恐るべきハイヤー配車 ウーバーの挑戦 編集委員 西條都夫
(2014/5/20 日本経済新聞電子版)
単純にタクシーの配車サービスをスマートフォンのアプリに乗せただけではないようです。
日本のタクシー業界にとって「黒船」とされるUber(ウーバー)の記事が日経の電子版に
ありましたので紹介します。
アメリカでは都市にもよりますが公共交通機関が発達しておらず、タクシーなどは参入障
壁を低くして充実させたい意向があるのかも知れません。
車の運転が好きで、空いた時間にアルバイトしたい人もいるかも知れません。公共交通機
関が少なく困っている人とのマッチングを叶えたところがUber(ウーバー)社の新しいと
ころでしょう。
需給次第でハイヤー料金が変動する「ダイナミック・プライシング」という発想は大胆で
す。
古い業界で改善の余地がないと思われても視点を変えれば新たな需要が生まれるという好
例だと思います。
自分の身の周りにも応用を効かせたいですね。
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本拠を米シリコンバレーに構え、グーグルから2億5000万ドルの出資を受け、社員の多く
はソフトウエアエンジニア。事業開始からわずか4年たらずで東京を含む世界110都市に
拠点を開設した――こう聞くと、読者の多くはフェイスブックのような新手のインターネ
ットサービス会社を想像するだろうが、これは半分正解で半分間違いだ。この会社はウー
バーという名前のハイヤー配車会社である。
■車と人のマッチング会社
ではなぜ「半分正解」なのか。通常のタクシー・ハイヤー会社とは違って、ウーバーは
車両を1台も保有せず、ハイヤー会社のライセンス(免許)も取らない。 利用者のスマ
ートフォンにハイヤー予約のための専用アプリを配信し、お客からの要望があると提携し
たハイヤー会社の車両を差し向ける。いわば車と人のマッチング会社であり、使い勝手の
いいアプリと、マッチング業務を背後で支えるITシステムの開発こそウーバーの競争力
の源泉の一つだからだ。
最近同社のアジア事業の責任者であるアレン・ペン地域統括最高責任者が来日し、話をす
る機会があった。日本のタクシーは規制でがんじがらめだが、最近はさらに規制を強める
動きさえある。ウーバーも日本での事業展開はそれを踏まえざる得ないが、世界を見渡す
と、いろいろな市場がある。
ペン氏によるとウーバーのサービスが最も普及している都市の一つが米シカゴだ。ここで
は1000人を超えるウーバーとの契約ドライバーがいるが、「そのほとんどは個人でハイヤ
ーのライセンスを取り、我が社と契約した人だ」という。日本で個人タクシーの免許を取
ろうとすれば、法人タクシーの運転手の経験など厳しい条件が課されるが、シカゴではわ
ずか2週間でライセンスが取れるのだ。
そこでアルバイトしたい学生や暇な時間に稼ぎたいサラリーマンがライセンスを取って、
ウーバーと契約する。車両は自前で用意しないといけないが、リースを使えば、たいした
初期投資なしに契約運転手を始めることができる。こうした参入障壁の低さがウーバーの
一部都市での急成長に道を開いた。
■需給次第で料金変動
運転席の横にはタブレット端末を設置。車の位置情報を取得し、料金精算に生かす もう
一つはプライシングだ。日本のタクシー市場は公定料金。大阪市などで一部あった格安タ
クシーも規制強化の波のなかでなくなろうとしている。ところが、ウーバーは(日本では
違うが)需給次第でハイヤー料金が変動するダイナミック・プライシングを採用した。
「みんなが車で移動したい雨の日と、晴れた日では需要曲線が異なり、値段が変わるのは
当たり前。休日の前の日の夜も需要は多いが、その時間に働きたいというドライバーは少
ない。料金を高く設定し、ドライバーの取り分も増やすことで需給を一致させる」とペン
氏はいう。
英エコノミスト誌によると、このダイナミック・プライシングの結果、おおみそかなどの
超繁忙期はウーバーのハイヤーの最低料金が通常の7倍の175ドルまで跳ね上がることも
あるという。
「人の弱みにつけこんで、と文句は言う人はいませんか」と聞くと、ペン氏は「予約する
前に料金についてはお客さんに明示し、納得した人だけに乗ってもらっている」と説明。
そして「こうした変動的な料金設定のほうが合理的だということを社会に広く『教育(エ
デュケーション)』したい」とも口にした。日本の既存業界から出てきそうにない柔軟な
発想で、旧態依然のタクシー・ハイヤー市場に新風を吹き込んでもらいたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK16047_W4A510C1000000/?df=2
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