2021年10月14日木曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(5)


草の丈 日暮里のころ(大正十二年十一月ー昭和九年)Ⅱ


41 いたづらに大沓脱(おおくつぬぎ)や秋の暮れ


42 木がくれになりし遠さや盆の月


43 かまくらをいまうちこむや秋の蝉


44 新涼の身にそふ灯影(ほかげ)ありにけり


45 朝顔にまつりの注連(しめ)の残りけり


46 糠雨のいつまでふるや秋の蝉


47 鶏頭に秋の日のいろきまりけり


48 寒の雨芝生のなかにたまりけり


49 青ぞらのいつみえそめし梅見かな




いたづらに:徒に、意味もなく


大沓脱:踏み石




木隠れ(こがくれ):[枕]木の茂みの暗い意


かまくらを:鎌打ちの神事か?



みえそむ:見初、見え始める、見えだす