インターネットやスマートフォンなどによって個人による情報整理と活用は飛躍的に進歩しました。
かつてのように資料探しに膨大な時間をかけることはなくなりつつあります。まだパソコンもインターネットもスマートフォンもない時代に個人における情報整理・知的生産の魁、啓蒙書となった岩波新書の『知的生産の技術』(1969年7月第1刷)が、今改めて注目されているようです。
岩波の雑誌『図書』(2014年9月号)では「梅棹忠夫の「ライフハック」術」として80年生まれの若い社会学者、濱野智史さん(『AKB48白熱論争』(宇野常寛,小林よしのり,中森明夫共著 幻冬舎新書)等の著作あり)が寄稿してます。
今回73年生まれのIT系のジャーナリストである堀正岳さんと、まつもとあつしさんによる共著で『知的生産の技術とセンス 知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術』(堀正岳・まつもとあつし共著、マイナビ新書、2014年)が出版されました。
ほとんど半世紀前に出版された元祖ライフハック術ともいうべき『知的生産の技術』を現代のツールを使ってアップデートすることと、梅棹忠夫氏の生前の功績を著作中心ですが丹念に学び、「技術」を生んだ背景思想まで踏み込んだところが、類書の単なるデジタル機器ノウハウ物とは一線を画する良書と思います。監修に梅棹氏と一緒に仕事をされた人間文化研究機構の小長谷有紀さんを迎えたことで筋が通った編集となったと想像されます。
情報量が爆発的に増え、収集も容易となった現代でこそ、情報収集から「技術」と「センス」の2つのキーワードが必要だというのが本書の主張で、ただむやみに情報を集めるだけではだめ、むやみに発信するだけでもノイズを発信しているだけ、そこに違いを生み出すものは「センス」だと重ねて主張されてます。「センス」をどうやって磨いていくかは本書を参照されてください。個人個人ではもちろん違いはあります。
『知的生産の技術』は高校時代の愛読書でありました。蔵書は増えた分は処分してきましたが、なぜかこの新書だけは残してありました。写真の『知的生産の技術』は1974年4月10日の第19刷とあります。高校1年の時に読んだらしいです。
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