時にはちょっと硬い本を。ちくま新書から「産業革命」を軸に世界の政治経済秩序を見通すというコンパクトな経済歴史書が出てましたので読んでみます。例によってスローリーディング。本日は「第1章イノベーションと産業革命」を読みました。
著者は中国出身の国際経済学者。帝京大学教授。類書にない中国経済に関する考察に詳しいものがあるようです。
以下、本書の紹介ではなくて、単なる自分のメモです。他の人が読んでもわかりません。悪しからず。
[読書メモ]
本書の目的
国際政治経済の動きを産業革命史の視点から捉え、それを動かしてきたイノベーションを観察し明らかにする。
3つの観点
(1)産業革命の形成、世代ごとの関連性・共通性・特徴
(2)産業革命の構造・技術形成
(3)産業革命の政治経済秩序への影響
18世紀後半から19世紀末
イギリス(パックス・ブリタニカ)の時代
20世紀
アメリカ(パックス・アメリカーナ)の時代
20世紀中葉
西ドイツ・日本の勃興、アメリカのパワーの低下
1990年代以降
アジア・中国の新興国の台頭、グローバリゼーション加速
21世紀
米中を軸に新興国が併存する多極構造
イノベーション:物事の「新結合」・「新機軸」・「新しい創出」、新しい技術の発明・誕生のみならず、新しいアイデアから意義のある新たな価値を作り出し、社会的に生産方式・ライフスタイルなどの大きな変化をもたらす人・組織・社会の幅広い変革を意味する
パラダイム:支配的・主導的な見方・考え方・認識の枠組み、を意味する
トーマス・クーンの指摘した「パラダイム転換」の概念はイノベーション・産業革命に必要不可欠な鍵である
<著者プロフィール>amazonより
郭四志(かく・しし)
1958年、中国・大連生まれ。大連外国語学院(大学)日本語学部卒。吉林大学大学院国際経済研究科修士課程修了。法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了(経済学博士)、東京大学社会科学研究所外国人研究員・日本エネルギー経済研究所研究主幹などを経て、2012年に帝京大学経済学部教授、現在に至る。専門は国際経済、中国経済、エネルギー経済。著書『中国エネルギー事情』(岩波新書、2011年)、『中国原発大国への道』(岩波ブックレット、2012年)、『米中摩擦下の中国経済と日中連携』(編著、同友館、2019年)など。
<本書の内容>amazonより
産業革命を四段階に分け、現在のAI、IoTによる第四次産業革命に至るまでの各国のイノベーションの変転をたどり、覇権の変遷を俯瞰する新しい世界経済史。
イノベーションこそが世界秩序形成の原動力である。技術革新が起きる現象を広く産業革命と捉えて、第一次産業革命(一七六〇~一八三〇年代、軽工業)、第二次産業革命(一九世紀後半~二〇世紀初頭、重工業)、第三次産業革命(二〇世紀後半、IT・情報)、第四次産業革命(二〇一〇年代以降、IoT・AI)の四段階に分け、世界経済の変遷をたどりなおす。経済体系の変遷や社会経済発展・分業との関係など多様な論点を交え、持続的な世界経済の運動として産業革命を大局的に描き出す。



