日本語タイトル:その出来事の真実
ホッパーの絵:Hotel Lobby, 1943
作者:リー・チャイルド(Lee Child、本名:ジェームズ・D・グラント (James D. Grant) 、1954年10月29日 - )は、イギリスの推理小説家。
ホッパーの絵から生まれた短編集。本日はイギリス出身の推理小説家・リー・チャイルドの「その出来事の真実」を読みました。
ホッパーの絵は"Hotel Lobby"。絵の中の人物もはっきり描かれており、作品の構成は簡単だったかも知れません。作者は少しヒネリを加えてコメディー・タッチのスパイものに仕上げました。
話しては軍の機密プロジェクトの採用担当者。構造技師として採用しようとした老人に不倫疑惑があり、ホテルの密会現場を押さえようとします。目指したホテルには老人と本当の配偶者が泊っており、結末は?というのがホッパーの絵から直接構築できる筋です。
軍の機密プロジェクト名が「マンハッタン計画」(!?)で実際の作ろうとしているのがコンクリート船であり、採用担当者がその効用を信じていない、というパロディになっています。
P109
「最初の三日間はなにひとつ入手できませんでした。老シャーマンは、どちらの女性とも会いませんでした。彼はコンクリート船の会議で缶詰になっていたんです。ところで、そんなものが役に立つと思いますか?」
アメリカでもコンクリート船のアイデアがあったのでしょうか。それとも戦争末期の日本のことを皮肉っているのかは不明です。
よく出来たコメディーでした。訳もこなれていてスラスラ読めました。(作者の長編三作の日本語訳をされているので当然か)。



