2014年8月3日日曜日

[あの頃のレコード] The Band "The Last Waltz" (1978) 



"The Last Waltz"は事典的な説明ではアメリカのロックバンド"The Band"の13枚目のアルバムで、1976年の同名の解散コンサート、スコセッシによる同名のドッキュメンタリー映画のサウンドトラックという位置づけですが、それだけでは語り切れない魅力があり、自分のロックへの勉強の意味も込めて、何回かに分けて記してみます。

投稿のタイトルが「あの頃のレコード」ですので、話をサウンド・トラックのレコードに絞ります。
レコード自体は広島駅近くの中古レコード店で購入しました。

今回はレコードの収録されているゲストの楽曲について。日本語版のライナーノーツには楽曲についての詳しい解説がなく、
現時点で振り返るとあまり知名度の高くないミュージシャンの曲もあってまずは復習の意味で。

アルバムは1978年のレコード版だと3枚組になります(かなりの重量感)。
このうちSide6はこのラスト・コンサートのライブに合わせて書き下ろされた曲を含むスタジオ録音になってます。

詳細に解説すると長くなるので必要最小限でゲストの曲を説明します。
(※コンサートと映画とレコードとCDの採用曲、曲順が違い、ここらあたりもよく言えば深く、悪く言えば混乱のもと)。
コンサートでの曲順は大きく、ザ・バンドの演奏、ゲストの演奏、ボブ・ディランの演奏、の3パートでした。

カントリー、ケイジャン、ゴスペル、アイリッシュ、ソウル、ロックンロールなど、アメリカ、イギリスのルーツ・ミュージックを自家薬籠中の物としたザ・バンドの音楽の背景がわかるゲストの楽曲ともいえます。

いずれにせよ単なる1グループの解散コンサートを超えて、優にロック・フェスティバルの量のゲスト、さらにゲストの曲でアメリカのロックの歴史が総括できるという唯一無二のアルバムだと思います。


Side One
3.Who Do You Love (Concert Version) [feat. Ronnie Hawkins]The Band
Ronnie Hawkinsはアメリカのロカビリー歌手。バンドはもともと彼のバックバンドをやってました。
曲は黒人のロック歌手、Bo Diddleyの1956年の作品です。かなりのカヴァーがあるようです。

Side One
4.Helpless (Concert Version) [feat. Neil Young]The Band
ニール・ヤング(カナダ出身)の曲。CSN&Yの1970年のアルバム"Deja Vu"から。

Side Tow
1.Coyote (Concert Version) [feat. Joni Mitchell]The Band
アルバム"Heijira"(1976)から、ジョニ・ミッチェルのオリジナル。彼女もカナダ出身です。過去に「あの頃のレコード」で紹介しました。

Side Tow
2.Dry Your Eyes (Concert Version) [feat. Neil Diamond]The Band
ニール・ダイヤモンドの1976年のアルバム"Beautiful Noise"に収められた曲でバンドのメンバーのロビー・ロバートソンとの共作。ロビー・ロバートソンはこのアルバムのプロデューサーでギターでも参加してます。他のバンドのメンバー、バンドのバンド暦にもニール・ダイヤモンドは関係なく、ゲストに呼んだことには賛成しないメンバーもいたようです。曲も他とはちょっと浮いた感じです。

Side Tow
4.Such a Night (Concert Version) [feat. Dr. John]The Band
ニューオールリンズのリズム&ブルースの歌手、ドクター・ジョンの1973年のアルバム"In the Right Place"からドクター・ジョンのオリジナル。このアルバムのプロデューサーはアラン・ツーサン。過去に「あの頃のレコード」で"Dr. John's Gumbo"を紹介しました。軽快なピアノ演奏も魅力です。

Side Three
2.Mystery Train (Concert Version) [feat. Paul Butterfield]The Band
ポール・バターフィールドはシカゴ出身のブルース歌手、ハーモニカ奏者。伝説の「電気ディラン論争」のバックは彼のバンドでした。マディー・ウォーターズの『Mannish Boy』の後ろでハープを吹いています。オリジナルはブルース・シンガーのJunior Parker(1953)です。

Side Three
3.Mannish Boy (Concert Version) [feat. Muddy Water]The Band
Muddy Waterは「シカゴ・ブルースの父」と呼ばれる黒人ブルース歌手。「マニッシュ・ボーイ(Mannish Boy)」1955年に発表した楽曲。

Side Three
4.Further On Up the Road (Concert Version) [feat. Eric Clapton]The Band
オリジナルは1957年にBobby "Blue" Blandが演奏したもの。ブルースにあこがれ、ザ・バンドのメンバーに参加したかったエリック・クラプトンでした。

Side Four
2.Down South In New Orleans (Concert Version) [feat. Bobby Charles]The Band
Jonnie and Jack & The Tennessee Mountain Boysというバンドのカントリー音楽。ボビー・チャールズは1955年にデビューしたルイジアナ州出身のロック歌手。自身のヒットは少なく楽曲の提供が多いそうです。


Side Four
4.Tura Lura Lural (That's An Irish Lullaby) [Concert Version]
 [feat. Van Morrison]The Band
ヴァン・モリソンは北アイルランド出身のロック歌手。"Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (That's an Irish Lullaby)"は古いアイルランドの民謡。1914年にJames Royce Shannonによって作曲されました。
Bing Crosby in 1944's "Going My Way"で有名になりました。

Side Five
1.Caravan (Concert Version) [feat. Van Morrison]The Band
同じくヴァン・モリソンの1970年のアルバム"Moondance"から。ヴァン・モリソンのオリジナルです。

3.Baby Let Me Follow You Down (Concert Version) [feat. Bob Dylan]The Band
ボブ・ディランがデビューアルバム"Bob Dylan"で取り上げた1950年代のブルース。オリジナルはEric Von Schmidtのもの。

4.I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
 [Concert Version] [feat. Bob Dylan]The Band
1964年のディランの4枚目のスタジオ・アルバム"Another Side of Bob Dylan"より。

5.Forever Young (Concert Version) [feat. Bob Dylan] The Band
2つのアレンジ違いがありますが、最初の録音は1974年の"Planet Waves"より。

7.I Shall Be Released (Finale) [Concert Version] [Ensemble]The Band
ボブ・ディラン作詞作曲。バンドのデビューアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)に採用され、バンドの持ち歌として有名。
ゲスト参加者全員での合唱です。ドラムにリンゴ・スター、ギターにロン・ウッドが参加するという信じられないメンバーです。

Side Six
2.The Last Waltz Suite: Evangeline [feat. Emmylou Harris] The Band
ロビー・ロバートソンのカントリー調のオリジナル。エミルー・ハリスはカントリー・ロックのシンガー。同名のアルバムを1981年に発表。

Side Six
4.The Last Waltz Suite: The Weight (feat. The Staples)The Band
ザ・バンドのデビューアルバム"Music from Big Pink"より。The Staple (Singers)はゴスペル・ソウルのグループです。