2022年8月11日木曜日

[積読立読斜読] 『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫、2021年)(70)

 



流寓抄 その十一


668 一人猪口をふくみて夏のよき夕


669 割りばしをわるしづこゝろきうりもみ


670 みじや夜や間毎(まごと)間毎の葭(よし)障子


671 角力いまはねし賑ひ今日の月


672 はればれと馬市たちし花野かな


673 芒、穂にいでゝ恵那いま雲の中


674 わたり來し橋をかぞへて夜寒かな


675 一ト猪口は一ト猪口と秋ふかきかな


676 冬近し草にかくれし榻(しぢ)一つ


677 北京着けさはつ雪のありしとふ




えな〔ゑな〕【恵那】 の解説

岐阜県南東部の市。中心の大井はもと中山道?(なかせんどう)?の宿駅。精密機械や製紙、電機工業が盛ん。人口5.4万(2010)。


榻(しぢ)

意味

①こしかけ。ながいす。ねだい(寝台)。 ②しじ。牛車のながえのささえ。