昭和19年から昭和20年にかけての句。
戦局が悪化した世相ですが「銀供出令出づ」の前置きのある句は
まだ諧謔があるような感じです。
かんざしの目方はかるや年の暮
風呂敷の結びめかたき夜寒かな
寒いと風呂敷の結び目も固く感じる夜寒の雰囲気が秀逸。
草の丈
芝のころ(その二)(昭和十七年三月―二十年十月)Ⅲ
254 鬼灯(ほゝづき)や野山をわかつかくれざと
255 朝寒やはるかに崖の下の波
256 風呂敷の結びめかたき夜寒かな
257 秋の雨こゝろもそらにふりにけり
258 國をあげてたゝかふ冬に入りにけり
259 柊の花や空襲警報下
260 しみじみと日のさしぬける冬菜かな
261 かんざしの目方はかるや年の暮
262 鬼の來ぬ間の羽子の音きこえけり
263 金色の一トすぢはしる破魔矢かな
