2015年9月5日土曜日

[あの頃のレコード] Paul and Linda McCartney "RAM" (1971)


村上春樹さんが近著『村上さんのところ』内で「ポール・マッカートニーのアルバムっていうと、僕は『ラム』がけっこう好きです。「アンクル・アルバートとハルセイ提督」を聴きながら走るのも好きです。あれ名曲だと思うんだけと、同意してくれる人は少ない。フレディー・ハバートの演奏するこの曲もかっこいいです。」(p47)とあり、襟を正してちゃんと"RAM"を聴き直した次第です。広島駅近くの中古レコード屋さんで入手しました。

『ラム』はビートルズ解散後、ポール・マッカートニーの2枚目のスタジオ録音のアルバム。奥さんのリンダ・マッカートニーとの連名でのアルバムとなってます。

ビートルズが正式に解散したのは1971年。この時ポール・マッカートニーはまだ29歳でした。偉大な業績を残したグループのメンバーのその後にあり方は結構難しいものがあるでしょうが、
他のメンバーは新境地を開いて活躍していのに対し、ポールの最初のソロはファンの期待を裏切り満足した作品ではありませんでした。

別にロックの歴史に新たに軌跡を残す必要はなく、自分の思う音楽をやればよいと考えたのが、この『ラム』の誕生の経緯と思います。音楽的には素人の写真家、リンダとの共作という手法を採りました。いわばミシュランの3つ星レストランのスター・シェフが故郷の農場の側でカウンター8席の小料理屋を女房と始めたといった感があります。

この『ラム』ではさすがに全曲が佳曲というわけにはいきませんが、『バンド・オン・ザ・ラン』に繋がるものがあります。ヨーコ&レノンのカップルの華々しい活動は気にせずポールは自然態で臨んだようです。

「ロック史上最も歌の下手な女性歌手」というありがたくない名称を頂くリンダさんですが、家庭回帰、農村回帰で家事も全部自分でこなしたリンダの存在がなければ、ビートルズのその後に、ポール・マッカートニーが耐えられたかどうかは疑問です。1998年56歳で没。もっと評価されてもいいかも知れません。

『アビーロード』の焼き直しとの意見もありますが「アンクル・アルバートとハルセイ提督」はやはり名曲ですね。



Side one

No. Title Writer(s) Length

1. "Too Many People"   Paul McCartney 4:10
2. "3 Legs"   Paul McCartney 2:44
3. "Ram On"   Paul McCartney 2:26
4. "Dear Boy"   2:12
5. "Uncle Albert/Admiral Halsey"   4:49
6. "Smile Away"   Paul McCartney 3:51


Side two

No. Title Writer(s) Length
1. "Heart of the Country"   2:21
2. "Monkberry Moon Delight"   5:21
3. "Eat at Home"   3:18
4. "Long Haired Lady"   5:54
5. "Ram On (Reprise)"   Paul McCartney 0:52
6. "The Back Seat of My Car"   Paul McCartney 4:26

All songs written and composed by Paul & Linda McCartney, except where noted.