岩波文庫版、恩田友侑布子編の『久保田万太郎俳句集』から、概ね十句づつの紹介です。
岩波文庫版では902句選ばれていますので、先が長いです。本日の印象に残った句は「妻、熱海に病む」の前書きあり。
芒(すすき)の穂海の濃青(こあを)を含みけり
戒名をことづかりたる夜寒かな
芝のころ(その一)(昭和九年六月―十七年)
81 青梅をふるさとびとよ打落し
82 すでにつんでゐる将棋なり雲の峰
83 おもひでの町のだんだら日除かな
84 生さぬ仲の親子涼みてゐたりけり
85 水中花咲かせしまひし淋しさよ
86 ながあめのあがりし燈籠流しかな
87 芒(すすき)の穂海の濃青(こあを)を含みけり
88 草の花ひたすら咲いてみせにけり
89 みえてゐて瀧のきこえず秋の暮
90 戒名をことづかりたる夜寒かな
