[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(47)
たゝむかとおもへばひらく扇かな
433は「九月二十八日、宮中にて御陪食(三句)」のうちの一句。
436からの六句は安藤鶴夫の『落語鑑賞』の序に代えて詠まれたもの。
流寓抄 その五
433 言上すうき世の秋のくさぐさを
434 あきかぜのへちまとなりて下がりけり
435 長き夜やひそかに月の石だたみ
船徳
436 四萬六千日の暑さとはなりにけり
明烏
437 大門といふ番所ありほととぎす
お見立
438 墓原の空に鳶舞ふ日永かな
寝床
439 明易やらちくちもなくなく眠りこけ
素人鰻
440 夏の夜の性根を酒にのまれけり
酢豆腐
441 たゝむかとおもへばひらく扇かな