2020年11月13日金曜日

[積読立読斜読] 『名句の所以(ゆえん)』(小澤實著、毎日新聞出版、2018年)冬の部 (5)

 



そなさんと知つての雪の礫かな(沢田はぎ女)



温暖化・核家族化で、「冬」の俳句への距離がかなり遠いですね。

週休二日制、大型連休もあり、正月休へのありがたみも薄れました。

「冬の部」は今回で終わりです。


呵々大笑入歯はづして年忘(五百木瓢亭)


行年や空地の草に雨が降る(青木月斗)


大年の何に驚く夜啼鶏(佐藤春夫)


大年(おおどし)=大晦日、元日の朝啼く鶏は初鶏として賞するが。。。


あおあおと年越す北のうしほかな(飯田龍太)


つぎつぎに子が着き除夜の家となる(福田甲子雄(きねお))


ろう製のパスタ立ち昇りフォーク宙に凍つ(関悦史)


「ろう」は環境依存文字


潦(にわたずみ)かはかんとして凍てにける(五十崎古郷)


潦(にわたずみ)=みずたまり


そなさんと知つての雪の礫かな(沢田はぎ女)


「そなさん」=そなたさま


雪はげし抱かれて息のつまりしこと(橋本多佳子)


雪・躰・雪・躰・雪 跪く(田中亜美)


みちのくの星入り氷柱われに呉れよ(鷹羽狩行)


いま落ちし氷柱が海に透けてをり(橋本鶏二)


極寒の塵もとゞめず岩ふすま(飯田蛇笏)


羽もなく鰭(ひれ)もなく春待つてをり(藤井あかり)