2021年10月21日木曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(9)

岩波文庫版、恩田友侑布子編の『久保田万太郎俳句集』から、概ね十句づつの紹介です。

岩波文庫版では902句選ばれていますので、先が長いです。本日の印象に残った句は「妻、熱海に病む」の前書きあり。




芒(すすき)の穂海の濃青(こあを)を含みけり


戒名をことづかりたる夜寒かな



 芝のころ(その一)(昭和九年六月―十七年)


81 青梅をふるさとびとよ打落し


82 すでにつんでゐる将棋なり雲の峰


83 おもひでの町のだんだら日除かな


84 生さぬ仲の親子涼みてゐたりけり


85 水中花咲かせしまひし淋しさよ


86 ながあめのあがりし燈籠流しかな


87 芒(すすき)の穂海の濃青(こあを)を含みけり


88 草の花ひたすら咲いてみせにけり


89 みえてゐて瀧のきこえず秋の暮


90 戒名をことづかりたる夜寒かな