[積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治四十一年 665—674
669 南天に寸の重みや春の雪
665 日毎踏む草芳しや二人連
666 二人して雛にかしづく楽しさよ
667 飯蛸の一かたまりや皿の藍
668 籠の鳥に餌をやる頃や水温(ぬる)む
669 南天に寸の重みや春の雪
670 そそのかす女の眉や春浅し
671 塩辛を壺に探るや春浅し
672 穴のある銭が袂に暮の春
673 春惜しむ人にしきりに訪(と)はれけり
674 文を売つて薬に代ふる蚊遣哉
665 「祝伝四結婚」と前書。伝四は門下の野村伝四。
674 『古今名流俳句談』に寄せた句。本を売って妻の薬を得ようとする編者の杜南に協力するという前書あり。
