しづかなるいちにちなりし障子かな(長谷川素逝)
老人のかたちになつて水洟かむ(八田木枯)
魴ぼう(ほうぼう)に紺青(こんじょう)の夢ありにけり(大嶽青児)
魴ぼうという魚は、紺青の色の夢を見ることだなあ
牡蠣啜るするりとと舌を嘗めにくる(坊城俊樹)
重き書は手近に置いて冬籠(佐藤赤緑)
金屏風何んとすばやくたたむこと(飯島晴子)
しづかなるいちにちなりし障子かな(長谷川素逝)
せきをしてもひとり(尾崎放哉)
女人(にょにん)咳きわれ咳つれてゆかりなし(下村槐太(かいた))
咳をして死のかうばしさわが身より(山上樹実雄)
咳が出ると、わたしの病身から死が近付いている気配、死の香ばしさを 嗅ぎ取ってしまう
老人のかたちになつて水洟かむ(八田木枯)
母死ねば今着給へる冬着欲し(永田耕衣)










