[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(80)
764から767は「昭和三十四年をむかへての十句」の前書き中4句採録のもの。
しろきものおちてきたりぬ去年今年
初日記いのちかなしとしるしけり
とぢ絲のいろわかくさやはつ暦
まゆ玉にさめてふたゝび眠りけり
流寓抄以後
その二
764 しろきものおちてきたりぬ去年今年
765 初日記いのちかなしとしるしけり
766 とぢ絲のいろわかくさやはつ暦
767 まゆ玉にさめてふたゝび眠りけり
768 寒ンに耐ふ魚(いを)のごとくに身をひそめ
769 春立つやあかつき闇のほぐれつゝ
770 春立つや障子へだてしうけこたへ
771 何おもふ梅のしろさになにおもふ
772 鶯や書出しかけし二三行
773 せきれいとおぼしきかげや春の雪
774 春雪やよびさまされし死者の魂
775 たけのこ煮、そらまでうでて、さてそこで
776 春深し鳩またくゝと、くゝと啼き
