2025年4月19日土曜日

[積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治四十一年から四十二年 675—684

677 この下に稲妻起る宵あらん


684 春はものの句になりやすし京の町






   [積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)

明治四十一年から四十二年 675—684


675 青梅や空しき籠に雨の糸


676 鮟鱇や小光(こみつ)が鍋にちんちろり


677 この下に稲妻起る宵あらん


678 朝寒や自ら炊(かし)ぐ飯二合


明治四十二年


679 小袖着て思ひ思ひの春をせん


680 空に消ゆる鐸(たく)の響や春の塔


681 俊寛と共に吹かるる千鳥かな


682 五月雨やももだち高く来る人


683 初秋の芭蕉動きぬ枕元


684 春はものの句になりやすし京の町


676 小光―虚子の小説『俳諧師』に登場する女義太夫。

677 『吾輩は猫である』のモデルになった猫の死を悼み墓標の裏に書いた句。

680 「空間を研究せる天然居士の肖像に題す」と前書。天然居士は親友の米山保三郎。

684 『虞美人草』に「春はものの句になりやすき京の町を」という表現がある。