[積読立読斜読] 『「あまちゃん」はなぜ面白かったか?』(小林信彦著、文藝春秋、2014年)
紀伊国屋書店ゆめタウン広島店で探しに探し、結局、新刊本コーナーではなく、芸能の「あまちゃん」コーナーにありました。
玉石混交の「あまちゃん」関連本と一緒くたというのは小林信彦に失礼ではないか。
『週刊文春』の「本音を申せば」という連載エッセイを1年ぶんまとめたもので、本作で16冊目になります。
小林信彦は1932年生まれ。純文学からエンターテイメント、映画を中心としたエンターテイメント評論など数々の労作があります。
ブレイク前の若手女優を掘り当てる目利きとしても有名です。
当方はあまりテレビ、映画を観ないので、小林信彦のこのシリーズを参考書に1年遅れで推薦された映画を観る、ということにしてます。
戦前からの筋金入りの映画ファンにしてカルトな映画評論家の推薦した映画は「ハズレ」がなく、重宝してます。
また東京大空襲で生家を失い、学童疎開の経験のある、健全な戦後民主主義の信奉者である著者の世評はまったく軸がぶれておらず、こちらも賛同することが多いです。
2013年は大島渚の死で始まり、大瀧詠一の死で終わった年として記憶されるかも知れません。もちろん「あまちゃん」もありました。
不愉快な世の中だけれでも御年80歳を超えてなお好奇心旺盛で近年のモットーは「B級映画を女優で観る」という信念だそうです。
以前に比べてお年を召されたせいか、体力のいる書籍の紹介が減り、古い映画のDVD評論が多くなっているのが気になります。
ぜひとも長生きされて良質のクロニクルを続けてください。
