[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(38)
流寓抄 その三
354 松風の夏めく庵を追はれけり
355 芍薬の一ト夜のつぼみほぐれけり
356 土用波はるかに高しみえて来て
357 水は水洲は洲の夏の果てつるかな
358 河童忌や河童のかづく秋の草
359 月の雨ふるだけふると降りにけり
360 滑川海よりつづく無月かな
361 汁(つゆ)の味あだ鹽辛(じよつから)し一葉(ひとは)落つ