2021年10月4日月曜日

[積読立読斜読] 『文人たちの句境―漱石・龍之介から万太郎まで』(関森勝夫著、中公新書、1991年) Ⅴ 存問(2)

 



長々とスローリーディングしておりました中公新書『文人たちの句境』、
本日で読了です。

取り上げられた文人の作品を鑑賞していれば、また俳句の理解も深まったのかも知れませんが、なにぶんにもほとんど作品を読んでいない作家ばかりでした。

俳句だけだと、やはり印象に残るのは久保田万太郎と夏目漱石の二人でした。


莫児比涅(モルヒネ)の量増せ月の今宵也 尾崎紅葉

礼状は書きぬ虫喰ひの栗ながら 佐藤紅緑

仏性は白き桔梗にこそあらめ 夏目漱石

死なば秋露のひぬ間ぞ面白き 尾崎紅葉

落葉かきてらくやきがまに芋やかむ 會津八一

凩や目刺しに残る海のいろ 芥川龍之介

粥啜るよみぢの寒さおもひつゝ 久保田万太郎

我死なば紙衣(かみこ)を誰に譲るべき 夏目漱石