育児に自信がないから子どもをつくらないというのはまちがっている。子どもを産まないうちから育児に自信のある人間など、あるものでない。水にはいったことがなくて、水泳に自信のある人間がないのと同じだ。育児は全科目の試験でない。子どもの月齢に応じて、でる問題がきまっている。1ヵ月の赤ちゃんの母親は、1ヵ月の赤ちゃんに必要なことだけ知っていればいい。4ヵ月になったら1ヵ月の赤ちゃんにしかおこらない病気のことは、忘れてしまってかまわない。
自分は人間ができていないから、赤ちゃんを育てる資格がないと思うのにも賛成できない。人間は完成するものでないし、完成に近づいたにしても、そのころには子どもをそだてられない。だが親になることは、人間を完成に近づける機会であることにまちがいない。子どもの側からすれば、あまり自信のある親は、よい親でない。子どもといっしょに人生を探究し 、いっしょにそだってくれる親がいい。
『定本 育児の百科』(松田道雄著、岩波文庫)より
※本日、長女が出産した男児が里帰りで、当方宅へ。微力ながら伴走ですね。
