流寓抄 その十一
668 一人猪口をふくみて夏のよき夕
669 割りばしをわるしづこゝろきうりもみ
670 みじや夜や間毎(まごと)間毎の葭(よし)障子
671 角力いまはねし賑ひ今日の月
672 はればれと馬市たちし花野かな
673 芒、穂にいでゝ恵那いま雲の中
674 わたり來し橋をかぞへて夜寒かな
675 一ト猪口は一ト猪口と秋ふかきかな
676 冬近し草にかくれし榻(しぢ)一つ
677 北京着けさはつ雪のありしとふ
えな〔ゑな〕【恵那】 の解説
岐阜県南東部の市。中心の大井はもと中山道?(なかせんどう)?の宿駅。精密機械や製紙、電機工業が盛ん。人口5.4万(2010)。
榻(しぢ)
意味
①こしかけ。ながいす。ねだい(寝台)。 ②しじ。牛車のながえのささえ。
