11 秋近き底ぬけぶりとなりにけり
12 とりとめしいのちつゆけきおもひかな
13 灰ふかく立てし火箸の夜長かな
14 上州磯部にて
温泉(ゆ)の町の磧(かはら)に盡くる夜寒かな
15 夜學子(やがくし)や鏡花(きやうくわ)小史(せうし)をよみおぼえ
16 奉公にゆく誰彼や海?(ばい)廻し
17 海?(ばい)の子の廓ともりてわかれけり
18 ぬれそめてあかるき屋根や夕時雨
鎌倉香風園
19 短日やすでに灯りし園の中
20 鮫洲川崎屋にて
まのあたりみちくる汐の寒さかな
つゆけき:露けき=露に濡れてしめっぽい
盡くる:ことごとく、全部
鏡花小史:?
短日:日照時間の短い冬の日、冬の季語
バイ廻し:?名? 貝独楽(ばいごま)をござや厚い布などの上でまわし、はじき出した方を勝ちとする子どもの遊び。貝徳(ばいとく)。《季・秋》 〔俳諧・毛吹草(1638)〕『日本語大辞典』より

