み返ればすなはちやさし春の月
流寓抄 八
527からは欧州への旅行。中東の地と俳句は相性が悪いようで歯切れが悪い。
「よろこびもかなしみも…」の前書きのある526は出発前の日本の句と思われます。
526 み返ればすなはちやさし春の月
527 鳥曇よしなきことにかゝづらひ
528 壁にいま夜の魔ひそめるやもりかな
529 みじか夜やおもひおもひの椅子の向き
530 空港につづく広野の麥の秋
531 星涼しユダヤかたぎのはなし好き
532 短夜やこの坂の下地中海
533 聖蹟の丘たゝなはる五月かな
534 聖蹟すなはち廃虚雲の峰
535 死海(デット・シー)みゆるとのみや雲の峰
