[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(46)
流寓抄 その五
423 松の蕊(しん)群れて鳥の音(ね)へだてけり
424 夏に入る星よりそひてうるみけり
425 靑すだれむかしむかしのはなしかな
426 蝙蝠に口ぎたなきがやまひかな
427 夕月をいただきて夏やかたかな
428 さめにけり汗にまみれしひるねより
429 人のうへやがてわがうへほたるかな
430 盆提灯かくて地雨となれりけり
431 おぼしめりありがたく露しろきかな
432 わすれめや賜餐(しさん)の卓(しょく)の秋の草