漱石の『吾輩は猫である』読書中。全体を貫く大きな主題があるわけでなく、漱石読書のガイドブックとして使っている『漱石は終わらない』では「一章ずつ読むのが正しい読み方」だそうですので、
一章ずつ読んでます。
本日は「第四」を読みました。
<第四のまとめ>
寒月の結婚問題について実業家・金田夫妻の依頼を受けた苦沙弥の旧友・鈴木。
「それじゃ、今度寒月が来たら、博士論文をかく様に僕から勧めてみよう」。
首尾よく苦沙弥を説き落とた鈴木だが、そこへ迷亭が現れて…。
細君の頭に大きな禿(はげ)があるのを発見した苦沙弥。
「禿」対「鼻毛の白髪」の夫婦喧嘩が面白い。
<自分用のメモ>
p148
例によって金田邸に忍び込む。
p149
如是観によりて如是法を信じて居る吾輩はそれだからどこへでも這入つて行く。
p151
若し世間が熊坂長範許(ばか)りになつたら如何なる盛徳(せいとく)の君子も矢張り吾輩の様な態度に出づるであらう。
p152
金田君は例の如く横風な言葉使いである。横風ではあるが毫も峻嶮な所がない。言語も彼の顔面の如く平板尨大(ぼうだい)である。
p156
此禿頭の音は近来大分聞馴れて居る。比丘尼が木魚の音を聞き分る如く、縁の下からでも音さへ慥かであればすぐ禿頭だなと出所を鑑定する事が出来る。
p162
「成程似て居るな」と主人が、さも感心したらしく云ふと「何がです」と細君は見向きもしない。
「何だつて、御前の頭にや大きな禿があるぜ。知っているか」
「えゝ」と細君は依然として仕事の手を已めずに答へる。別段露見を恐れた様子もない。超然たる模範細君である。
p164
愈々鈴木君がぺんぺん草を目的(めあて)に苦沙彌先生の臥龍窟を尋ねあてたと見える。
p166
眞面目(まじめ)に猫を相手にして曲直を争ふのは如何にも大人げない。
p168
「僕は實業家は學校時代から大嫌だ。金さへ取れゝば何でもする、昔で云へば素町人だからな」と實業家を前に控えて太平楽を並べる。
p171
「金を作るにも三角術を使はなくちやいけないと云ふのさ—義理をかく、人情をかく、恥をかく是で三角になるそうだ面白いぢやないかアハアアア」
p172
「パスカルがこんな事を云つて居る」
「どんな事を」
「若しクレオパトラの鼻が少し短かゝつたならば世界の表面に大變化を來たしたらうと」
p174
従つて圓轉滑脱(ゑんてんくわつだつ)の鈴木君も一寸狼狽の気味に見える。
p184
是は旨く仕上がつたと思ふ彫刻には一日も早く箔を塗つてやりたい。
p185
大方鼻戀位な所だぜ
