2021年10月31日日曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(14)

 岩波文庫版万太郎句集。十句づつ紹介してます。

全部で902句あるのでしばらくお付き合いを。


当方の気に入った本日の句「はんだいの箍(たが)こそみがけ年の暮」は年末に聞きたい落語「芝浜」を想像させます。





はんだいの箍こそみがけ年の暮


草の丈
芝のころ(その一)(昭和九年六月―十七年)Ⅱ


133 三の酉つぶるゝ雨となりにけり


134 短日やうすく日あたる一トところ


135 枯菊を焚きたる灰のあがりけり


病む(二句)

136 枯野はも縁の下までつゞきをり


137 向きかへてふたゝび眠る屏風かな


138 はんだいの箍こそみがけ年の暮


139 ゆく年のひかりそめたる星仰ぐ


140 元日のきびしき凍テとなりにけり



つぶるる:潰る、こわれる(≒中止になる)


三の酉:11月の3番目の酉の日の市

万太郎の小説に「三の酉」がある。