2024年12月26日木曜日

[積読立読斜読] 岩波文庫版『柳多留名句選(上)』(山澤英雄選、粕谷宏紀校注、岩波文庫、1995年)

 


新シリーズ。古刊ですが。10句づつ紹介していきます。

上下で1900句超あるそうで、終了いつになるやら。



岩波文庫版『柳多留名句選(上)』(山澤英雄選、粕谷宏紀校注、岩波文庫、1995年)


春


1 薬種屋(やくしゅや)で屠蘇を買ふのは無病なり


2 屠蘇を下さいと丈夫な男来る


3 喰積がこしゃくに出来て一分(いちぶ)めき


4 元日はまだこわいから戸を明けず


5 元日に女の歩くひどい用


6 二つ三つ鼾をかくと御慶なり


7 年始帳留守を遣ふのはじめ也


8 あがるなといわぬばかりの年始帳


9 上下(かみしも)の音ばかり聞く年始帳


10 ひどい借り春めきながら冴へかへり



1 かかりつけ医者から屠蘇をもらうのが慣例だった

3 

喰積

現代ではお正月の御節料理をさしていう場合が多いが、本来は新年の祝饌。 三方などに米、餅、昆布、熨斗鮑、ゴマメ、橙、ユズリハなどの種々の縁起物を飾り、年賀客にも供した。 これらは地方や家庭により違いがあるが、野の物、山の物、海の物が中心となっている。

喰積(くいつみ/くひつみ) 新年 – 季語と歳時記


台の物、一分

吉原は元和4年(1618)に幕府公許の遊廓として日本橋葺屋町の辺で営業を始め、明暦3年(1657)に浅草寺裏に移転して新吉原と呼ばれました。上の絵は文政(1818~30)年間の新吉原で、そのころには遊女屋に仕出しをする専門の料理屋がありました。この料理屋を喜の字屋といい、大きな台に料理を飾りつけ、松などをあしらった、台の物と呼ばれるものを注文に応じてつくりました。

 台の物の価格は1分で1分台と呼ばれ、刺身、煮物、硯蓋(口取り)、焼物の4種、天保(1830~44)年間には2朱台もできて、煮物と酢の物の2種だったようです。台の物は高価な割に味が良くなかったそうで、遊廓の外からの仕出し料理も利用され、そのほか遊廓の中にはうどん屋、そば屋、うなぎ屋もあり、玉子やすしの行商もありました。なお、遊女たち自身の食事は1日2食で、粗末なものだったといいます。


https://www.kabuki-za.co.jp/syoku/2/no28.html


4 大晦日の借金取りを警戒


5 元日には外出しないのが女性の嗜み


6 御慶:新年の挨拶


10 冴へかへり:余寒の厳しいこと