2020年2月15日土曜日

[積読立読斜読] 山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学』(光文社新書、2019年) 第4章 イクメンの経済学

ノートを取りながらスローリーディング中です。

ちょっと古い記事です(2020年1月16日)



小泉環境相が育児休暇取得へ、日本の現職閣僚としては初
https://www.bbc.com/japanese/51130625

出産に合わせ2週間の育児休暇を取得されました。国会・閣議など重要公務は休まず、メール・電子会議での対応ということでさえ、かなりの反対意見があり、早く男性の育休が当たり前の社会になってほしいものです。




第4章 イクメンの経済学

この章のテーマ
なぜ、(日本の)お父さんは育児休業を取らないのか。どうすれば取るようになるのか、そしえ、お父さんが育児休業を取ると家族はどう変わるのか。

第1節
育児休業取得率の統計(日本はわずか5%、諸外国の男性と比べて低い)


第2節
男性の育休取得の障害は、仕事のキャリアへの悪影響、上司・同僚への遠慮
現在では高い取得率を持つ北欧諸国もかつては低かった。どのようにして克服したのか

第3節
男性の育休取得で家族にどんな変化が起こるのか

北欧諸国の育休取得推進は、家庭内と社会における男女の役割分担の固定化を避ける目的があった
結果はどうなったのか?


1 日本は制度だけ「育休先進国」

取得は「過去最高」だが、取得率は低い
北欧では7割が取得

日本は諸外国に比べて、育休期間は世界2位

OECD,EU加盟41か国中、日本の育児休業制度(育休の週数×給付金金額)は、男性で1位の評価(ユニセフ報告)


2 育休パパの勇気は「伝染」する

外国の男性も上司・同僚の目が気になる
ノルウェーでは政策もあり段階的に取得があがった(2006年で7割)

育休は「伝染」する(ノルウェーの事例)
1993年の育児休業制度改革の際には率先した男性の同僚・兄弟の取得率が11~15%上昇した
会社の上司が育休を取ったときの部下に与える影響は、同僚同士の影響よりも2.5倍高い

お父さんたちの育休取得を支えるには
現在の給付金では不十分(日本の給与体系では賞与前提で家計を構築している)


3 育休で変わる家族のライフスタイル

4週間の育休所得は男性の所得を2%下げる(数年間影響)
(推測)育休後も子育てや家事により熱心に関わるようになり、仕事に費やすエネルギーが減った結果か?

収入より「家族との時間」を大切にする選択

男性が育休を取得した場合、子どもが16歳になったときの偏差値が1上がった(ノルウェーの事例)

生後1年間の親子のふれあいが、その後の長期にわたる親子関係に大きな影響を及ぼす(心理学の知見もあり)

たった1か月の育休がライフスタイルを変える(カナダ・ケベック州の事例)
育休改革後は、20分ほど子育ての時間が増え、男性の家事時間は1日当たり平均1時間10分~15分延びた


4 では、夫婦の絆は深まるのか

(離婚率が下がるなど)育休改革にともなうお父さんの育休取得が、夫婦関係の安定につながった

心理学、社会学といった分野の研究では、子どもを持つことが、結婚に対する満足度を引き下げたり、離婚率を引き上げたりするのではないかという指摘がある

ただしスウェーデンでは離婚率が上昇した