櫻餅うき世にみれんあればかな
尋めゆけどゆけどせんなし五月闇
「さるほどに」の前書きの697、一人息子の「耕一、百ケ日」の前書きのある702が印象に残りました。
697 櫻餅うき世にみれんあればかな
698 春雨や枯らすに惜しきいのちの根
699 蹴る鞠のそれてかげろふゆくへかな
700 椿落つ妬心の闇のふかき底
701 目になみだうかめし春の佛かな
702 尋(と)めゆけどゆけどせんなし五月闇
703 新盆(にいぼん)やひとかに草のやどす露
704 風きよし切子の房をふきみだし
705 夜あがりの空たのめなき切子かな
706 身の闇や盆提灯のきえしとき
五月闇:五月闇(さつきやみ)
仲夏
【子季語】
梅雨闇、夏闇
【解説】
梅雨時のころの鬱蒼とした暗さをいう。昼間の厚い雲に覆われた暗さでもあるが、月のない闇夜のことでもある。
尋む
と・む 【尋む・求む・覓む】
他動詞マ行下二段活用
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
さがしもとめる。たずねる。
出典新古今集 春上
「とめ来(こ)かし梅盛りなるわが宿を」
[訳] たずねて来てほしい、梅の花が盛りの私の家を。
