2021年10月5日火曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫)(2)

 




11 秋近き底ぬけぶりとなりにけり


12 とりとめしいのちつゆけきおもひかな


13 灰ふかく立てし火箸の夜長かな


14 上州磯部にて

温泉(ゆ)の町の磧(かはら)に盡くる夜寒かな


15 夜學子(やがくし)や鏡花(きやうくわ)小史(せうし)をよみおぼえ


16 奉公にゆく誰彼や海?(ばい)廻し


17 海?(ばい)の子の廓ともりてわかれけり


18 ぬれそめてあかるき屋根や夕時雨


鎌倉香風園

19 短日やすでに灯りし園の中


20 鮫洲川崎屋にて

まのあたりみちくる汐の寒さかな




つゆけき:露けき=露に濡れてしめっぽい


盡くる:ことごとく、全部



鏡花小史:?


短日:日照時間の短い冬の日、冬の季語




バイ廻し:?名? 貝独楽(ばいごま)をござや厚い布などの上でまわし、はじき出した方を勝ちとする子どもの遊び。貝徳(ばいとく)。《季・秋》 〔俳諧・毛吹草(1638)〕『日本語大辞典』より