2021年12月4日土曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(26)



昭和19年から昭和20年にかけての句。

戦局が悪化した世相ですが「銀供出令出づ」の前置きのある句は

まだ諧謔があるような感じです。


かんざしの目方はかるや年の暮


風呂敷の結びめかたき夜寒かな


寒いと風呂敷の結び目も固く感じる夜寒の雰囲気が秀逸。


草の丈

芝のころ(その二)(昭和十七年三月―二十年十月)Ⅲ


254 鬼灯(ほゝづき)や野山をわかつかくれざと


255 朝寒やはるかに崖の下の波


256 風呂敷の結びめかたき夜寒かな


257 秋の雨こゝろもそらにふりにけり


258 國をあげてたゝかふ冬に入りにけり


259 柊の花や空襲警報下


260 しみじみと日のさしぬける冬菜かな


261 かんざしの目方はかるや年の暮


262 鬼の來ぬ間の羽子の音きこえけり


263 金色の一トすぢはしる破魔矢かな