2020年2月14日金曜日

[積読立読斜読] 『短編画廊』(ローレンス・ブロック編、ハーパーコリンズ・ジャパン、2019年)より ロバート・オレン・バトラー


原題:Soir Blue
日本語タイトル:宵の蒼
作者:Robert Olen Butler
ホッパーの絵:Sir Blue, 1914

エドワード・ホッパーの絵から生まれた短編集。本日はロバート・オレン・バトラーさんの「宵の蒼」を読みました。作者は1945年生まれ。1993年短編集『ふしぎな山からの香り』でピュリッツァー賞フィクション部門受賞。現在はフロリダ州立大学でライティングを教えているそうです。






ホッパーのかなり初期の頃の作品。作者は絵に描かれている人物にそれぞれキャラクターを当てはめて物語を構築しました。柱の陰に隠れている男が画家、立っている女性が画家のモデルで愛人、画家の隣がパトロン、前には出待ちの化粧を落としていないピエロが座っているという状況です。

ホッパーがフランス滞在中にあるホテルのオープン・カフェを描いたのは本当だそうで、作者がそれに物語を載せた格好になっています。

現時点での状況説明を済ませた後、目の前のピエロを軸に時間が過去へとさかのぼります。結末がちょっと意外でした。

この作品はホッパーの絵にしては登場人物の多い珍しい絵で、逆に物語が負けているような感じがします。

絵も物語も真ん中に鎮座する白い衣装、白顔のピエロをどう扱うかが鍵になりますね。