2020年3月29日日曜日

[WGC] 棟方志功装丁の谷崎潤一郎作品(中央公論社版)





(  )内は出版年の谷崎潤一郎の年齢です。

棟方志功はこの谷崎潤一郎の装丁をはじめとして多数の作品がありますが、谷崎の装丁が一番似合っているような感じがします。

今日的な視点では棟方志功の年齢はまだ壮年でしょうが、じいさん二人がタッグを組んだ見事な作品には感服します。

このような装丁の函入りの書籍はもう二度と出版されないと思います。



『鍵』(昭和31(1956)年12月10日、70歳)
棟方志功、53歳

『夢の浮橋』(昭和35(1960)年2月25日、74歳)
棟方志功、57歳

『瘋癲老人日記』(昭和37(1962)年5月28日、76歳)
棟方志功、59歳


<中公文庫の紹介>

夢の浮橋
夭折した母によく似た継母。主人公は継母への憧れと生母への思慕から二人を意識の中で混同させてゆく。谷崎文学における母恋物語の白眉。〈解説〉千葉俊二


瘋癲老人日記
七十七歳の卯木は美しく驕慢な嫁颯子に魅かれ、変形的間接的な方法で性的快楽を得ようとする。老いの身の性と死の対決を芸術の世界に昇華させた名作。


鍵
妻の肉体に死をすら打ち込む男と、死に至るまで誘惑することを貞節と考える妻。性の悦楽と恐怖を限界点まで追求した問題の長篇。〈解説〉綱淵謙錠