2021年12月2日木曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(25)




一人息子の耕一が兵隊に招集された「耕一應招」との前書きがある句。

時代背景の解説はないのですが戦時下の世相を反映しています。


親一人子一人螢光りけり

 

草の丈

芝のころ(その二)(昭和十七年三月―二十年十月)Ⅲ

244 月かげをやどさぬ蚊帳となりにけり


245 ぬけうらを抜けうらをゆく日傘かな


246 親一人子一人螢光りけり


247 草市の買ひものつゝみあまりけり


248 秋扇たしかに帯にもどしけり


249 あさがほやはやくもひゞく哨戒機


250 ゆめにみし人のおとろへ芙蓉咲く


251 露の道また二タまたにわかれけり


252 つゝぬけにきこゆる聲や月の下


253 西鶴忌うき世の月のひかりかな