[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(49)
449 正直の後手に後手にと寒きかな
450 とりわくるときの香もこそ櫻餅
451 さくらもち供えたる手をあはせけり
452 火をふいて灰またひたゝす餘寒かな
453 波あおきかたへと花は遁(のが)るべく
454 ふる雨のおのづから春夕(ゆふべ)かな
455 波哮(たけ)るかたへとおぼろたどりけり
456 あけし木戸閉めておぼろにもどしけり
457 西もひがしもわからぬ猫の子なりけり
458 鎌倉は光明寺遅ざくらかな