春麻布永坂布屋(ぬのや)太兵衛かな
春の夜のすこしもつれし話かな
さる方にさる人すめるおぼろかな
芝のころ(その一)(昭和九年六月 ― 十七年)
71 春麻布永坂布屋(ぬのや)太兵衛かな
実在するソバ屋の店名。
「布屋太兵衛」というソバ屋にに使わない名前をそのまま俳句にしたもよう。
72 冬にまたもどりし風よ白魚(しらを)鍋
73 春の夜のすこしもつれし話かな
74 さる方にさる人すめるおぼろかな
75 花の山ゆめみてふかきねぶりかな
76 花人のおかる勘平をどるかな
77 花人のしやッくりとまりかねしかな
78 夕蛙(ゆうかわず)かんざしできて来りけり
79 菖蒲見の風いと強き日なりにけり
80 大淀とありてあやめの濃紫
あやめの大淀


