2020年1月4日土曜日

[積読立読斜読] 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』(ジェイ・ルービン選、村上春樹序文、2019年新潮社)より 河野多恵子



長々とスローリーディング中。半分ぐらい読了。

本日は、河野多恵子の「箱の中」(1975)を読了。

マンションと思しき集合住宅のエレベーターの中での女同士の邂逅をミステリアスな筆致で描いたショートショート。河野さんは40年以上マンションにお住みだそうで、いつもの風景を作家的想像力で膨らませたようです(一般人の当方でも思いつきそうな感じではあります)。

まだ集合住宅が珍しかった時代の残滓かも。

エレベーターの「閉」ボタンを頻繁に押すのは、どうも日本人だけの習慣のようで、この短編の一つのギミックになっている「閉ボタンを押す」という行為が選者のアメリカ人には珍しかったのかも知れません。


<河野多恵子 プロフィール>

河野多惠子 コウノ・タエコ
(1926-2015)1926(大正15)年、大阪生れ。大阪府女専(大阪女子大学)卒。〔文学者〕同人になり、1952(昭和27)年、上京。1961年「幼児狩り」で新潮社同人雑誌賞、1963年「蟹」で芥川賞を受賞。著書に、『不意の声』『谷崎文学と肯定の欲望』(共に読売文学賞)、『みいら採り猟奇譚』(野間文芸賞)、『後日の話』(毎日芸術賞、伊藤整賞)、『秘事』『河野多惠子全集』など。日本芸術院会員。文化功労者。

新潮社のサイトより