2020年1月17日金曜日

[積読立読斜読] 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』より 津島佑子



津島佑子(1947-2016)の「焔」(1979)を読みました。

言わずと知れた太宰治の次女にあたる方です。

自身シングルマザーで本編も離婚協議中の男と、保育園に通っている娘との日常を描いています。

編者のジャンルでは「男と女」に収められていますが、男女関係よりは「母と子の情実」がテーマのような感じです。ちょっと夢想的な感覚もあり。不思議な読後感でした。

P115
人の死が連続して、私になにを告げようとしていたのか、ようやく分かったような気がした。熱と力の光。私の体にも、熱と力は備わっているのだった。ゆうべ、死を予想もせずに、赤く輝く空に見入っていた自分を思い起さずにいられなかった。




<津島佑子 プロフィール>(新潮社のサイトより)

(1947-2016)1947(昭和22)年、東京生れ。作家・太宰治の次女。白百合女子大学英文科卒。在学中より「文芸首都」「三田文学」に参加。『寵児』(1978年女流文学賞)、『光の領分』(1979年野間文芸新人賞)、『黙市』(1983年川端康成文学賞)、『夜の光に追われて』(1987年読売文学賞)など受賞作多数。1991年10月から翌年6月までパリ大学東洋語学校で日本文学を講義する。『謝肉祭』『大いなる夢よ、光よ』『かがやく水の時代』など多くの作品がある。