中公新書版の「SDGS」が版を重ねているようです。岩波新書からも関連書が出てましたので読んでみました。(こちらのほうが整理されていて読みやすそうだったので)。
勤務先に出入りする会社の方でカラフルなバッジをつけている人がいます。SDGsに企業として取り組んでいることをアピールするためだそうです。
[SDGsバッジ](この会社は国産ヒノキの木製だそうです)
SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、2030年までに世界が取り組むべき17の目標として2015年9月に国連総会で採択されましたが、この目標、実は新しいものではなく、2000年から2015年に掲げられたMDGs(ミレニアム開発目標)の目標や指標が含まれている、発展的な設定目標だそうです。
MDGsは、開発途上国の貧困・教育・健康・環境などの改善に一定の成果を挙げたものの、環境問題など、先進国も含めた、世界共通の課題への対応が喫緊の課題ということの認識が高まり、新たに策定されたのがSDGsです。
SDGsは、相互に関連の深い「17のゴール(目標)」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。
下記17のゴールです。
[SDGsゴールイメージ]
本書ではSDGsの目的を「世界を持続可能かつレジリエント(しなやか)な道筋に移行する」としています。
SDGsの目標は、具体的にわかりにくいのですが、視覚的にわかりやすい指標としてエコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)があります。人間が自然環境に依存しているかをヴィジュアルに表したものです。
(1)あるエリアの経済活動の規模を、土地や海洋の「表面積(ヘクタール)」に換算。
(表面積:食糧のための農牧地・海、木材・紙供給やCO2吸収のための森林など。エリア外からの輸入物の生産に要する面積も含む)
この表面積=エコロジカル・フットプリント=そのエリアで自然環境を踏みつけている面積であり、人間の足跡(Footprint)です
(2)その面積をエリア内人口で割って、1人あたりのエコロジカル・フットプリント(ha/人)を指標化。
1970年に地球のバイオキャパシティーを超え、現在は地球1.69個分となっているそうです。
かつてアメリカの未来学者でもあったバックミンスター・フラーが提唱した宇宙船地球号(うちゅうせんちきゅうごう、英: Spaceship Earth)の考えと同じです。「宇宙船地球号」とは、地球上の資源の有限性や、資源の適切な使用について語るため、地球を閉じた宇宙船にたとえて使う言葉です。
[世界全体のエコロジカル・フットプリント]
類書も多数出版されていますが、本書が特筆すべきなのは、著者のうちの一人が実際に国連でSDGsの交渉を担当した外交官であり、共著者はNPOの活動家で、東京大学の同窓でエリートでありながら、東ティモールの大使のキャリア、アフリカでの保険分野の援助活動を通じて、
いわば地べたからSDGsの活動を継続して行っているという点で、実に具体的・説得力のある内容に仕上がっていると思いました。
[著者プロフィール]
稲葉氏が第1章、第2章2、第4章、第5章2、3(科学技術部分)、6を執筆、それ以外は南氏が執筆されました。
2020年のコロナ禍で、目前の危機の対応でSDGsの活動はかなり後退した感じがあり、日本ではSDGs自体は徐々に認識されてきたものの、それを作り上げてきた多国間外交や、底流に流れる国際的な連帯の考え方は充分に理解されていないというのが本書の主張です(P219)
。
日本でのSDGsの活動は政府・行政・企業がいまのところ主体で、SDGsの活動が個人でできることもあるという認識があまりありませんが、エコ活動は明らかにこのSDGsの活動の一環だといえます。
この「ゼロ・ウエスト」は極端にしても。。。
2020年10月28日水曜日
[積読立読斜読]『ゼロ・ウエイスト・ホーム』(ベア・ジョンソン著、服部雄一郎訳、アノニマ・スタジオ刊、2016)
押し付けと言われながら日本国憲法が戦後の日本の骨格を形成したように、このSDGSが日本も含めた世界各国の指針・教科書になると思います。政党や議員の成績測定としても、SDGSへの活動がひとつの指標にならなければいけません。消費者としてはSDGsへの貢献度で企業・商品を選択するという手法があってもよいかも知れません。
個人としては、まあ「目の前のゴミをひとつ拾う」ことから実践しましょう。
[資料](本書掲載のSDGs目標(英語からの著者の翻訳)






















