している」という〈2〉。労組もなく、労働条件も悪く、「10年後、20年後の将来を描けない周辺的正社員」が増えている。そして「彼らの増加と未婚率の上昇はほとんど正比例」というのだ。

 低収入で家族もいない人が増加すれば、人口減少だけでなく、社会全体の不安定化に直結する。1月に犠牲者15人を出したスキーバス事故の背景に、高齢単身運転手の劣悪な労働・生活状況があったことはテレビでも報道された〈3〉。

    *

 それにもかかわらず、「第二の国民」が抱える困難に対して、報道も政策も十分ではない。その理由は、政界もマスメディアも「第一の国民」に独占され、その内部で自己回転しているからだ。

 日本社会の「正社員」である「第一の国民」は、労組・町内会・業界団体などの回路で政治とつながっていた。彼らは所属する組織を通して政党に声を届け、彼らを保護する政策を実現できた。

 もちろん「第一の国民」の内部にも対立はあった。都市と地方、保守と革新の対立などだ。55年体制時代の政党や組織は、そうした対立を代弁してきた。今も既存の政党は、組織の意向を反映して、そうした伝統的対立を演じている。

 報道もまた、そうした組織の動向を重視する。新聞紙面を見るがいい。記事の大半は政党、官庁、自治体、企業、経済団体、労組といった「組織」の動向だ。一方で「どこにも所属していない人々」の姿は、犯罪や風俗の記事、コラム、官庁の統計数字などにしか現れない。

 政党も報道機関も、「組織人」と「著名人」しか相手にしない。というより、組織のない人々を、どう相手にしたらよいかわからない。私はある記者から、こんな話を聞いたことがある。

 福島原発事故後、万余の人が官邸前を埋めた。米国大統領府前で万余の人が抗議すれば、大ニュースになるはずだ。しかし日本では報道が遅く、扱いも小さかった。その理由について、その大手メディア記者はこう述べた。

 「あの抗議は労組や政党と関係のない所から出てきた。組織がないのに万単位が集まるなんて、何が起きているのか理解できなかった。私たちは組織を取材する訓練は受けてきたが、組織のない人々をどう取材したらいいかわからない」

 30年前ならこの姿勢でもやっていけただろう。だが所属組織のない人々が増えるにつれ、「支持政党なし」も増え、新聞の部数は減る一方だ。「第二の国民」にとって、新聞が重視する政党や組織の対立など「宮廷内左派」と「宮廷内右派」の争いにしか見えないからだ。これは媒体が紙かネットかの問題ではない。

 政策もまた、認識が古いために、的外れになっている。堀内京子は、官邸主導により、少子化対策として「3世代同居」優遇税制が導入された経緯を検証している〈4〉。だが平山洋介によれば、3世代世帯は持ち家率が高く、住宅が広く、収入が多い〈5〉。3世代世帯の出生率が高いとしても、恵まれた層の出生率が高いというだけだ。それを優遇しても、少子化対策として効果はなく、恵まれた層をさらに優遇するだけだという。

 放置された「第二の国民」の声は、どのように政治につながるのか。誰が彼らを代弁するのか。この問題は、日本社会の未来を左右し、政党やメディアの存亡を左右する。これは、この文章を読んでいるあなたにも無縁の話ではない。

    *

〈1〉特集「生涯未婚」(週刊東洋経済5月14日号)

〈2〉藤田孝典・白河桃子 対談「婚活ブームを総括しよう」(同上)

〈3〉番組・NHKスペシャル「そしてバスは暴走した」(4月30日放送)

〈4〉堀内京子「現実無視のイデオロギーが税制歪(ゆが)める 首相指示により『3世代同居』前面へ」(Journalism5月号)

〈5〉平山洋介「『三世代同居促進』の住宅政策をどう読むか」(世界4月号)

    ◇

 おぐま・えいじ 1962年生まれ。慶応大学教授。『単一民族神話の起源』でサントリー学芸賞、『〈民主〉と〈愛国〉』で大佛次郎論壇賞・毎日出版文化賞、『社会を変えるには』で新書大賞、『生きて帰ってきた男』で小林秀雄賞を受賞。

2016年5月27日金曜日

[その他] 10日と25日はお菓子の日 gra・gr(グラグール)



1日遅れました。会社近くに4月15日に開店したシフォン・ケーキの専門店。

ロールケーキもあり、イートインもあります。


<お店>
広島市中区三川町4-8
gra・gr(グラグール)


<商品>
シフォンケーキ 280円
ロールケーキ 1000円


2016年5月15日日曜日

[惹句どんどん] 原田知世(女優・歌手)



音楽って、
人生という本に挟んだいおりみたいなもので、
その曲を聞くと
当時のいろんな人や場所が浮かんでくる。


5月19日号『週刊文春』記事「原色美女図鑑」に原田知世さんが登場。原田さんは1967年生まれ。長崎県出身。

少女時代の思い出をコンセプトにしたカヴァー・アルバム『恋愛小説2~若葉のころ』を5月にリーリースされました。山口百恵の選曲が『夢前案内人』というのが渋いですね。

原田知世「恋愛小説2~若葉のころ」収録内容(カッコ内はオリジナルアーティスト)

01. September(竹内まりや)
02. やさしさに包まれたなら(荒井由実)
03. 秘密の花園(松田聖子)
04. 木綿のハンカチーフ(太田裕美)
05. キャンディ(原田真二)
06. 年下の男の子(キャンディーズ)
07. 異邦人(久保田早紀)
08. 夏に恋する女たち(大貫妙子)
09. 夢先案内人(山口百恵)
10. SWEET MEMORIES(松田聖子)

2016年5月12日木曜日

[新聞記事] 皆実28期の寺本さんの投稿が中国新聞に掲載



毎年連休中に大山登山に行かれるそうです。今年は暴風雨に見舞われ自然の驚異と生命の大切さを改めて学んだという投稿です。

たしか寺本さんは高校時代山岳部に所属されてました。高校時代からの趣味を継続されているのには感服します。

5月11日付中国新聞。

2016年5月11日水曜日

[その他] 10日と25日はお菓子の日 さくらや



5月10日(火曜日)は東広島で仕事だったので、西条駅前にある創業天正元年という老舗「さくらや」でかしわ餅、ちまき、を購入しました。

かしわもち 648円(内税)
ちまき 1200円(内税)


でした。

ちまきは孫のT君用です。


2016年5月8日日曜日

<日々是不穏 like a rolling stone> 呉市が戦艦大和への潜水調査



5月8日付け朝日新聞記事。

呉市が行政機関としては初めて沈没した戦艦大和の潜水調査を実施するという記事。

大和を建造した工業力が戦後平和利用され、高度成長の下地となったという文脈では理解できますが、わざわざ公費を使って調査する必要があるのでしょうか。

呉市議会はこの予算をよく通したなという印象です。約8千万円(国からの交付金6400万円)だそうです。

第二次世界大戦の特定の兵器、大和のゼロ戦への日本人のメンタリティーは理解できないもがあります。

スピットファイヤーやメッサ―シュミットの開発がアニメになるとかいう話は聞いたことがないので、日本だけの現象でしょう。



[その他] 広島掃除に学ぶ会 東広島市立・志和中学校




5月8日(日)は広島掃除に学ぶ会の活動で、東広島市の志和中学のトイレ掃除に参加しました。この学校は28期の倉田君が教頭をやってます。本日の会も精力的に動かれてました。

掃除に学ぶ会関係者50人、学校関係者70人、合計120人が参加されました。

写真は開会式の様子と、トイレ掃除をする生徒さんたちです。

志和中学は生徒、教員、保護者、地域の大人と、学校を取り巻くすべての人が参加されていて、有意義な活動だと思いました。

もともとトイレは綺麗でしたが、ますます綺麗になりました。


2016年5月5日木曜日

[惹句どんどん] カトリック教会のカノン法


合法的ではないけれども妥当


69回目の憲法記念日を迎え、朝日新聞記事より。

 ――それが民主主義でしょう。

 「いや、私はそうは思わない。手続き的に正統でも、事実的に正統とは言えないことはあります。人権の問題はその典型で、多数決では決められません」

 「カトリック教会には『カノン法』という近代法の淵源(えんげん)になった長い法伝統があって、知恵のある言葉がいっぱい詰まっています。そのひとつが『イリキタ セッド ヴァリダ』。ラテン語で『合法的ではないけれども妥当』といった意味です。いまの憲法には内容的な正統性がある。手続き的な正統性でそれをひっくり返しても、権威は備わりません。手続き上はたとえ合法だとしても、です」



=================================================================================


(憲法を考える)1947年の祈り 国際基督教大学学務副学長・森本あんりさん
(朝日新聞デジタル、2016年5月5日05時00分)

写真・図版
「普遍的な原理より『我が国固有の伝統』に配慮しようとする今の改憲。それで信頼が得られるか」=仙波理撮影

 69回目の憲法記念日を迎えた今年。政治家は、いつに増して大きな声で改憲を語る。戦争に敗れた1947年の日本人が、新憲法に託した未来は2016年の今、ここにないのか。憲法、アメリカ、そして改憲。神学者、キリスト者は今、何を語るのか。森本あんり国際基督教大学学務副学長に聞いた。

 ――先生の専門は神ログイン前の続き学ですね。キリスト者、神学者として憲法を巡る現状をどう考えていますか。

 「憲法が制定された当時、1947年の日本では、キリスト教徒も仏教徒も無神論者も、みんなが祈っていました。何百万もの人が死んだのです。屍(しかばね)を前にして、できたのは、祈ることくらいだったろうと思います。広島、長崎に行って慰霊碑の前に立てば、信仰や宗派にかかわらず、だれもが頭(こうべ)を垂れる。それと同じ気持ちが、この憲法に込められていると思います」

 「元最高裁判事の那須弘平氏は、日本国憲法を『祈りの書』と呼びました。『懺悔(ざんげ)と謝罪の書』とも言っています。憲法を読むと、『決意し』『念願し』『信ずる』『誓う』と、ふつうの法律文書にはない言葉が出てきます。『永久』『恒久』という言葉もありますが、それは明らかにこの世の政府や法律が保障できる範囲を越えています。言葉づかいからして『祈りの書』なのです」

     *

 ――その憲法も来年の5月3日で施行70年になります。戦争の記憶も薄れる一方です。

 「日本で、憲法は非常に大事にされてきました。いろいろと文句をつけられ、『改定したい』という人もいる。でも、改憲がどんなに大きなステップかをみんな分かっている。つまり、約70年の戦後を憲法とともに過ごしてきて、身についているのです。私はそれが一番貴重だと思います」

 ――しかし、改憲派は、憲法が敗戦後、占領下で制定されたことを問題視しています。

 「憲法が尊重されるには、制定者の権威が必要です。憲法制定当時の権威とは何か。率直に言うと、米国中心の連合国軍総司令部(GHQ)です。でも、日本人はその権威を受け入れました。それは、米国が自国の利益だけでなく、より普遍主義的な理念、つまり全世界の正義、自由、民主主義を掲げていたからです。だから権威があったのです」

 「憲法と米国の理想と言えば、『人民の人民による人民のための政治』というリンカーン米大統領の『ゲティズバーグ演説』が思い浮かびます。あの演説、どこでなされたかご存じですか」

 ――どこでしょう。

 「南北戦争の戦没者が眠る墓地の前です。米国の戦争で、60万人という最大の死者を出したのが南北戦争です。その戦場だったゲティズバーグを国有墓地にする献納式で、リンカーンは戦没者に新しい民主主義を誓ったのです。実は、この演説の要素は日本の憲法にも入っています。前文の『その権威は国民に由来し』は『人民の』、『その権力は国民の代表者がこれを行使し』は『人民による』、『その福利は国民がこれを享受する』は『人民のための』です。戦争の惨禍を経験し、戦没者に対して新しい民主主義を誓う、という点は日本国憲法とゲティズバーグ演説に共通しています」

 ――米国でも議会などで「unconstitutional」(違憲)という言葉が飛び交う、と聞きます。「違憲」が重い意味を持つ国なのですね。

 「米国の憲法は国内でも尊重されていますが、日本を含む多くの国に影響を与えました。でも大切なのは、米国で憲法ができる以前です。独立までの150年間、いわゆる植民地時代の人々は、自分たちで基本法をつくり、それに合わせて自治社会を建設していました。だから最初の13州は、独立と同時にそれぞれが州の憲法を制定したのです。英語で憲法を意味する『constitution』には『構成』とか『組み立て』といった意味もある。それで自分たちの社会を組み立てていくという経験をずっと積み重ねてきた。そういう『身体感覚』があったから憲法が尊重されているのです」

 「ただ、そんな国はあまり多くありません。憲法はイラクやアフガニスタンにもあります。でも、多くの国では洟(はな)もひっかけられません。フランスの憲法は、最初の100年間に十数回も書き換えられました。憲法ができる直前まで、『朕(ちん)は法なり』で王様が法律だった国ですから、革命と同時に憲法をつくっても身体感覚が伴わなかったんだと思います」

     *

 ――日本で、憲法を変えようという声が、いまこの時代に大きくなったのはなぜでしょう。

 「終戦直後に人々の目前にあった屍のリアリティーがなくなったからじゃないでしょうか。改憲を唱える安倍晋三首相は戦後生まれです。何百万人という犠牲を前にして世界に誓ったリアリティーを感じられなくなった世代が、政治の中枢にいるという状況です」

 「実は、日本に限らず、保守のど真ん中を担っていく王道が、憎たらしいけれどデンとしっかり構えている、という時代ではなくなった、と感じています。米国も今の大統領選をご覧の通りです。民主党では型破りな社会主義者サンダース氏(上院議員)が人気を集め、共和党もトランプ氏のようなとんでもない人が指名獲得を確実にしている。党の主流を担う人がいない。私の言葉で言うと『正統』(オーソドクシー)が陰っているんです」

 「本来なら、まず正統があって、その正統に対するアンチテーゼとして『異端』があるものです。なのに、正統がみな腰砕けだから、あちこち異端だらけになってしまった。群雄割拠で『異端』とすら言えないほどでしょう。そういう状態が、日本でも米国でも起こっています」

 ――何が「正統」か、だれが決めるんですか。

 「だれも決めません。『正統』は、本来的にはみんなが当然の前提としているもので、ふだんは意識されません。だけどあるとき、自分たちが信じてきたものは何か、依拠してきたものは何かと考える時代が来る。で、いったんそうなると、『正統』はかつてのような信頼感を失ってしまう。『それでもやっぱり俺は正統なんだ』って言い募る者が出てきて、当然の前提であるはずの『正統』を、議論で証明せざるを得なくなる。それがいまの憲法を巡る議論の根本にあると思います」

 「憲法を巡っては、これまでも9条の問題などいろいろありましたが、憲法が大切だという認識そのものはだれも疑ってこなかった。いまも権威はありますが、改憲の動きが強まり、『これがやっぱり正統なんだ』と、一生懸命に言わなきゃいけなくなっています」

     *

 ――東アジア情勢が不安定で、テロの脅威もある。世界経済の先行きも読めない。もはや70年前の理想主義では立ちゆかない、という意見もあります。

 「米国の独立宣言にも『ALL MEN ARE CREATED EQUAL』(すべての人は平等につくられた)とありますが、独立宣言を起草したトマス・ジェファーソンは奴隷所有者で、奴隷の女性に子どもまで産ませています。言っていることとやっていることが全然違うんです。でも、彼が残した『平等』という言葉があったから、100年後の奴隷制度廃止が実現し、女性の権利も認められてきた。そして公民権運動も進んだのです」

 ――理想は分かりますが、現実に対応するのが政治です。

 「理想は、絵に描いた餅じゃありません。すぐには実現しませんし、現実と違うって非難もされる。だけど、やがてそれが歴史を動かす力にもなる。だから、いま現実がこうだから、どこかへすっ飛ばしてしまえばいいじゃないか、というふうには私には思えない。理想を掲げておく理由は、あると思います」

 ――でも改憲に意欲的な安倍政権は一定の支持をされています。

 「選挙の際の公約はパッケージとして示されるので、個別にどの政策が支持されているかは分かりません。近現代の政治は手続き的な正統性にすごく偏っています。選挙で数さえ集まれば、何でもやれる。デュープロセス(法による適正手続き)を踏んで票数だけ集めれば、手続き的には正統だ、という主張です」

 ――それが民主主義でしょう。

 「いや、私はそうは思わない。手続き的に正統でも、事実的に正統とは言えないことはあります。人権の問題はその典型で、多数決では決められません」

 「カトリック教会には『カノン法』という近代法の淵源(えんげん)になった長い法伝統があって、知恵のある言葉がいっぱい詰まっています。そのひとつが『イリキタ セッド ヴァリダ』。ラテン語で『合法的ではないけれども妥当』といった意味です。いまの憲法には内容的な正統性がある。手続き的な正統性でそれをひっくり返しても、権威は備わりません。手続き上はたとえ合法だとしても、です」

 (聞き手・望月洋嗣)

     *

 もりもとあんり 1956年生まれ。専門は組織神学。米プリンストン神学大学で客員教授を務めた。著書に「反知性主義 アメリカが生んだ『熱病』の正体」。

2016年5月1日日曜日

[新聞記事] "It's Time to Rethink the Bucket-List Retirement"



5月1日付け朝日新聞別冊Globe連載記事「見出しを読み解く」は「退職後のやりたいことリストは見直すべき」という興味深いテーマ。

"bucket-list"は映画にもなった「死ぬまでにやりたいことリスト」のこと。記事によると人は年齢を重ねるにつれ自然と幸せになれるのことが多いので、無理に自分自身を幸福にするために旅行をする必要はないとのことです。


[惹句どんどん] フランク・ノリス(アメリカの作家)




『偉大なるアメリカ小説』は
ドード鳥のように絶滅したわけではないが、
グリフィンの頭と馬の体に翼をもつ
怪獣ヒッポグリフのように神話的な存在である。


フランク・ノリス『作家の責任』



『素晴らしいアメリカ野球』(フィリップ・ロス、新潮文庫、2016)より