[その他] 雑誌『考える人』が文庫本特集
7月4日発売の『考える人』が文庫本特集。この雑誌は版元が新潮社で、新潮文庫はなんと誕生100周年だそうです(岩波よりも早い)。
1914年の初回版はいまのような簡易な製本ではなく、地巻表紙・背クロス張の上製な製本で、トルストイ『人生論』など6点を刊行したそうです(※新潮文庫創刊100年を記念数量限定で「創刊文庫完全復刻版」が5冊セットで年内刊行予定)。
特集は単なる文庫本のガイドではなく、文庫という形態が読者に及ぼした影響を多面的に見直しています。
7月になると文庫本各社が中学生・高校生の夏休みの課題向けに文庫本のフェアを一斉に始めます。28期の高校時代は「第3次文庫ブーム」と言われた1970年代の中頃です。岩波、新潮、角川という“御三家”に加えて、1971年に講談社文庫、73年に中公文庫、74年に文春文庫、77年に集英社文庫が登場した、文庫本の熱い時代でありました。中公文庫の庄司薫、文春文庫の伊丹十三、の一連の著作は高校時代の当方にとって衝撃的でありました。
28期のような50台後半の熟年世代には誰もキャンペーンを張ってくれないので、自分でマイ・キャンペーンを作って文庫本に再チャレンジするのもいいかもしれません。
第2特集は先ごろドキュメンタリー映画が放映された「世界一美しい本を作る男」を訪ねて、ドイツの出版社「シュタイデル」訪問記の前編。家内制手工業的な出版社でビジュアル本中心のラインナップです。残念ながら当方実際の本は未見です。職人的な出版社が成り立つのはうらやましいです。
雑誌の特集の最後で「私たちは程度の差こそあれ、文庫という『小さな本の大きな世界』の懐に抱かれながら育ってきました。そしてこれからも文庫本との付き合いは、ますます深まっていくことでしょう」と編集者は結んでいますが、実際には、街から本屋さんも急激に減ってきてますし、読書人口も激減しているようです(大学生4割が読書時間ゼロ(大学生協連調査、2014年2月)。出版も読書も滅び行く伝統芸能にならなければよいなと思います。
