2021年11月9日火曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(17)



当方は下戸なので酒の句はわかりませんが、

食と酒がからむとどんな句でも味わい深い感じがします。


柳散り蕎麦屋の代にかはりけり

 

おでんやにすしやのあるじ酔ひ呆け

 

熱燗にうそもかくしもなしといふ



 草の丈

芝のころ(その一)(昭和九年六月―十七年)Ⅲ


162 あきかぜの疾渡(とわた)る空を仰ぎけり


163 塀にちて塀をまがれば秋の風


164 柳散り蕎麦屋の代にかはりけり


165 新海苔の艶(つや)はなやげる封を切る


166 短日やされどあかるき水の上


167 冬の灯のいきなりつきしあかるさよ


168 かはせみのひらめけるとき冬木かな


169 さゝなきやついぢのたくむ一トざしき


170 おでんやにすしやのあるじ酔ひ呆け


171 熱燗にうそもかくしもなしといふ