2024年9月7日土曜日

[積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治三十二年 406—415




[積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治三十二年 406—415


406 かしこしや未来を霜の笹結び


407 二世(にせ)かけて結ぶちぎりや雪の笹


408 短くて毛布つぎ足す蒲団かな


409 泊り合す旅商人の寒がるよ


410 寐まらんとすれど衾(ふすま)の薄くして


411 頭巾着たる猟師に逢ひぬ谷深み


412 はたと逢ふ夜興引(よこひき)ならん岩の角


413 谷深み杉を流すや冬の川


414 冬木流す人は猿(ましら)の如くなり


415 帽頭や思ひがけなき岩の雪


398~407まで羅漢寺での句。

406 「参詣路の入口にて道端の笹の葉を結びて登るが例なり。

極楽の縁を結ぶためなりとかや。これを笹結びという」と前書。

407も笹結びの句。

二世―現世と来世

408 「口の林という処に宿りて」と前書。410まえ同所の作。

411 「耶馬渓にて」と前書。425まで同所の作。


よこ‐ひき【夜興引】

〘 名詞 〙 ( 「よごひき」とも ) 冬の夜、山中で猟をすること。また、その人。よこうひき。よこ。《 季語・冬 》