2021年10月20日水曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(8)

 



春麻布永坂布屋(ぬのや)太兵衛かな


春の夜のすこしもつれし話かな


さる方にさる人すめるおぼろかな




芝のころ(その一)(昭和九年六月 ― 十七年)


71 春麻布永坂布屋(ぬのや)太兵衛かな


実在するソバ屋の店名。

「布屋太兵衛」というソバ屋にに使わない名前をそのまま俳句にしたもよう。




72 冬にまたもどりし風よ白魚(しらを)鍋


73 春の夜のすこしもつれし話かな


74 さる方にさる人すめるおぼろかな


75 花の山ゆめみてふかきねぶりかな


76 花人のおかる勘平をどるかな


77 花人のしやッくりとまりかねしかな


78 夕蛙(ゆうかわず)かんざしできて来りけり


79 菖蒲見の風いと強き日なりにけり


80 大淀とありてあやめの濃紫



あやめの大淀