[積読立読斜読] 『漱石俳句集』(坪内捻典編、岩波文庫)明治三十二年 466—475
466 たのもしき梅の足利文庫かな
467 抱一(ほういつ)は発句も読んで梅の花
468 夜汽車より白きを梅と推しけり
469 死して名なき人のみ住んで梅の花
470 玉蘭と大雅と語る梅の花
471 寄合や少し後れて梅の掾(えん)
472 白梅や易を講ずる蘇東坡服
473 蒟蒻に梅を踏み込む男かな
474 日当や刀を拭ふ梅の主
475 とく起きて味噌する梅の隣かな
467 抱一―江戸時代の画家、酒井抱一。
479 玉蘭—江戸時代の画家、池大雅の妻。画をよくした。
471 掾—縁側。
472 蘇東坡—北宋の詩人・文章家の蘇軾(そしょく)のこと。
