2021年8月28日土曜日

[積読立読斜読] 『文人たちの句境―漱石・龍之介から万太郎まで』(関森勝夫著、中公新書、1991年)Ⅱ 温故知新(1)


スローリーディング中の文人俳句集『文人たちの句境』、本日は古典に題材を採った「温故知新」句より。もとの古典を知っていないと俳句の深さがわかりません。勉強になります。


 猿曳(さるひき)の猿に着せたる春衣(はるぎ)哉 幸田露伴


年々歳々花相似たり初芝居

歳々年々人同じからず初芝居 久保田万太郎


乞食(こつじき)の子も許されず絵踏哉 會津八一


帷子をほづてふ山の霞かな 尾崎紅葉


梅に対す和靖(わせい)の髭の白きかな 夏目漱石


鳥一声山静にして椿落つ 尾崎紅葉


炉閉げば狸にかへる茶釜哉 巌谷小波


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帰らなんいざ草の庵は春の風 芥川龍之介


蕪村仏机菫菩薩やかね霞む 會津八一


また楽し友遠方の五月文(さつきふみ) 横光利一