スローリーディング中の岩波新書『多数決を疑う』。
本日は第2章を読みました。
以下当方の読書メモです。
選挙などで社会の民意を反映する投票方法には「多数決」以外にもたくさんあり、それぞれに短所があるということが良く分かります。
第2章 代替案を盛り込む
第2章はフランス革命の途中の恐怖政治で処刑された「最後の啓蒙主義的知識人」と呼ばれるフランスのアカデミシャン、コンドルセの「集約ルール研究」の紹介です。
コンドルセ 1743‐94 Marie Jean Antoine Nicolas de Caritat,Marquis de Condorcet
フランスの啓蒙思想家,数学者,政治家。ピカルディ地方に軍人の息子として生まれ,パリのコレージュ・ド・ナバルで数学を専攻,《積分論》(1765)など早くから数学の業績をあげた。1769年にはアカデミー・デ・シアンスに迎えられ,ダランベール,ボルテール,チュルゴらと親交を結び,《百科全書》に経済学の項目を執筆した。82年アカデミー・フランセーズに入会,《ボルテール全集》の編集をするなど18世紀思想家として活躍していたが,革命が勃発すると革命に共鳴し,〈1789年のクラブ〉の会員となる一方,パリ市議会の議員に当選。さらに91年9月には立法議会議員に選出され,公教育委員会に所属した。92年4月,〈公教育の総組織に関する報告と布告の草案〉を作成している。ついで立法議会解散後,国民公会にも議員として選出され,今度は憲法委員会に所属し,93年のジロンド憲法の草案作成にたずさわった。しかし同年6月2日に国民公会からジロンド派と共に追放されることは免れたものの,のちにジロンド派との関係を疑われて,ロベスピエールやシャボなどから批判され,10月ジロンド派といっしょに告発をうけた。逃亡したが,94年春,パリ近郊オー・ド・セーヌ県のクラマールに潜伏中に逮捕され,94年3月29日,獄中で服毒自殺した。コンドルセの主著は,逃亡中に執筆され,彼の死後95年に公刊された《人間精神進歩の歴史的素描》で,これは歴史を人類の進歩によりあとづけ,フランス革命をその人類進歩の最高の到達点としたものであり,これには革命で勝利した自由主義ブルジョアジーの楽観的歴史観,彼らの歓喜と自信があらわされている。⇒フランス革命 小井 高志
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第1章で紹介されたボルダ論文を解説して評価するものの、ボルダルールを含むスコアリングルールを批判した。
「図表2-1」ではスコアリングルールだとYが選ばれる。
[写真]
他のどの選択肢に対してもペアごとの多数決で勝つ選択肢の「ペア勝者」の規準で選ぶと、Xが選ばれる。
コンドルセは「多数側の意思」を反映した集約ルールとして「ペア勝者規準」を推した。
パリの北側にはボルダ、コンドルセの名を冠した通りがある。フランスでは歴史上の偉人として評価されている。
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ボルダ、コンドルセ、の共通した見解。
選択肢が3つ以上の場合は、多数決では票の割れが起きてしまい、多数側の判断が反映されない。(選択肢が2つの場合は多数決でも票が割れない)。
コンドルセの発想の瑕疵(コンドルセのパラドックス(逆理))
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選択肢が3つの場合のモデル、全体に順位をつける
ペアごとに多数決するとモデルでは全体の順序が堂々巡りをするサイクル(循環)が発生する
選択肢が3つまでなら、ペア同士の多数決で僅差のケースを「正しい可能性が低い」として除外すると全体の順序が確立する「コンドルセの方法」
選択肢が4つ以上になると機能しない
コンドルセの集約ルールが再び注目を浴びる
1970年、ミシガン大学のペイトン・ヤング
「最尤法(さいゆうほう)」という統計的手法を用いてデータから選択肢全体への順序を導こうとしている、と説明
[写真]図2-3
さまざまな集約ルール
5つのルールの結果がすべて違う「マルケヴィッチの反例」
①多数決 Xの勝利
②ボルダルール Wの勝利
③コンドルセ・ヤングの最尤法 Vの勝利
④決戦投票付多数決 Yの勝利
⑤繰り返し再開消去ルール Zの勝利
ペア勝者規準「ペア勝者が1位になる」
ペア敗者規準「ペア敗者が2位から最下位のどれかになる」
著者の改良
ペア勝者弱規準「ペア勝者が最下位にならない」
他の方法は「ペア勝者弱規準」を満たさないが、ボルダルール、コンドルセ・ヤングの最尤法
ボルダルールが有権者の理解を得やすい
棄権のパラドックス:棄権した人が、結果を自分に都合よく操作できる場合
集約ルールの一つである「チャレンジ型多数決」は棄権防止性を満たさない
P60
1つの選択肢を決める投票の例には、小選挙区制のもとでの国会議員選挙や、自治体の長の選挙などがある。それらにおいてはボルダルールを使うのが良い。これは国会で公職選挙法を改正すれば可能である。





