アートから生まれた17の短編小説集『短編回廊』、スローリーディング中です。本書は第二弾で、前回はすべてアメリカを代表する画家エドワード・ホッパーの作品だけでしたが、今回は作者が自分で選んだアートに対して小説を編みました。
本日は「美しい日々」(ジョイス・キャロル・オーツ)を読みました。
小説の元になった絵は、バルテュスの『美しい日々』(Les Beaux Jours)。美術には素人でもこの絵のもつ、如何わしさ紙一重の美しさに茫然としそうです。
少女の一人語りで始まりますが、途中から現実と想像の境界があやふやになり、語り手の少女が、実際の絵のモデルが語っているような幻想を抱かせる、ゆらぎを感じさせる小説になっています。
バルテュス他にも少女が大きく足を開いて、性的な欲求を感じさせる作品を描いていており、所蔵するメトロポリタン美術館に対して撤去運動も起こったそうです。(撤去はされていないようです)。
<バルテュスについて>
バルテュス(Balthus, 1908年2月29日 - 2001年2月18日)は、フランスの画家。本名はバルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ (Balthasar Michel Klossowski de Rola)。ピカソに「二十世紀最後の巨匠」と称えられた。婦人は日本人の出田節子。
<作品概要>
概要
作者 バルテュス
制作年 1944-1946年
メディア 油彩
サイズ 148 cm × 199 cm
所蔵者 ワシントン、ハーシュホーン博物館と彫刻の庭
<作品解説>
《美しい日々》は、1944年から1946年にかけてバルテュスによって制作された油彩作品。148cm ×199cm。ワシントン、ハーシュホーン博物館と彫刻の庭が所蔵している。
手鏡を見ている少女のモデルは、第二次世界大戦中バルテュスが一時期住んでいたスイスのフリブール郊外にいたオディル・ビュニョンである。少女は右胸を半分のぞかせ、左膝を立てて、右脚を伸ばし股を開き、手鏡を見ている。少女の左側から光が入り、光がさしこむテーブルに置かれた洗面器は、西洋美術においては伝統的に「純潔」を象徴するといわれる。
暖炉の前では、赤色のセーラーを着た後ろ向きの男が薪をくべており、彼の傍らにはプリミティブな彫刻が置かれている。少女は窓からさしこむ光と暖炉の火の光の両方に照らされている。
赤色の服を着た男はバルテュス自身とされている。少女は薪をくべる男に無関心に見えるものの、そのポーズは挑発的である。
手鏡と少女シリーズ
手鏡を見る少女というモチーフが初めて登場したのが本作である。この手鏡シリーズはその後も《トルコ風の部屋》などさまざまな作品で反映されている。鏡は伝統的に「虚栄」の象徴とされるが、バルテュスは鏡を「虚栄」の象徴と解釈することを否定している。
https://www.artpedia.asia/les-beaux-jours/
<作者について>
ジョイス・キャロル・オーツ
Joyce Carol Oates
現代アメリカを代表する女性作家。数多くの長編小説と短編集を出版している。アメリカ芸術文学アカデミーの会員であり、ブラム・ストーカー賞、全米図書賞、O・ヘンリー賞、全米人文科学勲章などを受賞している。『短編画廊』に収録した短編『午前11時に会いましょう』は2017年のThe Best American Mystery Storiesに選ばれた。
2020年1月16日木曜日
[積読立読斜読] 『短編画廊』(ローレンス・ブロック編、ハーパーコリンズ・ジャパン、2019年)



